センターボールを迷わない方法①

センターボールを迷わない方法①

ピックルボールのダブルスでは、圧倒的に相手からセンター、ミドルに来るボールが多いと感じませんか?
コート中央に来た甘いボールをパートナーと譲り合う「お見合い」で逃した。
互いに打ちに行き、パドルがぶつかり合ってミス。そんな経験はありませんか?
今回は、そんなもったいないコンビネーションミスを起こらなくするには、どうしたら良いのか、を2回に渡って考えたいと思います。
題して「もう1つのセンターセオリー」です。
5つの見分け方
ピックルボールのコートはシングルスもダブルスも同じ。左右のサイズは6.1メートル。
手を伸ばせば互いがぶつかり合う距離です。
センターに来たボールを、ペアの一体どちらが取るべきなのか?
あなたはどのように判断していますか?
①センターライン基準
最も端的なのは、
コートのセンターラインを基準とするものでしょう。
センターラインから右は右側に立つプレーヤー、左は左側に立つプレーヤー。きっちり半分ずつ。
カバー範囲は均等で、相手に左右を抜かれることも少ない形です。
ですが、中央よりやや右よりにボールが来ると、右側プレーヤーがバックで打つことになります。
右側プレーヤーが通常通り打てるレベルなら良いですが、
バックが苦手だった場合は相手に狙われやすい弱点になってしまいます。
②フォア側のプレーヤー優先
そこでよくピックルボール初心者に教えられるのが
「センターのボールはなるべくフォア側を優先しましょう」という「最初の原則」です。
あくまで左側に立つプレーヤーのフォアが、右側に立つプレーヤーのバックより攻撃力が高い場合の教えなので、絶対ではありませんが、一般的にかなり浸透しています。

プレーヤーのレベル、同性同士か男女か、にもよりますが、
センターラインから30センチから70センチほど左側のプレーヤーが出てプレーすることもあります。
プロの場合は、攻守の状況にもよりますが、7~9割を左側がカバーすることもあります。
ただスタッキングを採用しない一般プレーヤーで、左利き+右利きのペアだった場合、センターが両者ともフォア、両者ともバックの場合も出てきます。
③先にネットにいるプレーヤー優先
「フォア優先」に比べるとあまり声高に指導される機会は少ないでしょうが、絶対的に行うべきなのは、
少しでも前にいるプレーヤー、先に準備できているプレーヤーを優先することです。
あなたがサーバー側で、自身でサードショットドロップを打った場合を考えてください。
センターに来たフォースショットを、あなたが打つより、先にキッチン前に詰めたプレーヤーが打った方が絶対的にポイントになりやすいですよね。


先に詰めていることで、ショットを打った後にしか前に出られないあなたよりボールを前で捉えることができます。
ネットより少しでも高い位置でとることでミスも減り、
相手コートの距離の短い位置でとることで、相手の時間を少しでも多く奪うこともできます。
リターンの際も、センターに浮いてきたボールは、最初からキッチン前に積めているパートナーがポーチした方が有利です。
ディンク勝負でもクロスのパートナーが外や後ろに追い出された場合、
前にいてボールを打たなくて済んだプレーヤーが打った方が、時間的に余裕があります。
| ミドルボールを迷わないための「5原則」 | |
| 基準 | 主な理由 利点 |
| センターライン | 互いのカバーリング範囲を視覚的に明確にできる |
| フォア側 | より攻撃力が高いショットを打てる |
| ネット側 | より相手の反応時間を奪える |
| 攻守の役割 | 互いの得意を活かし不得意をカバーできる |
| 声掛け | 状況に応じて最も適切な選択ができる |
④攻撃 防御など役割を優先
一方のプレーヤーがスマッシュやハイボレーが得意。もう一方はスマッシュが苦手というような場合は、
得意なプレーヤーに最後のウイニングショットを任せた方が得策でしょう。
打ち終わった後のフォローがない分、1度打ったプレーヤーが連続で打つよりも、交互に打った方が時間は確保できるものです。打っていない方のプレーヤーは、万が一の相手からのカウンター攻撃やロブに備えておきましょう。
相手がチャンスで打ち込んでくる場合は、フットワークがよくディフェンス力の高いプレーヤーがセンターを広く守る陣形を取った方が、少しでも返球確率が上がるでしょう。
攻撃型、守備型とタイプがはっきり分かれている場合は、このような決定的な場面でどうするか、事前に話し合って決めることが可能です。
⑤とにかく声掛けを優先
ここまでの事前の決め事は生きているとしても、状況によって事態は簡単に変わります。
バランスを崩した、ネットインになって反応できなかった、ケガをした、などなど。
最終的には互いに「声掛け」するという連係は避けられません。
「ハイ!」「行きます!」「You!」「お願い」など、
どちらが打つかハッキリ分かるように声で合図を送りましょう。

必ずしもフォア優先でない?
ここまでセンターボールをどちらが打つかの、基本的な考えをまとめて来ました。
フォア側を優先して、ネットに近い遠いの前後がある場合は前を優先、最後は声掛けで決める、となるのでしょう。ですが、そう単純ではないかもしれません。
次回は「フォア優先」に異議を唱える、もう1つの説をご紹介します。













