バックカウンターを極めよう②

バックカウンターを極めよう②

バックのカウンターの苦手意識克服を目指す第2回です。第1回をお読みではない方は、ぜひ下記もお読みください。

今回はテニスから転向組の私「ピックル坊や」が、ピックルボールを学ぶまで知らなかった、残り2つのことをお伝えします。
タルディオからの教え
19歳の若き天才、ゲイブ・タルディオ選手をご存知でしょうか。
ボリビア出身でまだピックルボール歴5年。現在は、あのレジェンド、ベン・ジョンズ選手ともダブルスを組んでいます。最新のPPA男子ダブルスランク5位の今後トップを狙えるプレーヤーです。
下の動画、コート手前右側がタルディオ選手。ベンと組む試合のマッチポイントのバックボレーの反応、本当にエグくないですか?
▶「ppatour」公式インスタグラムより
肩を前に出す
その天才が得意とするバックのカウンターのコツを明かしてくれている動画です。
コンチネンタルグリップで握り、腕が高くなるに従ってキッチリとパドル面が下を向くようにしていること。
両足を肩幅より広く取り、腰を落としていること。最後に
最も大切なこととして
レディーポジションで「肩を前に傾けること」と語っています。
「こうすると、バックとフォアの切り替えが早くなり、チキンウイングの形にならない。腕を体に近づけすぎないように。右肩付近を狙われると行き詰まってしまうよ」と続けます。
▶「Pickleball Playbook」動画より
2分30秒あたりだけでもぜひ見てください。
▶「Pickleball Playbook」動画のスクリーンショットより

両手の親指を内側に絞り込み、肩の可動域を大きく使うような仕草も見せます。胴体より肩は完全に前にあります。胸骨を内側に絞り込んでいるような状態とでも言えばよいのでしょうか。
テニスではボール1つを挟むような脇の締め方を教わったと記憶しています。肘はおへそからボール2~3個分前の位置、脇はボール1個ぐらい開けて構えている私とは、まるっきり違うことだけは確かです。
このポジション、感覚が、極限の少ない反応時間でも対応できる秘密のようです。
「まっすぐ立たない」とも語っており、「肩を前に傾ける」という表現が最も正確なのかもしれませんね。
脇が開くことなど全くお構いなしに、大きく肩を前に出す。
これがテニスの「常識」にとらわれていた私の知らなかったこと2つ目でした。
ポークという手があったのか
3つ目の知らなかったことも、テニスの教科書にはないものでした。
テニスとは違う、バックハンドのロール、フリックは以前もご紹介しましたが、

もう1つ「ポーク」(Poke)というものがあるというのを、みなさんはご存知でしたか?
ポークとは、拳で突くとか、突っつくの意味になります。
こちらも一流プロの、ゼイン・ナブラティル選手が丁寧に教えてくれています。
▶「Zane Navratil Pickleball」動画より
私の一番の課題は、どうしてもロールとフリックで対応できない、バックの低い前側のボールでした。
スライス面で無理やり回転を上げて持ち上げて、相手に上から叩きつけられるパターンばかりでした。
そんな時は「ポーク」を使えば良いと知りました。
パドルの先は地面を向いています。テニスではラケットヘッドは下げてはいけないと教わります。おそらく相手のボールに負けないようにするためでしょうが、穴開きボールのピックルボールでは問題ありません。
パドルを下向きにして、リストワークはわずかとはいえ、掌屈から背屈気味に打つというのは衝撃的でした。
テニスでは手首を痛めると絶対に注意される打ち方ですよね。
ですが、うまくいくいかないは抜きにして、これならスライス回転にならなくても打てます。
最後に改めてになりますが、ポーク、ロール、フリックの使い分けなど、要点をまとめておきます。
バックハンドボレーの3種類 | ||
ポーク | ||
使い所 | 低い位置、腕を伸ばした状態でインパクトする場合 | |
注意点 | リストはあまり使わず、ボールをうまく配球することが必要 | |
ロール | ||
使い所 | 相手が後ろにいたり、ストレート狙いの場合。体を使うのである程度の時間的余裕が必要 | |
注意点 | 体全体、特に上半身を使ってパドルを下から上へ、ボールを転がすように擦り上げてスピンをかける。パワーと精度は◎ | |
フリック | ||
使い所 | あまり実行時間はないが、近距離でのスピードアップを狙う場合 | |
注意点 | パワーとスピンの大部分はリストのスナップによって生まれる。ロールよりリーチは長くなるので相手の反応時間を奪える |
反応時間がない体の正面のボール、低めのボールをスライスでなく打つ方法。いずれもテニスではあまり習うことのなかったフットワーク、レディーポジション、ショットテクニックが3つも発見できました。
また練習することが増えましたが、どうしていいか分からないより、気持ち的には全然楽になりました。さあ今日も「ピックルンルン」楽しんで練習してきます!