ダブルスのポジション戦略③

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ダブルスのパートナーとの位置取りについて、今回はボールを持たない時の動き、パートナーを助ける動きについて考えたいと思います。

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ボールを持たない時こそ大事

「ボールを持っていない時こそポジショニングが大事」という言葉をよく聞くと思います。

その「格言」は、一体どういう意味なのでしょうか。

次の動画にヒントがあります。

あなたはサーバー側です。パートナーがサードショットを打つ際、あなたはどこにいるべきでしょうか? 少し前、真横、少し後ろの3択となっています。

正解は少し前です。

リターンを受けて一番最初に自分側のサードショットが良いか悪いかを判断できるのは、3球目のボールを触るプレーヤーです。

打ったプレーヤーと同じ、もしくは後のタイミングでキッチンに到着しても、相手サイドにプレッシャーをかけることはできません。

相手が4球目を打つより先に、キッチンライン手前に立つ必要があります。

先にキッチンラインに着いて、自らの存在感を示し、いつでもポーチに出るぞ、という姿勢を見せることが、相手のショットを甘くしたり、ミスを誘発することにつながります。

だからこそ3打目を打ったパートナーより、先んじて前に行く必要が出てくるという訳です。

▶「Selkirk TV」動画より

一方で、サードショットが甘くなった場合、あるいはなりそうな場合、ボールを打ったプレーヤーはパートナーである、あなたに「浮いた」「ステイ」などと、ステイバックを促す声を掛けます。

無条件で前に詰めていては、パートナーのサードショットが甘くなった瞬間に、あなたは、相手から「的」として狙われることになります。

打ったプレーヤーの声掛けに反応したり、相手のプレーヤーの攻撃しようとする姿勢を見て、あなたはステイバックするか、前に出てしまっていた場合は、1歩後ろに下がるかの判断をします。

ここをうまくしのげれば、5ショット目以降で、再び前を伺うチャンスが生まれます。

パートナーより2歩前へ

次の動画では、少し前ではなく、

パートナーより2歩前と、より具体的な数字で表しています。

▶「John Cincola Pickleball」動画より

先ほどと同じく、自チームは、サードショットを打って、キッチンラインに上がる状況を目指しています。

具体的には、次の手順となります。

①相手リターンのボールが自分ではなく、パートナーに渡ったと確認できた

②パートナーのポジション、ヒッティングポイント、相手のボールのスピード、回転、相手前衛のポジションなど多くの情報収集を行う

③その情報に基づいて、前に行けると判断したら、キッチンラインに立ち「コートのバランスを最適にする」

としています。

「なぜならパートナーはボールのある場所にいなければならない」

パートナーはボールを打つために、その場から離れられない理由があります。「あなたは自由に動ける。その時点では自分の仕事と言えるものは何もない」。

だから代わりに「出来ることでパートナーを助けましょう」と訴えています。

パートナーを守るということ

その③の動きを、より細分化して見ていきましょう。

1️⃣あなたは1歩前に出て、首、上半身をパートナー方向にわずかに向け、パートナーがサードショットを打つ直前までを確認します。

2️⃣パートナーのボールがネットを越え、相手が打とうとする瞬間、若干センター側にステップを踏み、相手の視界に入るようにして、相手ポーチを牽制します。

3️⃣パートナーが無事クロスに返球できても前に詰められなかった場合、5ショット以降にパートナーがキッチンラインに着きやすくなるよう、センター側を広くカバーするポーズを見せ続けます。

この動きをあなたがすれば、

大抵の場合、相手は、パートナーがトランジションゾーンからキッチンラインに着くまでの間の足元を狙ってきます。

ですので、ボールを持たないあなたは、そのラインを予測し、自らが受け持つという心づもりでいます。打たせない、打たれても自分が取れるという場所にポジショニングして、少しでも甘ければポーチするぞ、というプレッシャーをかけ続けます。

その逆を突いて、ストレートに来られたとしても、相手の動きを見る時間がタップリある、万全の状態でキッチンラインに着いて構えていますから、あなたはある程度、反応できるはずです。

あなたのポーチのプレッシャーを感じた相手は、

多くの場合、クロスの浅いところに落とす選択をするでしょう。

そうなるとパートナーは前進して、前でインパクトできますから、5ショット目でキッチンラインに到達するのが楽になります。

打った後、時間がないパートナーですが、5ショット目を打つ前に意識するゾーンは、フォア側の右3分の1程度の範囲にまで、限定することができます。なので返球成功の可能性はグッと高まることでしょう。

逆に相手があなたのフォア側のセンターや、味方パートナーの足元を狙ってきたら、あなたは、ポーチのチャンスを逃さずに決めるだけです。この一連の、ボールを持たない時の動きこそが、「パートナーを助ける」ということなのです。

パートナーに決めてもらうということ

ボールを持った時の配球とその後の動きで、パートナーを守るばかりでなく、パートナーに攻めてもらうこともできます。

3回に渡ってきた「ポジションを考える①」で示した図です。

あなたはDです。

相手のBを大きくコート外側に追い出す、いいディンクを打ったとしましょう。Bはストレートから中央寄りに返球しないと、AとBの間に大きな隙間ができてしまいます。よってBは、Cのバックを理想とした中央寄りに返球すべき、とお伝えしました。

ですが、逆にCD側にとっては、Bの返球を、ほぼストレートから中央寄りに限定できたということです。ストレートに強く打つにしても、高いネットが邪魔をするため、上に持ち上げる軌道を描くしかないでしょう。

Dはセンター寄りにグッとポジションを詰めてポーチするぞとプレッシャーをかけ、相手Bにストレート方向への返球を「強制」します。こうなると、Cはアーニー(Ernie)を繰り出すチャンスです。

キッチンラインをまたいで、詰め切ってボレーしてしまう例の「必殺技」ですね。そうはならなくても、難しい体勢から打たされるBのショットが少しでも長ければ

Cがバックのカウンターボレーを決めることができるでしょう。

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Dはボールの配球とその後のポジショニングによって、Cに、ウイニングショットを決めるチャンスを演出したことになります。

これらが、ボールの配球を絡ませたポジショニングテクニックの一例です。

数少ない例しか出せませんでしたが、ポジショニングがいかに大事であるか、分かっていただけたのではないでしょうか。

Cがポジショニングの概念を理解していないと、Dのせっかくのいいクロスディンクも無駄になってしまいます。

どんなパートナーと組んでも「また組みたい」と言ってもらえるよう

気持ちいい「声掛け」だけでなく、気持ちいい「動き」も意識したいものです。

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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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