脱「初心者」へ

グリップを考える①

picklebouya

ピックルボールは繊細です。テニス出身者の私「ピックル坊や」も、テニスとピックルボールでのグリップは全く同じではありません。微妙に変わっていきました。今回はそんな理由をお話します。

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グリップの種類を知る

改めて、になりますが、グリップの種類からおさらいしたいと思います。もう分かっているよ、という方は「グリップを考える②」に進んでください。

手の甲側を見て親指と人差指の間の溝の部分、Vの形ができる場所を基準にして、六角形のグリップの面を合わせることで、説明していきます。

あとラケットスポーツ初心者の方へ、お伝えしておきたいことがあります。グリップは大事とよく言われますが、実際はプレーヤーのリストの強弱などの身体的特徴、スイング軌道、プレースタイルなどに大きく左右されます。

人によって心地よいポジションは変わります。メリット、デメリットは、あくまで参考程度にとらえて、自分の打ちやすさを優先してください。

大まかなに4種類

ピックルボールで初心者に最も推奨されると言われているのが、このコンチネンタルグリップです。

まずパドル面を縦にして握手するように握ってください。手のV字の部分が下の図の8️⃣の位置にくればOKです。

※数字は時計回りにパドル面から1️⃣から8️⃣と考えてください。

8️⃣の面の真ん中に絶対Vの字が来なくても構いません。8️⃣の面の右端側(1️⃣との間あたり)にVの字が来る場合はイースタン寄りのコンチネンタルグリップと呼ばれます。

コンチネンタルグリップ
特徴フォアバックの切り替えがスムーズ、リーチが長くなる
ボレー
ディンク
フォア
バック

特徴としては

フォアバックの切り替えがスムーズで、ハンドバドルになった場合に最大限の俊敏性を活かせます。

面がオープンフェイスになりやすい分、体の後ろ側でもヒットしやすくなります。その分、特にボレーでリーチが横に広くなります。

一方でキッチンライン前ギリギリのボールを処理するような場合は難しくなります。

アンダースピンはかけやすいですが、トップスピンは難しくなります。

ディンクでも万能型です。

フォアはスライス、バックはスピンを打ちやすくなります。

ただしフォアのスピンがかけづらく、スピードアップするのが難しく感じられるのが弱点です。

ストロークの場合、低いボールをスライスで返すのは、膝をあまり使わず身体的に楽ですし、キッチン前に行く時間を作れます。ただトップスピンに比べれば、ディフェンシブなショットにもなります。

ピックルボールではテニスのように肩口に跳ねるボールをスライスで返すプレーはほぼありません。その分、ストロークでこのグリップを使うメリットはかなり減少すると感じます。

相手のサーブの威力が強い時のリターン時や、サーブでアンダースピンをかける場合には有効です。

包丁やハンマーを持つようなグリップです。

パドル面を縦にして、手のひらを合わせた後、その手をグリップにスライドさせた状態を作ってください。

1️⃣の面の真ん中あたりに、手のVの字が来るはずです。

イースタングリップ
特徴安定感がある、フォアのスピンがコンチよりかけやすい
フォアボレー
フォアディンク
フォア
バック

真っすぐ握ることで、パドル面の手のひらが同じ動きになります。

その分、フェイスの角度を感じやすく安定性が増すと言われます。

横のリーチの広さはコンチネンタルより減りますが、縦は伸び、

フォアのスピンがかけやすくなります。

一方でバックはオープン気味になりスピンがかけにくくなります。弱点の右肩、右肘が上がるチキンウィングと言われる部分を狙われた際、処理が難しくなります。

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フォアのスピンはコンチネンタルに比べてかけやすくなります。

バックもうまくリストを使える方であれば、対応可能な範囲でしょう。

コンチネンタルに比べ、万能型の部分は薄れますが、スピードアップはしやすくなり、攻撃性は上がります。

ボレー同様、安定性が増すメリットが感じられます。

スピンをかけることより、フラット系を好む方には最適です。

コンチネンタルよりもボールの後ろをキッチリとらえることがしやすいです。

イースングリップから六角形の面を1つ時計回りに進めてください。

図の2️⃣の部分に手のVの字がくる形がセミウエスタングリップです。

2️⃣の面の左側にVの字が来る状況でもOKです。これがイースタン寄りのセミウエスタンとなります。

私はこの六角形の峰の部分とVの字が合致する形を使っています。

セミウエスタングリップ
特徴フォアのスピンがかけやすくパワーが上がる
フォアボレー
バックボレー
フォア
バック

フォアボレーはボールを転がしてスピンをかけやすくなります。

一方、バックボレーはフォアと同じ面で打つのは、かなりリストが柔らかくないと難しいでしょう。

軟式テニス出身者ならフォアと同じ面で打つことで対応できる方もおられると思います。

面が閉じる分、フォアのスピンはイースタン以上にかけやすくなると感じる方もいるかもしれません。

ただあまりグリップが厚いと相手コートに収めるのが難しくなるでしょう。

一方でスライス系は打ちにくくなります。

リセットが難しく感じられる方もいるかもしれません。

バックは逆にスライス系が打ちやすくなります。

スピンに切り替える場合は、両手を使って左手主導で打つ方が多いと思います。

ベースラインからフォアを強打する場合、かなりスピンをかけやすくなり、出力も上げることができます。これが最大のメリットでしょう。

スピン系、フラット系の強打するサーブを打つ場合、このグリップを使う方も多いです。

パドルを地面に置いた状態から、そのまま手を置いて持ち上げたグリップです。

図の3️⃣の面のやや左側にVの字が来るはずです。

ここまで極端に厚くなくても、先ほどのセミウエスタン寄りのウエスタンを使う方もいます。

ウエスタングリップ
特徴フォアのスピンがかけやすく最大出力が出せる
フォアボレー○ 軟式経験者は◎
バックボレー○ 軟式経験者は◎
フォア◎ 低いボールは✕
バック✕ 軟式経験者は○

前方で厚くボールをとらえることに最適です。

以前ご紹介した「スコーピオン」「トマホーク」など、特殊なショットの場合に役立ちます。

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またフォアバック同じ面でボレーすることに慣れている軟式テニス出身者には検討の余地があるグリップです。

前方、高い球が打ちやすい反面、体から遠い球、低い球は難しくなります。

逆に体に近い球、特にコンチネンタルグリップでは弱点の右肩、

チキンウィングの位置を防ぐのは非常に有効です。

バックの低い位置だけは、高い位置で打つ際と逆側の面で、拾い上げるように打つテクニックを駆使するプレーヤーもいます。

かなり面が閉じられるため、低い球をネットを越えて相手コートに収めるのは難しくなります。ディンクでは不向きと言えるでしょう。

フォアでフルスイングする場合、スピン量が上がり、最大出力を出しても相手コートに収めることができるでしょう。軟式出身者や硬式テニスでトップスピンが得意だった選手は、使えるかもしれません。

ただし、ピックルボールでは低いバウンドを打つことが圧倒的に多いです。低い球を持ち上げるのはミスショットにつながりやすくなります。スライスやフラットなどの汎用性も減少します。

サーブでも同様です。

バックもフォアと同じ面で打つことに慣れてる軟式経験者以外は不向きです。ほぼすべてのショットを両手で打つことになるでしょう。

メリット・デメリットをどう使うか

グリップの種類、その特徴はお分かりいただけたと思います。

さて本題は、それぞれのグリップが持つメリット・デメリットを理解した上で、このグリップを、いつ、どう、活用すればいいのかという点です。

すべてのショットで握り変えている時間はありません。

実のところ、プロはある一定の状況で、グリップチェンジをしています。

次回はその点を深堀りしたいと思います。



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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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