低いバックボレーの打ち分け

低いバックボレーの打ち分け

難しいバックボレーの攻略編。今回はキッチン前で相手からのボールが低くコントロールされていた場合の処理の仕方を考えましょう。

ロール、フリック、それとも小さく突くようにして打つポークか。
あるいはリセットを狙ってブロックボレーをするか。
場合によってはハーフボレーやバウンドさせることもできます。
選択肢が多く非常に悩むところですよね。
選択の決断を迷わずする方法と同時に、どのように打てばミスが減るのかも考えましょう。



できるだけ前で打つ
まず大切なことは、少しでも前で、少しでも高い位置で、ボールを捉えることです。
相手の時間を少しでも多く奪えることもできれば、少しでもネットの高さに近い位置で取ることでネットミスする可能性が減り、成功率が上がるからです。
その前提で自分のギリギリ打てる限界点を知ることから始めましょう。
①キッチンラインから腕を伸ばしてみる
キッチンラインのギリギリに立ってシミュレーションしてみましょう。
腰を曲げるのではなくキチンと膝を曲げて腰を落とし、肩を突き出すように腕を前に伸ばしてみて下さい。
自分の体のバランスを崩すことなく、ある程度力強いボールが打てる場所はどこになりますか?
私の場合は、キッチンラインより自分のシューズ1足分ほど前。30センチ以内の地点を目安としています。

②その位置から高さ別に打つ
次に高さ考えましょう。
足元を基準にするのではなく、腕の伸ばした状態の距離に、ボールを固定できるティーを設置したと考えて下さい。
実際にティーがあれば設置してもらって打ちましょう。
そうでなければ、自分でその高さにボールを手出しして打ってみましょう。
フリック、ロールで打ってキチンとネットを越えて相手コート内に収まるか確認して見てください。

ある程度自信を持って打てる高さがあなたのフリック、ロールの打てる限界点になります。
一般的には膝より上はフリック、膝より下はロールと言われていますが、上級者の場合は膝よりやや下でもフリックで打てるプレーヤーもいます。
3分割で基準を作ろう
さらに膝下になってくると、いかに普段この位置でミスしているかがよく分かるのではないでしょうか。
ネットの白帯に当たるなどしてなかなかうまく相手コートに入りません。返ったとしても相手に高い位置で取られてしまうポップアップになりやすいのではないでしょうか。
フェイスをオープン気味にして、
うまくネットを越える理想の軌道となる打ち方を探って見てください。
ここまでならフリック、ここまでならロール、それより低くなってきたら、スネあたりならポーク、さらに下ならリセットかハーフボレーと、さらに細かな分類ができてくるはずです。
まずは3分割した自分なりの基準を作るだけで、
ショット選択のミスをかなり減らせるようになります。
ボールを持ち上げる
限界地点を知ったら、次にやるべきことは、下から上へ打ち上げることです。
パドルフェイスをオープンにして軌道の下にパドルを置いて当てれば、ボールは上方に飛びます。
さらにパドルヘッドを下げて、トップスピンをかけるのがフリック、体で持ち上げるようにして打つのがロールというわけです。
次の動画ではリストを緩めてヘッドを下げるコツを教えてくれています。
肘やリストよりも、はるかに肩を使って持ち上げているとも語っています。
▶「Universal Rackets」YouTubeより
大事な体のバランス
もう1つ見落としがちで大事な点は、いかに体のバランスをうまくキープするかです。
最初の自分1人によるボール出しに戻りましょう。
1度、左足に9割ほど体重を乗せて打ってみてください。
自然と右足が後方に伸び上がり、体が前に傾くはずです。
こうすると最初の目安とした1足分、30センチより、かなり前で
ボールを打てることに気付くのではないでしょか。
自分の想像よりボールが手前だった場合は、この左足1本、片足体重の打ち方でかなりカバーできるはずです。
腰を曲げて上半身で打とうとするのではなく、体幹をうまく使って下半身を中心とした体重移動を行って下さい。
バランス力を広くキープできれば、さらにカバー範囲は増え、ミスは減ります。
反応時間によっても選択変化
相手はあなたの膝下より下を狙ってボールを配球していきます。
そこをどう処理するか。
片足体重でバランスを保ちポークで攻撃するか、あるいはリセットするか。
この攻防こそがピックルボールの面白さです。
わずかでも上のラインに来れば、ロールやフリックで攻撃可能にもなります。
一方で膝より上でボールを捉えたとしても、反応時間が足りず押し込まれ、フリックやロールを打てずブロックボレーでリセットすることもあります。
高さ、ネットまでの距離、そして反応時間や自分の次のショットへの備え。
実際には、さらに様々な状況判断が必要になってきます。
実に奥深いですが、少しでも適切なショットが打てるように練習していきましょう。











