ディンク戦略を考える①

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アメリカの18歳絶対女王、アンナ・リー・ウォーターズがテニス出身者がディンクのことを考え始めた途端、アグレッシブさを失い下手になるということを指摘している金言をご紹介したばかりです。

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とはいえ、ディンクは他のラケットスポーツにはない、ピックルボールの大きな醍醐味です。

ディンクに強くなりたいのは、プレーヤー誰しもが持つ願望ですよね。

ですが、ディング合戦になった途端、考えることが多すぎて、どこに打ったらいいか考え込んでしまいますよね。

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ショートディンク一辺倒は難しいだけ

その悩みを解消する、ヒントになりそうな動画を見つけたので、参考にさせてもらおうと思います。

▶「PrimeTime Pickleball」動画より

この動画ではノンボレーゾーン(以下、通称キッチン)の前側、3分の1に着地するショットを「ショートディンク」と呼んでいます。

「ショートディンク」を打つことに、こだわり、そこに偏りすぎることは、かえってマイナスの方が大きい、と警鐘を鳴らす内容となっています。

「ショートディンク」のメリット

まずはメリットを見ておきましょう。

相手に走り込んでボールを打たすことができる。

ベースライン後方にいる相手に対して、短いボールを送れば、相手の打点は低くなり、走り込みながらの難しい体勢のショットとなるので攻撃されにくいということですね。

テニスのドロップショットと同じ理屈です。

ネットに非常に近い位置で相手に取らせることができる。

ネットに引っかからないよう持ち上げる形になるため、強いショットが打てず攻撃できないということですね。

ネットが高くなるポジションから無理やり強く打とうとすると、アウトする可能性が高くなります。

これが、通常ディンク勝負で、なぜ、できるだけ短く打とうとするか、の第1の理由だと思います。

「ショートディンク」のデメリット

次は逆にデメリットを考えます。

動画では通常スピン量が少なくなり、スピードも落ちやすいとしています。

上に大きく持ち上げる弧を描かないとネットする確率が上がるため、確かにそうなりやすいですね。

自分がネットする可能性も高くなります。

確かに相手にネットミスをしてもらおうと、短く打とうとしますが、結果、自分がミスして終わるということも往々にしてあります。相手にとって難しくさせようとすることは、同時に自分のショットも難しくしているということにもなるという訳です。

相手に「ショートディンク」しか来ないと想定されてしまうと、

相手に常に体の前でボールにコンタクトされやすくなります。

プレッシャーを全く与えられていない状況では、連続して返され、自分が先に浮かしたチャンスボールを与えてしまい、攻撃される可能性も出てきます。

コンビネーションあってこそ

初心者は、習い始め当初、無条件でディンクは「できるだけ浅いところを狙って打ちましょう」と教わると思います。

それはそれで正しいのでしょうが、短いということは非常に難しいショットで、選択を間違えれば、メリットより、デメリットの方が上回ってしまうということを知らなければなりません。

「ショートディンク」一辺倒ではなく、深いボールを混ぜて、相手にプレッシャーをかけるというバリエーションやコンビネーションが不可欠ということです。

ディンクとは、ただ「相手に攻撃させなかったから」「5回短いボールが行ったから」成功という競技ではなく、次の攻撃に移るための「セットショット」であることを忘れてはいけません。

動画では

キッチンラインや、時にはそれより深い位置にボールを送ることも必要だとハッキリ伝えています。

深めのディンクでは、先ほどの「ショートディンク」のメリット①②は薄まりますが、逆にデメリット①②③を減らすことができます。

少し距離が出てもいいのなら、スピードを上げたり、スピン量を増やしたりもできます。

ネットミスを減らすこともできます。

自分の体勢が悪い状況で、短く打とうとしすぎて、ポップアップしてしまうよりは、全然マシな結果になることも多々あるでしょう。

クロスコート一辺倒でも

次の動画では、先の「ショートディンク」に偏り過ぎることへの警鐘と同様に、クロスコートに配球し続けることのメリット、デメリットを解説しています。

▶「John Cincola Pickleball」動画より

メリットは距離が長くなる分、またネットの低い位置を通す分、攻撃的なディンクが打てること。

デメリットとしては、ボールが相手の体の正面を通ってからキッチンに落ちるため、腕を伸ばしてダイレクトでボレーを拾われやすくなること。

それを嫌がって角度のある浅いところを狙うと、ATP(エーティーピー=Around The Postの頭文字から)と呼ばれる、ポールの外から回り込むショットを打たれやすくなる、としています。

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あらかじめ自分のルールを決める

動画では、キッチンラインに対して水平に立った右足先からネットに向けて仮想のラインを引きます。

その外側に相手ボールが落ちれば、ストレート方向にリセット。

内側に相手ボールが落ちればクロス方向に攻撃的なディンクを打つのが「黄金律」として紹介しています。

▶「John Cincola Pickleball」動画より 仮想ラインの設定

確かに左後方に動かされた難しい体勢から

角度のないクロスに打つには、かなりのリスクが伴います。

また打てるコースは狭まっているため、センター寄りに構える右側の相手にダイレクトでカウンターボレーを打たれやすくなります。

さらに大きく広がると、自分サイドのセンターを開けてしまうため、次のショットに対処するための戻る時間が減ります。

右足より外側のラインに相手ボールが落ちたときは、

ストレート側を3分の1に割った、その真中(図の1/3ミドル部分)に返すことを、自分のあらかじめ決めた基本ルールとしているそうです。

複雑な分もシンプルに

相手に読まれないようにするため、ときには、この自分で決めた「法則」を破ることも必要かもしれませんが、余計なことを考える時間があるディンクでは、時にパニックになりがちです。

そうならないためにも、

なるべく考えをシンプルにする、あらかじめ自分なりのパターンを決めておくというのは、参考になりますね。

次回は、よりシンプルに考えるためにも、どのようなディンク戦術があるのかを、洗い出したいと思います

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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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