テニスとピックルボール 楽しみ方の違い

テニスとピックルボール 楽しみ方の違い

大阪から情報発信中の私「ピックル坊や」はテニス歴30年。ピックルボール歴も1年を超えました。
今回はテニスとのテクニックの違いというより、楽しみ方の違いを、ランキング形式でピックアップしたいと思います。
独断と偏見になりますが、少しでも共感していただけたら幸いです。
第10位:4人の距離感
テニスコートの約3分の1の大きさのピックルボールコート。相手ペアが「うわっ上手っ!」「うそっ!そっち?」と驚いたり、苦しそうに「ゼーゼー」と息を吐く声が、間近に感じます。
テニスは「ボールを使った格闘技」とも言われますが、実際には対峙する選手と目が合うことはあまりないですよね。
ピックルボールでは4人の動き、考えていること、表情をつぶさに観察できて非常に面白いです。
真剣な表情でプレーしていた4人が、最後に「やられましたぁ~」「いやぁ、素晴らしいプレーでした」とパドルタップ(パドルタッチ)で称え合うと、なぜだか、すごく気分が良いです。
第9位:ネットイン
テニスで自分に不利な形でネットインすると大抵の場合「なんてこったぁ」と残念な気持ちになるのですが、ピックルボールでは不思議と逆の感覚になります。
「ピックルボールの神様よ、そう来たか」と、自然と笑みを浮かべてボールを追いかけてしまいます。
ネット前のディンク合戦で相手がネットインして浅いボールを入れてくると、「ネットしてくれ」と思うよりも「ヨシ、ネット越えていいよ」と思ってしまいますよね。
反応さえできれば、ボールに触れることが多いからでしょうか。ネットインを処理した自分に満足することも、しばしばです。

第8位:サーブの駆け引き
テニスで若者と対戦したら、「ドカン!」とフラットサーブを入れられて終わりなんてことも多いですが、ピックルボールの場合はそうなりません。
スクリューボールサーブでサイドスピンをかけたスローな球を打つと見せかけて、トップスピンで相手のバックをついたり、力強いトップスピンサーブを見せかけてショートコーナーにバナナサーブを入れたり。
相手から「やられた」「しまった」との声が聞こえると、自然とほくそ笑んでしまいます。
そこには年齢、男女の大きな差はありません。だからこそ、サーブ&レシーブの時、お互い超真剣モードで向かい合える、という面が確かにあると感じます。

第7位:コンビネーション
即席でペアを組むことも多いピックルボールですが、パートナーがいいサードショットを打った後に、そのままダイレクトポーチに出る「シェイク&ベイク」など、素晴らしいコンビネーションが決まることが、結構な頻度であります。
パートナーが頑張って頑張って、長いディンク合戦を行い、最後、浮いたボールをボレーで決めて「ありがとう!」と言われると、集中して良かった、と思えますよね。
テニスのように、サーブやリターン1本で決まることはあまりありません。また経験が浅いプレーヤーを狙い打ちすることも比較的たやすいピックルボールです。
まさに共同作業、パートナーに任せておけばいいや、なんて思いは、ほぼありません。
なんとか助け合おう、カバーしようという思いや、ここはパートナーが苦しんでいる分、思い切って勝負に出ようと、メリハリの効いたプレーをするのが楽しいです。

第6位:ウォッチの妙
テニスでボディーを狙うショットは公式戦でもない限り、あまりないでしょうが、ピックルボールでは頻繁に起こります。
顔のそばに来たボールを何度か処理して、少し強くなったボールをスッと見逃し「アウト!」とコールできた時の気持ちよさは、テニスではあまり感じたことのない感覚です。
真横に立つパートナーに「アウト」と声掛けしてウォッチしてもらい「ありがとう」と感謝されても同様です。
自分も相手にうまく見逃されてアウトになると、「ありゃ、ウォッチされちゃったか」と、不思議と気持ち良いのが不思議です。
ピックルボールの勝ち負けを決める上で「ウォッチ」が大きな意味を持つことを、互いに理解しているからこその感覚でしょう。
第5位:必殺技への拍手
ATP(アラウンド・ザ・ポスト)やアーニーを狙う「ロマン」分かってもらえるでしょうか?
わざわざATPしなくても決まるのに、ポストぎりぎりを狙ってポストに当てたり、サイドアウトしたり。
ポイントを失ってるのに「惜しいっ!」と笑えてしまうのが、ピックルボールの醍醐味ですよね。
打った自分だけでなく、相手にも「惜しいっ!」と笑ってもらえるのが、さらに最高です。
たまにATPが決まったり、アーニーを狙って失敗しネットに絡まっているプレーヤーにも、祝福の大きな拍手が沸き起こります。
「ピックルボールってホント楽しいな」と思える瞬間です。

第4位:反応合戦
相手が男性でも女性でも、お年寄りでも、関係なく、ネット前の4人が凄まじい集中力、反射神経で激しいボールを行き交わすことがあります。ハンドバドルですね。
もうこうなると、意地と意地のぶつかり合い。
相手が立てたパドルにつかまって、上から叩かれて決められてしまうと、「やられた」と心底、悔しい思いを味わいます。
逆もまた然り。自分が最後のウィニングショットをいただくと、
ニヤリとしないように、無表情を装うので必死です(笑)。

第3位:プレーの読み合い
強打と見せかけてドロップ、浮いた球を強打せず、手前に落とすドロップボレー。
テニスのように鍛え上げられた前腕や、抜群のタッチセンスがなくても、その気になれば、誰でも決まる可能性があります。
自分の場合、テニスで「駆け引き」を覚えたのは、少なくとも1~2年かかったと思いますが、ピックルボールは初めてすぐにでも「駆け引き」を感じられるのが、大きな魅力です。
◯✕さんは、絶対にセンターを構えているから逆を突こう、◯✕さんは右肩にパドルを構えるから、右腰を狙おう。
騙し合いを、やるたび、やられるたび。何度かプレーした相手の傾向や特長を覚えるのも、楽しい習慣となっています。
第2位:強者からの逆転
レベルの高い相手と対戦した場合、テニスなら「こりゃ無理だ」とベーグル敗戦を覚悟してしまいますが、ピックルボールの場合は、簡単には引き下がれません。
サーブ1本のパワーで押し切られることもなければ、絶対に敵わないと思うラリーをすることもありません。
頑張って簡単なミスさえしなければ、チャンスはあると心底思うことができます。
サーブ権を持っていれば、連続で数ポイントの差を埋めることも、全然可能です。実際に0ー9から11ー9の逆転を決めたこともあります。
「老若男女関係なく楽しめる」と言われる由縁は、ここにあります。
第1位:ディンク合戦
やはり1位はディンク合戦でしょう。
なぜでしょう、緩いボールがネット前を行き来する時間がやってくると、大の大人たちの目がキラキラしてくるのは。
テニスのようにできることなら私は触りたくないと、思うのではなく、みんなが「ボールを寄こせ!」と言わんばかりに、必死に「追いかけっこ」する姿は、本当に楽しいですよね。
ボールがストップしてしまうと、ポイントが決まってホッとするのもありますが、もう少し続いたらもっと楽しかったのに、と思えてしまうのは、やはり最高に楽しい瞬間だからなのでしょうね。

ナイスショット以外の楽しみ
テニスにもテニスの良さがあるのは、もちろん分かっています。
ですが、ナイスショットを打って決まった、という以外の楽しい面が、ピックルボールにもたくさんあります。
始めたばかりの方にも見つけてもらえると、うれしいなと思います。