左サイドプレーヤーの役割

ダブルスの左サイドでフォアハンドを打つ左サイドプレーヤーの写真
picklebouya
左サイドプレーヤーの仕事を表すイメージ画像

ピックルボールにおけるダブルスでは、左サイドプレーヤーはしばしば「試合の主導権を存在」と表現されます。

以前、右サイドプレーヤーの役割やマインドセットについて解説した際、「バレーボールのセッターのような役割」と例えました。左サイドプレーヤーはいわば「バスケットボールのポイントガードような役割」です。

より多くの判断力と攻撃オプションが求められます。

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今回はこれらを、プロの視点を交えながら、より細かく掘り下げていきます。

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①フォアで作る攻撃パターン

両利きのトッププロ、ジャック・マンロー(Jack Munro)選手は、次の動画の中で左サイドプレーヤーに必要なスキルを、非常に具体的に解説しています。

まずは当然のポイントとして強調されているのは、センター側にフォアハンドがある利点を最大限に活かすことです。

  • コートを広くカバーして、センターラインを超えてフォアで打つ
  • フォアディンクのインサイドアウト(逆クロス)、インサイドイン(クロス)の打ち分け
  • フォアのスピードアップでも同様のコースの打ち分け

マンロー選手は、左サイドプレーヤーについて次のように何度も強調しています。

「試合のテンポとペースをコントロールし、自分とパートナーのためにチャンスを生み出す責任がある」

単に「フォアが強い」「フォアで決められる」だけでは不十分です。

相手に読まれない配球でラリーを設計し、

無駄にラリーを長引かせず、最短距離で狙い通りの展開に持ち込めるか。

ここが左サイドプレーヤーの真価を問われる役割となります。

②バックで作る攻撃パターンも重要に

フォアだけでなく、もう1段階レベルが上がれば、

バックでも攻撃的なショットの選択肢があるかどうか、が大事になります。

マンロー選手は、片手バックハンドのスライスによるクロスディンクで「100回以上のディンクが続けられなくてはいけない」と前提条件を述べた後、次の3つを必須ショットとして挙げます。

まず必要なのが

両手バックハンドでトップスピンがかかったクロスディンク。

片手バックが主流だったベン・ジョンソン、JW・ジョンソンといったトップ選手たちが、両手バックを取り入れていることからも、その重要性が分かります。

現代ピックルボールでは「スライスだけでディンクを続けているだけでは勝ち切れない」というメッセージでもあります。

次に求められるのが、

同じフォームからスピードアップ。

特に必須となるのがバックハンドのダウン・ザ・ライン。

  • 最もスペースが狭く
  • ネットが高く
  • ミスが多くなる

非常に難易度の高いショットですが、持ち上げるように回転をかけて、確実に相手コートに収める技術が必要です。

狙えるべきコースは以下の3方向。

  • ダウンザライン
  • 正面プレーヤーのボディー
  • 斜めに立つ左サイドプレーヤーの左肩付近

マンロー選手はこのショットを

「時間をかけて学び、磨いていく最も重要なショット」と位置づけています。

バックハンドフリックも不可欠です。

低めのボールでも空中から攻撃できるオプションがないと、リセットが増え、ディフェンスを多く強いられる展開になります。

左サイドプレーヤーは「仕掛けるべき選手」

攻撃の選択肢は1つでも多くないといけません。

③カウンターショットの最終関門

マンロー選手が最後に挙げるのが、

カウンターショットの精度と判断力です。

ここで右サイドプレーヤーと比較してみましょう。

右サイドでは、自分の体の右側までをバックで打てれば十分です。サイドライン際のフォアしか打てないボールは、ほぼアウトになります。

一方、左サイドは違います。

フォア側に来たボールをバックで処理するのではなく

体を開き、肘を畳んでフォアでカウンターする方が、はるかに攻撃的です。

最高の左サイドプレーヤーに必要なのは、

  • 安定した1つ以上のリセットショット
  • 多種多様な攻撃的ショット

つまり――
ほとんどすべてのショットが打てること(笑)

それが左サイドというポジションです。

プロが語る理想の左プレーヤー像

次の「Jilly B Pickleball」の動画では、プロ視点の左サイドプレーヤー像が語られています。1時間以上の内容ですが、特に印象的だった点を2つ紹介します。

女子トッププロ、ジル・ブレイバーマン選手はこう語ります。

「ディンクが長引けば長引くほど落ち着き、最後は決め切れると信じているプレーヤー」

ここで注意したいのは、「アグレッシブ=何でも攻撃する」ではないという点です。

シニアプロのスコット・クランドール選手も、

「すべてをアグレッシブに打つ人もいるが、それはプロではない」

と指摘しています。

まずはバックのクロスディンクをミスなく安定させる→ 次にロールディンク

この段階的なプロセスを忘れてはいけません。

クランドール選手はクリニックでロールディンクばかり練習してミスを繰り返している様子を見て、次のように指導したそうです。

「少なくとも最初の数球はキチンと狙ったところに着地させてほしい。キッチンラインの30センチ内側に入ってリズムができてきたら、ロールディンクを練習してほしい、と」

アグレッシブディンクとは「すべてを攻撃的に打つと決めている人」ではなく、「攻撃的に打つことができるボールを正しく選び、正確に強く打つことができる人」かどうかを問われているのです。

動画の終盤、「試合中に左サイドプレーヤーを入れ替えることはあるか?」という問いに対し、クランドール選手はこう答えます。

「目標は勝つこと。すべてのプレーの主導権を握ることではない」

相手のタイプによって、どちらが左に立つのが最適かは変わります。

攻撃を抑え込める堅実なディンカーを左に置くことで、相手のミスを引き出せるケースも多々あります。

例えば、相手の左サイドのプレーヤーが超攻撃的だったとしましょう。こちらが少し堅実なディンクも得意とするプレーヤーと、攻撃的なディンクしか得意でないプレーヤーの、どちらを左に配置するか迷っているとします。

この場合、前者を左サイドにして、相手の攻撃を不可能にするショートディンクを打つだけで相手がミスしてくれるパターンになるかもしれません。

また攻撃的な選手を右に配置したことで、何でもかんでも強打してくるプレーヤーの正面でうまくカウンターを決められるかもしれません。

配置を変えるという選択肢を持っておくこと自体が、戦術の幅を広げてくれるのです。

進化するプロ そしてアマチュアの指針

プロの世界では、左と右の役割はますます流動的になっています。

例えば、左サイドのプレーヤーがリターンで強烈なドライブを打った時、右サイドプレーヤーがバックハンドで積極的にダイビングするようなポーチを仕掛けたりします。

また右サイド側のダウンザラインに甘い球が来た時も、ただクロスコートにロールするだけでなく、スピードアップ、ロブ、相手の予測を外すボールで攻撃していきます。

左サイドだけでなく、右サイドでも多くの得点パターンを生み出すように変化していっているのです。

ただし、私たちアマチュアレベルは、まずは伝統的な役割、技術を身につけること。

それから段階を踏んで攻撃の幅を少しずつ広げていく。

それこそが最も確実な上達ルートではないでしょうか。

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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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