スクリューボールサーブとは?

スクリューボールサーブとは?

今回から3回に分けて、変化系のサーブを深堀りします。
第1回は「スクリューボールサーブ」です。
以前、「9種類のサーブ」をご紹介した中で「スライスサーブ」としてお伝えしたこともありますが、本場アメリカでは「捻じる」を意味するスクリューから、こう呼ぶのが一般的なようです。確かに野球のスクリューボールと似たような軌道を描きますね。

右サイドに曲げる
テニスのような美しいスライスではなく、
サイドスピンを交えて、右サイドに大きく曲がるような軌道を描くのが特徴です。
落ちてからもさらに右側に相手から逃げるようにバウンドします。
日本の方には、テニスのトリックアンダーサーブや、ソフトテニスのカットサーブをイメージしてもらった方が分かりやすいかと思います。
右サイドから打つと、対角線のサービスボックスのセンターライン付近に落ち、フォアで回り込もうとしていたレシーバーは急きょバックに切り替えざるを得なくなるかもしれません。
左サイドから打つと、足元付近なら打点から遠ざかっていく軌道を描くボールを、難しいバックで処理する必要があります。手前のショートコーナーに落とされると、右側にフェンスが邪魔になるような位置で取らされることになります。

以下、2本のショート動画を見てもらえれば分かりやすいですね。
▶「Enhance Pickleball」YouTubeより
▶「The Kitchen Pickleball」YouTubeより
どうでしょう? 皆さんのイメージ通りのサーブだったでしょうか?
サーブ変化をつける意味
ピックルボールでは連続ポイントを続ければ、同じサーバーが何度もサーブを打ち続けることになります。
毎回同じフラット系のパワーサーブやトップスピンサーブの威力だけで勝負していると、相手に慣れられてしまいます。
そこで横サイドに揺さぶり、スピードにも変化が付けられる「スクリューボールサーブ」は非常に相手を惑わす有効な手段になります。
もちろん持ち球のタイプにもよりますが、オーソドックスなサーブ80~90%に対して10~20%ぐらい、この「スクリューボールサーブ」のような変化球系のサーブを交えるのが、理想と言えるのではないでしょうか。
体の前 右足より内側で打つ
わずかな回転だと、相手にとって打ちやすいサーブになってしまいます。なるべく横サイドに激しい回転をかけるのがポイントです。そのコツについて見ていきましょう。
コンチネンタルグリップ
まずグリップは、なるべく薄め。コンチネンタルグリップが推奨です。

ボールの下側にパドルを入れた方がネットを越えるように浮き上がっていくので、トスは通常より低くて構いません。
スイング軌道は右から左
次にスイング軌道ですが、右利きの場合、右肩より上、体の外側に置いたパドルを、体の内側に向けて素早くスイングします。アウトサイドイン、打ち出す方向に対して右から左に振り下ろす形です。
ボールに接触する際、ボールの外側から内側を深く削るように、パドル表面を当ててサイドスピンをかけます。
打点は横ではなく前
クローズドスタンスかオープンスタンスかにもよりますが、クローズドスタンスでも「トップスピンサーブ」の位置より間違いなく前方になります。体の横で捉えるというより、前足より前で捉えると言った方が正しい表現でしょうか。
セミオープンやオープンスタンスなら、かなり前方、右足の前というより左足に近い位置の方が回転はよくかかります。
ある程度、ボールの推進力は必要ですので、自分のフォームで打ちやすい打点を探してみてください。
狙い所は?
狙い所はたくさんあります。もちろん、相手のバックを狙っていきたいのですが、次の動画では、右サイドから打つ場合、距離の最も長い対角線を、もう1つの候補として挙げています。サイドラインから相手のフォア側にかけてを狙うということです。
▶「Enhance Pickleball」YouTubeより
フォアで打とうと思ってテイクバックしたらドンドン体に向かってボールが曲がってきて、詰まってパドルを振れない。そんな状況に陥りさせることができるかもしれません。
左から右に曲がっていくのでサイドアウトの危険が少ないというのも魅力です。
基本は右サイドのセンター、左サイドの相手バック側、ショートコーナーが狙い目です。
ですが、サービスボックスの真ん中付近に落としても、相手はどれほどのスピン量か予測して強打するのは、なかなか難しいものです。
サイドアウトしてしまうと勿体ないですから、最初は真ん中付近からスタート。試合中、感じがつかめてきたら、より厳しいコースを狙っていくのが良いと思います。
相手に悟られない工夫を
通常のオーソドックスなサーブをオープンスタンスで打っている場合はオープンで。クローズドスタンスで打っている場合は、クローズドスタンスで打てるようになる方が理想的です。
直前まで相手にどんな種類のサーブを打ってくるか予測できないようにする工夫が必要です。
できればグリップも明らかに変えるのではなく、テークバックにかけて自然と変えられれば、より相手を惑わす効果を狙えます。
立ち位置も大事です。右サイドからなら、なるべくセンターライン寄り。左サイドからなら、なるべくサイドライン寄りの方がカーブ曲がり幅の効果は強くなります。ですが、相手に悟られる要因になりますね。
仮に察知されても十分に効果的なら、立ち位置を変えて打つのもいいでしょう。相手のレベルが高く、偽装がないと簡単に返されてしまうなら立ち位置を変えないまま打つのも手でしょう。
モーションの前、コートにボールを付いていると見せかけて、スッとこのサーブを繰り出せるようになると、相手はより慌てて対応することになるでしょう。
軌道の高さも低い方が回転を読みづらく効果的です。
実は難しくない
私「ピックル坊や」は軟式テニスも硬式テニスも経験者ですので、このサーブをあまり難しいと思ったことはあまりありません。
ですが、周りであまり積極的に使おうとしている人を見かけないのは、ミスするリスクが高いと感じておられるからでしょうか。
確かにレベルが上がれば、難なく返されてしまいます。ですが、高いレベルだと、スピードボールやトップスピンサーブ一辺倒でも、通用しないのは同じです。
少しでも緩急や横の変化を付けていくのは、やはり大事ではないでしょうか。
トップスピンサーブで約65~70キロ。このスクリューボールサーブは55~60キロぐらいと、普通に打てば10キロほどの球速差が生まれるはずです。
最初は打てなくても一旦覚えてしまえば、再現性、一貫性は非常に高いサーブです。「必殺技」というより、ここぞで自信を持って使える「プチ必殺技」として、ぜひ習得して見てください。

