左利き対策を考える

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ピックルボール界のレジェンドプレーヤー、ベン・ジョンズ選手は「近い将来、ダブルスのベストペアはすべて右利きと左利きのコンビになる」と、語ったことがあるそうです。

それほど左右それぞれの利き手を持つペアは有利ということです。

その理由をなるべく具体的に考えていこうと思います。

あなたが右利き同士のペアなら、それを理解することが、左利きプレーヤーがいるペアと対峙した時の対応策につながります。

左右ペアの視点、右利き同士ペアの視点、各項目で交互に見てきます。

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左右ペアが有利な理由7選

相手に向かって、左利きが右サイド、右利きが左サイドに立てば、両方のフォアがセンター側に来ます。

左右ペアの場合は、意図的に、このようにポジショニングをすることが多いです。

ゲームの最初は必ずこの位置からスタートするでしょうし、スタッキングという戦術を使えば、常にこの状況を作り出すことが可能になります(以下参照)。

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スタッキングって?
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一般的に、最もリスクが少なく決まりやすいとされるのが、センター(ミドル)攻撃です。統計的にも、ここが最も多くボールが配球されるコースとなります。

これに対して、

攻撃力があり出力も出やすいフォアを2つ中央側に置くことができるというのが、左右ペア最大のメリットです。

甘くなれば、すぐアグレッシブなアタックができますし、相手からのスピードアップ、カウンターをセンターでブロックすることも、力が入りづらいバックに比べれば断然に楽です。

自分がカウンターを打った後、すぐボールが返ってくるという、反応時間が少ない場面を想像してみてください。相手ボールに無理して反応せずとも、安心して、やや後方のフォアで待つパートナーに任せることができます。

2人のフォアで構えた場合、そのリーチも、片側がバックハンドになる右利き同士のペアに比べて、断然広くなります。

またディンク合戦では右利き同士のペアの場合、バックで打つプレーヤーをカバーするため、フォア側のプレーヤーがコートの6~7割をカバーするポジショニングをします。

ですが、左と右ペアの場合は、完全に50:50でカバーすれば良いので、動きに無駄がありません。

センターを防ぐ相手の2つのフォア、広いリーチが目の前に、立ちはだかっています。

狙い所が普段より少なく、コートが狭いと感じるでしょう。

ストレート方向を狙えば、ともにバックハンドになります。しかしながら、左利き&右利きプレーヤーの両サイドの狭いコースを狙おうとすると、どうしてもサイドアウトの危険性が付きまといます。距離もセンター、クロス方向に比べれば長くなるので、バックアウトのリスクもあります。

ただし、配球を中央に寄せ過ぎるのは、相手の攻撃を加速させるだけです。ここぞの場面では、キッチリとコントロールされたダウンザラインを決めきり

「サイドも攻撃できるぞ」と、左右ペアに意識付けさせることが大事です。

定石通り、センターをアタックした場合も、相手はフォアで反応し、ボールが返ってくることが多くなります。キッチリと次のショットに備える準備が必要です。

先ほどと同じような視点になりますが、

フォアが2つあることで「シェイク&ベイク」戦略が取りやすくなります。

こちらも以前ご紹介しました、サーブ時のアグレッシブな作戦の1つです。パートナーに、いいサードショットを打ってもらい、ボールを持たないプレーヤーが、相手からのボレーをインターセプトしてポーチで決めてしまうという攻撃戦術です(下記参照)。

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以下の動画も参考にさせていただいています。

▶「ThatPickleballGuy」動画より

この戦略を何度か成功されると、かなりダメージを受け、一方的に攻められていると感じるでしょう。

この攻撃に限らずとも、センター付近からの強打でアッサリとウィナーを奪われるケースは、右利き同士のペアの時より、多いかもしれません。

ただでさえ相手コートが狭いと感じているのに、ますます消極的になってしまう可能性があります。

守り一辺倒ではなくメリハリの効いた普段通りの攻めを心掛けましょう。

派手に決められても同じ1ポイントです。

相手も勝負どころではミスをするかもしれません。

「シェイク&ベイク」を敢行していると、実際のポイントを得る以外に、次のようなプラス効果も見込めます。

相手がリターン側、あなたがサーバー側です。

リターンを打った相手は、通常キッチンラインに向かって前進してきます。自分たちのサードショットに対する、相手の4球目のボレーの多くは、サードショットを打った側の足元に配球してくるでしょう。キッチンに出て来るのを阻止するのがセオリーだからです。

ですが、あなたがサードショットを打った場合、先にキッチンラインに到達した「ベイカー」と呼ばれる味方パートナーが大きく両手を広げ、フォアが目の前にあることを見せつけてくれます。相手の4球目ショットが、あなた側に来ないよう、そのコースを塞いで、あなたの前進を助けてくれます。

以前「ダブルスのポジション戦略③」でお伝えした(下記参照)ボールを持たないプレーヤーの動きで、相手を威圧、牽制する方法ですね。

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通常右利き同士では右サイドはバックでインターセプトすることになりますが、左利きプレーヤーは、フォアになるため、より大きなプレシャーを相手に感じさせることができます。

左サイドからは右利きのフォアがセンターになりますから、ここでも「2つのフォア」が活きてきます。

前にいるプレーヤーが気になってしょうがないでしょう。ですが、動きに惑わされてボールから目線を切ったり、早く打とうと焦っては逆効果です。

相手の動きを視界に入れつつ、普段以上にキッチリとボールを見てコースを突いていきましょう。

序盤セオリー通りの返球を続けておいて、大事な終盤にはその逆を行く、といったような、相手の裏をかく配球も、効果を発揮するかもしれません。

センターラインを越えてフォアで飛びつこうとしてくる相手の背中側や体の正面側に配球するのも手です。

右利きでは打てないショット、相手が見慣れていないコースで攻撃をすることができます。

リターンの際、右サイドに左利きプレーヤーがいると、センター寄りのサーブがフォアで打てます。セオリーから言えば逆クロスへ返球ですが、フォアのドライブでストレートに強打するのも効果的です。右利きではバックのストレートになる位置なので、相手前衛は、あまり受けたことのない攻撃のはずです。

同じく左利きが、右サイドにいる際のクロスディンクを想定してください。ポップアップしてきたボールは、回り込んでギリギリまで相手にコースを隠して、ストレートにも、ミドルセンターにも、逆クロスに角度を付けて打つことも、可能です。

逆に左利きが左サイドにいる時は距離の長いフォアのクロスで、相手のバックに強いボールを突き刺すことができます。

左利きが左サイドにいる際は、相手のフォア対自分のバックになり、よほどバックに自信がない限り、不利なのは明らかです。

なるべくなら、この形を避ける配球を心掛けましょう。

右利き対右利きのフォア対フォア、バック対バックの通常のディンクから好機を生み出しましょう。

ただ、左利きが右サイドにいる際、左のフォアを嫌がって、あなたがバック側に角度を付け過ぎると、バックでATPを狙われやすくなります。そのバランスを考えてボールを散らすことも大事になります。

通常スピードアップで一番狙われるのは、バックの高い所(チキンウイングになる位置)か、フォアで打つかバックで打つか迷う中間の所です。相手が右利きプレーヤーの場合、右肩、右腰がターゲットとよく言われます。反応時間が短くなると、本能的にそこに打つように、相手ペアはトレーニングされています。

ですが、左利きのプレーヤーのあなたにとっての右肩は、ただのバックのチャンスボールですね。右腰の場合は、普通のバックです。ただ黙って決めるだけですね。

相手が首を傾げ、本来なら狙うべき、左肩、左腰を狙ってこなければ、しばらくは、上手く反応できたというような顔で過ごせばいいでしょう。

勘違いしてはいけません。

左利きプレーヤーの場合、狙うのは左肩か左腰です。

また右サイドに立つことが多い左利きプレーヤーのバックは、常にダウン・ザ・ライン側になります。すなわち、左利きにとってバックは一般的にサイドライン側を防ぐショットの意味合いが強く、ディフェンスのショットと認識されていることが多いです。

相手のレベルによって変わってきますが、ストレートにスピードアップされた時にしか、ほぼ打つ機会がないミドルバックボレーはブロック。ハイボールでチキンウイングの位置を狙われた時は、ロールやフリックでセンター攻撃の練習を積んでいる可能性が高いです。

普段はあまり練習していないであろう、遅いテンポでバックのローボレーを打たせたり、体から遠いバックハイに打たせるロブが意外に効くかもしれません。

ディンク合戦の際、「アーニー」(Ernie)と呼ばれる奇襲攻撃があります。相手にストレート方向のディンクを強いて、キッチンラインをまたいで、ダイレクトボレーするテクニックです(下記参照)。

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右利き同士の場合、デュースサイドで、アーニーを繰り出すのは、ショットがバックになるため、難しいとされています。ですが、左利きプレーヤーを右側に配置しておけば、

左右のどちらのサイドからもフォアボレーでのアーニーが狙えます。

アーニーを避けるため、ストレート方向ではなく、センターにボールを寄せたくなります。しかし、怖がりすぎて、ボールをミドル方向に集め過ぎると、コートがドンドン中央寄りに狭くなっていきます。

左右ペアにとっては、アーニーを狙う以上に、おいしいと感じているのが、実は、この状況なのです。そもそもフォアが2つあるセンターに、圧倒的に意識を置くことができ、ますますバックを打つことを心配をせずに、攻めていけます。

時にキッチンのコーナーを狙う低い弾道の深めのクロスを、しっかり入れていくことが大事です。

ATP(Around The Post)と呼ばれる、ポールの外側からボールを押し込むショットを打った際のことを考えてください。

右利きプレーヤーが左サイドから、ネットより低いところを通します。このボールに対して、相手の右側プレーヤーは必死に返球しようとしています。

あなたが1発で決めきらなかった場合、かなりのオープンスペースができています。

しかし、左利きプレーヤーが右サイドにいれば場合は安心です。

キッチリとリーチの広いフォアで待ち構えて、次のショットでウィナーを奪ってくれるでしょう。

そもそもセオリー通り、左利きプレーヤーが右サイド。右利きプレーヤーが左サイドにいた場合、ともにストレート方向は相手のバックになります。ATPを繰り出すプレーヤーは、両サイドとも、フォアより威力が弱いとされる、バックで打ってきます。

フォアよりも難しくなりますし、必要以上に怖がる必要はありません。

打たれても返球するチャンスはあります。次のボールを、なんとかクロス方向に運ぶ意識を持ちましょう。センターに待ち構える左利きプレーヤーのバックや、一番距離のあるバックハイに打たせるショットを打てれば、次のチャンスにつなげられます。

コンビネーションで負けない

左と右ペアが、とても有利なことがお分かりいただけたでしょう。ですが、左と右ペアの特色、何を考えているかをキチンと理解しておけば、

右と右のコンビでも、対抗できることが、たくさんあります。

その最も顕著な例がコンビネーションでしょう。

相手以上に息の合ったプレーで、狭く感じるコートを、少しでも広げていきましょう。

そして相手の2つのフォアのど真ん中、パドルをぶつけさせたり、お見合いさせるようなショットも狙っていきましょう。

プラス、左と右とペアの唯一の弱点、バックになるダウン・ザ・ラインの狭い「道」を、しっかり通す練習も、しておきたいところです。

この3つの「道」をこじ開けることこそが、打倒左右ペアの「勝利の近道」です。

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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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