戦術について

相手にエサを撒く方法

picklebouya

英語で「ベイトボール」(bait ball)と呼ばれる、直訳すれば「エサ」「誘い」という戦略について考えます。ある囮(おとり)、ある罠を仕掛けて、相手のショットを、自分側の思うように誘い込む方法についてです。

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浮き球で誘う

まず第1は、以下の動画でも紹介されている、もっともシンプルな戦術です。

ディンク勝負の際、あえて絶妙な高さにボールを浮かせます。ネットの少し上を越え、最後はネットより少しだけ低い位置でしか、直接パドルで接触できないような位置です。

よほど上手い相手以外、1発では決めきれないけれど、ほぼ確実にスピードアップを狙いたくなるボールを供給します。

そしてアタックが来るとすでに分かっているあなたが、そのボールをカウンターしてハンドバトルを有利に展開するというものです。

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以前、「ダブルスのポジション戦略」で解説したように、ダウン・ザ・ラインはスペースが狭く難しい。クロスに打てばサイドアウトする確率が上がります。よってあなたの正面、あるいはパートナーのフォア側にボールが来ると、ある程度予測できますね。

ですから

反応勝負に自信があれば、あえてこの作戦に持ち込み、素早くバックで構えてカウンターで勝つ、という戦法が使えます。

▶「Zane Navratil Pickleball」動画より

コンビネーションで誘う

先ほどのケースも、事前にパートナーに、ベイトボールを狙っていることを伝えていた方が成功確率は上がります。他にもコンビネーションを使って罠を仕掛ける方法はいくつかあります。

次の動画では「ノーマンズランドの罠」と名付けています。

▶「Cracked Pickleball」動画より

あなたがリターンの際に使える戦略です。サードショットを打ったサーバー側のプレーヤーが前進しようとしてきた時です。相手の突進スピードがそれほど早くないと察知したら、4番目のショットを、わずかに浮かせた深い緩めのボールにして相手の肩口あたりに送ります。

相手はワンバウンドさせずダイレクトで打ってくるでしょう。しかし、その相手は、まだノーマンズランドと呼ばれる、ベースラインとキッチンラインの間にいるはずです。

ピックルボールでは「無人地帯」と称させる、あまりポジショニングすることが好ましくないとされるエリアです。

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ここから攻撃してきても、すでにキッチンに着いているあなたの方が、かなり有利です。相手はネットから離れているため、かなりスピードを上げないと、あなたの壁を打ち破るのは困難です。かつコントロールの誤差はほとんど許されないため、ミスする可能性は高くなります。

キッチンに来たがる相手をノーマンズランドに立ち往生させたまま、徐々に追い込んで、最後は足元に打ち込んでしまえば、あなた側が勝利するでしょう。

次もリターン時の戦略です。先の動画では10分56秒あたりから紹介されています。

リターンを打った後、あえてキッチンへの前進が遅れたように見せかけます。相手が自分めがけて深いボールを狙ってきたら、それをパートナーに飛び出してポーチしてもらうというものです。

以前、一旦キッチンへの前進が遅れたと見せかけた後、再び前進して処理するパターンをお伝えしたことが、あります(下記参照)が、前にいるパートナーと息を合わせるパターンも混ぜれば、より高い確率でポイントを奪えるはずです。

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サーバー時にも同じような戦略が可能です。サードショットを打った後、中途半端に前進して、ノーマンズランドにあえて立ちます。相手はあなたの足元を狙ってくるでしょう。それをセンターラインを割って積極的に飛び出したパートナーにポーチしてもらいます。

いずれの場合も、あえてスペースを見せて相手のボールを呼び込むのは、パートナーがフォア側で処理できる、右サイドで行うのが効果的でしょう。

ミックスの場合、女性があえて前進を遅らせて、男性パートナーがボールを打つパターンを使えば、かなり相手を混乱させられると思います。

やりすぎると相手に読まれてしまいますが、レベルがある程度高く、誘い込みにキッチリ反応してくれる相手ほど、こちらの「エサ」に食いついてくれるはずです。

相手の裏をかく意味

緻密な戦略が必要なピックルボールだからこそ、セオリーを逆利用した「エサ」は、時に大きな効果を発揮します。相手の裏をかき、さらには、裏の裏を読む。

こうなってくると、ますます試合をするのが、楽しくなってきます。

相手をおびき寄せる「エサ」を巻くことは、決してズルいことではありません。

あくまでゲームを楽しくする、もう1つの「スパイス」と言えるでしょう。

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ピックル坊や
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勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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