片手バックドライブのコツ

片手バックドライブのコツ
ベースラインでの片手バックハンドのストローク、ドライブの打ち方のコツをまとめました。テニスと似ている部分もあれば、少々違うと感じている部分もあります。

両手が主流の中でも
ピックルボールのプロの世界では、バックハンドは両手で打つプレーヤーが増えています。この点はテニスと同じです。
ですが、時と場合によって、片手も両手も使うプレーヤーがたくさんいます。この点は大きく違います。

テニスと違ってコートが狭い分、相手からの返球は早くなり、両手バックの準備姿勢を取るまでの時間があまりありません。片手の方が素早いテイクバックが可能ですし、キッチン前に出ていく足運びも楽になります。
利点を理解して、あなたにとって、時には片手バックも可能か、ぜひ試してみてください。
基本ポイント7選
①グリップ
テニスと同じ、コンチネンタルグリップが推奨です。
親指と人差し指の付け根のV字部分を下の図の8️⃣のあたりに来るように握ってください。


薄めのコンチネンタルにするプレーヤーもいます。
トップスピンをかけやすくするため、バック寄りにフェイスが閉じれるよう、やや左に回転させて見てください。これがフォア側でいう薄めのコンチネンタルです。バック側でいえば厚めということになります。
図のピンクの位置あたりにV字が来るような握りです。
以下の動画でも分かりやすく説明してくれています。
▶Enhance Pickleball動画より
②フットワーク
基本フットワークはテニスと同じです。しかしながら、ボールはあまり跳ねません。くるぶしあたりの低いボールを持ち上げるケースは多くなります。
ミスを減らすために、同じヒッティングポイントにするのは、
よりシビアで、ごまかしは利かないと考えてください。
バウンドした後に手先で修正することは、ほぼできません。キッチリと打点に入れないと、即座にミスにつながります。
テニスと同じクローズドスタンスが基本。ボールの真後ろに入れるまで、しっかり足を動かします。低すぎるボールは、テニス以上に早くスライスにチェンジする判断も必要になります。
③ユニットターン
肩、腰を回すユニットターンもテニスと基本は同じです。
ですが、先ほどと同じバウンドの差の理由で、
より低めにコンパクトにする必要があります。
個人差はあるでしょうが、パドルの先端が後ろの壁を指すぐらいで十分と思います。
下の動画の説明でもありますが、片手で打ちますが、
テイクバックの時点では左手をパドルフェイスの反対側に添えるプレーヤーが多いです。
両手で握るほどグリップ長さがないこともありますが、左手人差し指をパドル面に接触させて、フェイスの向きを感じることができるのも、その理由の1つです。
▶「The Pickleball Clinic」動画より
片手バックに定評があるフランス出身のプロ、ジェイ・デヴィリアーズ選手のバックハンドドライブの動画です。画面手前の青のシャツの選手です。
左手の平の大半を裏側のパドルフェイスに添えている形です。
同選手はテニス経験者ですが、試行錯誤の末、たどり着いたのでしょう。
▶「PPA Tour」動画より
④テイクバックを小さく
左手を添える理由には、テイクバックの引き過ぎを抑える意味合いもあるように思います。
ユニットターンで肩はもちろん入っているのですが、
相手に背中を向けるほど引く必要はありません。
テニスボールよりずっと軽いボールです。
パワーより大事なのは一貫性です。
8の字を描く「サーキュラースイング」のような動きは体の後方では全く必要なく、
自然な形でコンパクトにセットします。
⑤腕は真っすぐ
ピックルボールではテイクバック時もインパクト時も、肘を曲げてしまうプレーヤーもよく見かけます。
テニスラケットと違ってパドルは短く軽いので、これでも十分、ヒットできてしまうのですが、可動域が広い分、やはり一貫性は失われます。
テニスと同じく、肩支点でローテーションしてください。
そもそもテイクバックで肘が折れ曲がるほど大きくする必要はありません。
テニスのフォアでは体格によってダブルベンドやストレートアームの適性があるという考え方もありますが、バックではストレート一択です。
腕が真っすぐ伸びた、右足の前でインパクトするようにしましょう。
⑥左手を上手く使う
フォロスルーも体が開きすぎるほど大きくする必要はありません。ここでもコンパクトを意識してください。
きちんと力が入るよう、インパクトからフォロースルーにかけて、
左手を後ろ側に開くのは、テニスと同じです。
パドルの先端は相手を指し、左手はその逆180度方向にとどめてください。
オーバースイングを防ぎながらスイングスピードが上がる感覚が分かるはずです。
右の場合、必ず左足を起点に動かし右足のかかとから踏み込んでいきます。
⑦リストワークは最小限
リストワークもテニスほど必要ないと言われます。
個人差はあると思いますが、ヘッドが走る程度に、
ややワイパースイングで十分だと思います。
何度も言いますが、テニスよりも次のボールは早く返ってきます。次のボールまでの準備の短さが片手の利点でもあります。
自然とトップスピンがかかる程度に抑え、相手からの返球に備えましょう。
ストリングスとパドル表面の違い
まとめてしまうと、テイクバック、リストワークも最小限と、
とにかく正確にコンタクトすることに重きを置くということになりそうです。
以下の動画ではテニスボールとストリングスの接触時間は3~4ミリ秒と教えてくれます。
人間の目ではとらえられる範囲は60フレームですが、3~4ミリを視認するには、250フレームが必要だそうです。
そしてピックルボールは、さらにその半分の2ミリ秒しかないそうです。
▶「OnCourt OffCourt」動画より
硬いピックルボールと板のようなパドルでは、テニスボールやガッドのように圧縮されて、吸着することはありません。
2ミリ秒では、フルスイングしても、パドルがボールを押し出すまでの移動距離は、3.175センチ(1.25インチ)しかないそうです。
ボールを持ち上げるような感覚や、ストリングスで引っ掛けるような感覚が出てこないのも当然ですね。
リストをこねくり回すのも、フォロースルーの長さも、「ボールの方向付けとは何の関係もない」と断言しています。
ここの理解が追いつけば、オーバースイングは論外ということに気付けるのではないでしょうか。
コンパクトにするヒント
プロのニコラス・ウェイド選手のシングルバックハンドのデモンストレーション、スローモーション付きです。
▶「Ed Ju」動画より
パドルを正確にコンパクトにテイクバックするために、
ギリギリまでパドルの先端でボールのヒッティングポイントをトラッキングするかのように残して打っているそうです。
テニスの両手バックで、インパクト前の位置に一旦ラケットの先端を置いてからテイクバックする「デモンストレーション」と呼ばれるテクニックですね。
正確にコンパクトに打つヒントになりそうです。
それにしても十分過ぎる威力です。小さなスイングでも十分パワーは出るんだな、と改めてよく分かります。
テニス以上に希少価値が高くなりつつある片手バックをこんな風に格好良く打ちたいものです。
