深いサーブを打つコツ②


深いサーブを打つコツ②
「深いサーブを打ちましょう」と言われてもバックアウトもできないので、簡単ではありません。

ではどうすればベースライン近くにうまくコントロールできるのか?
今回は初級から中級者に向けて、そのコツ5選をお届けします。
①SPIN=回転量で調整する
相手のコート深く収めるのに、効果的なのが、
回転をかけてコントロール精度を高めることです。
いわゆる「スピン」です。

パドルフェイスを少し閉じて普段よりやや上方向にボールを転がすように打ち出してみて下さい。
ボールのやや外側を削るように打つと回転がかかりやすいです。
バウンドした後、低めに長い距離が出ているようならトップスピンがかかっている証拠です。
スピンを意識せず打った時と、スピンをかけた時、どれぐらい距離の差が出るかを確認して下さい。
その距離分、強く打ち出せばキチンと狙った深さにコントロールできるようになるはずです。
テニス経験者の場合、テニスほどは距離は短くならない、と割り切って考えた方が力まずスムーズにスイングできるはずです。
パドルにガットがなく穴開きボールであるピックルボールは物理的に回転量がテニスの半分ほどしか出ないことは、以前も説明しました。

私はベースライン上を狙って打ち出し、
スピンをかけた分、ラインより、やや内側に落ちるようなイメージで狙っています。
もちろんスライス系のアンダースピン、スクリューボールサーブでも距離をうまくコントロールしやすい効果があります。

②HIGH=高さで調整する
非力な方の場合、距離を出そうと、力むのはミスの原因となります。
普段と同じ力加減で構わないので、打ち出す方向を、やや上向きに変えてみてください。
ネットの上のどこを通すかで、判断すると分かりやすいです。

ボーリングのターゲット「スパット」のように、手前に目標物を置くとコントロールが定まりやすくなります。
最初にお伝えしたスピンと組み合わせて理想の距離を割り出しましょう。
スピンをかけようとすると浅くなってしまうという方は、1度「アウトするかな?」と思うぐらい高く打ち出してみてください。本当にアウトになったら、徐々にネットの上を通過する高さを下げて行きましょう。
うまく収まる高さ、軌道の角度が必ず見つかるはずです。
時にはロブサーブを打つのも、相手にとってはイヤなものです。
③IMPACT=打点を調整する
あまり解説されることは多くないですが、自分の体の前後左右、どのぐらいの距離でボールのインパクトを迎えるかも、打ち出すボールの飛距離を決める大きな要素となります。
体の前後左右、毎回、決まった位置でインパクトできるように最適な位置を確認しましょう。
オープンスタンスで構える場合、クローズドスタンスで構える場合、打ちたい球種によって変わってきますが、
一般的に体の前側で打点を迎えれば迎えるほど距離が長くなる傾向があります。
私の場合、クローズドスタンスで打つ場合は、
踏み出した左足の10cmほど前で打つように決めています。

脇が開きすぎて、体から距離のある外側で打つ人、逆に体に近すぎる位置でうまくスイングできてない人をよく見かけますが、これもサーブが短くなりやすくなる要因になります。
勢いや、もっと飛距離を出したいという方は、サーブ打った後、後ろ足をベースライン内側に踏み出すまで、体全身を使って打ってみましょう。この際にも、打点がどこにするべきかを覚えましょう。
当然ながら「腰下で上方向に向かって打つ」というピックルボールのサーブルールも、くれぐれもお忘れなく(笑)。

④POWER=力加減は7割
実は一番大切なことは、フルパワーでサーブを打とうとしないことです。
一貫性を保つために、力加減は7割ほどに統一しましょう。
確実にスイートスポットに当たって「いい音」のするサーブを心がけましょう。

大事な場面でアドレナリンが出過ぎて、距離が長く出やすい。緊張する場面で、うまくスイングできず短くなりやすい。そんな自分しか分からない傾向を覚えておくことも大事です。
ポイントを決する大事な場面や、どうしても流れを変えたい場面で、8、9割のパワーでサーブを確実に入れれるようになれば、あなたも立派な上級者です。
常に8、9割のパワーサーブではあまり効力を発揮しません。
なにせ、サーブ機会は1回。
あえて軽く打っている、ここぞの場面で少し出力を上げよう、その心の余裕が大事です。
⑤SURPRISE=相手を驚かせる
ここまでいかに深くサーブを打つかを考えてきましたが、実は必ずしも深くサーブを打たなくても、相手に深いと感じさせることができます!
「えっ!」と思われる方も多いでしょう。
それが配球、球種、フォームなどで相手に考えさせることです。
コースやスピンで相手の予想を外す。
ワンテンポでいいのでリターンの構えを遅らせる。
相手を驚かせることは、そのまま相手のキッチンラインへの前進を遅らせることになります。

右サイド=ショートアングルをミックス
いくつか例を挙げてみましょう。
例えば、右サイド。
トップスピンで少し山なりの深いサーブを、相手バックに数回打っておいて、同じフォームでショートアングルに打つとどうなるでしょう。
おそらく相手の反応は遅れます。
次に同じフォームから山なりのサーブをバック側に打つとどうなるでしょう。
多少浅くても相手は思い切って前には踏み出せないはずです。
さらに逆をついて相手の体の正面やショートアングルに2本続けるなんてこともできます。

左サイド=2種のスクリューボールサーブ
また私がよく使う手に次のようなものもあります。
左サイド。
そこまでトップスピンサーブを続けておいて、露骨にスクリューボールサーブを打つ構えをします。ここでは多少リスクを犯して短く回転量の多い左サイドに逃げるスライスで、ショートアングルに打ちます。
そして数ポイント過ぎて、より大事なポイント。再びスクリューボールサーブを打つ構えを取ります。
相手は再びショートアングルと予測するでしょう。
ですが実際は、
ボックスの後ろのコーナーを狙って、伸びるようなスクリューボールサーブを打ちます。
サイドスピンはあまりかけずバウンド後のスピードが落ちないボールを意識します。
相手はコース、スピード、回転、3要素の予想を外し、まんまと差し込まれてくれます。
返球は浅く、キッチンラインに進めないこともよくあります。
こちらとしてはリスクを犯さず深いサーブを打ったことと同じ展開になります。
深いと思わせることも大事
どうだったでしょう?
深い一定の位置に、完璧に打てるまで、練習することはもちろん大事です。
ですが、それ以外の場所にもコントロールできるようになれば、そのリスクを犯す範囲を、かなり小さくできることが分かっていただけたのではないでしょうか。
相手に深いサーブと思わせるようなエサを撒くことも大事です。
ここまでの頭文字を取ると「SHIPS」。
大海原への航海を前に、
大船に乗った気でサーブを打って下さい。
ちなみに「SHIPS」とは英語のスラングで「推す」とか「応援する」の意味もあるそうです。
あなたのサーブの成功を、心から応援してます!











