2025.11.14

バウンド後のどこで打つかを考える

picklebouya

　バウンド後のどこで打つかを考える

以前、サードショットドロップのミスを減らすコツとして、「バウンド後のボールが落ちてくる軌道でインパクトする」と安定しやすいことを紹介しました。

上昇中頂点下降中

「上昇中」「頂点」「下降中」

あなたはどのタイミングで打つことが多いでしょうか？

もちろんノーバウンドで打てるのが理想ですが、

バウンド後に打つ場合、そのタイミング選びが非常に重要です。

相手のボールのスピードや深さ、自分のポジション、打ちたいショットの種類や球種、それらがすべて関係します。

攻撃的に行きたいのか。それとも守りながらイーブンに戻したいのか。

その状況判断を私たちはほとんど無意識のうちに行っています。

ライジングがすべて正解ではない

まず、タイミングごとのメリットとデメリットを整理してみましょう。

ライジング（上昇中）は攻撃的で、相手の反応時間を奪える一方、

ボールの勢いや回転を読みきれないとミスに繋がってしまいます。

逆に下降中は一見「守り」のようですが、

ボールを持ち上げる形になり、

スピンをかけやすい、落としやすいという大きな利点があります。

バウンド後のどのタイミングで打つかの主な違い
タイミング	メリット	デメリット
上昇中	早く相手に返せる攻撃力が増す	ボールに勢いがありミスをしやすくなる
頂　点	高い打点で取れるミスが少なく安定感○	ライジングで打つより相手に時間を与える
下降中	スピンかけやすく安定感◎ ボールの勢いが落ちる	相手に多くの時間を与える攻撃力が落ちる

ドロップ時は下降中が◎

テニスでは、攻めたいときはライジング、守るときは下降中といった意識を持つ人が多いでしょう。

テニスのように打ちにくい高い位置に弾まされるといった悩みこそありませんが、ピックルボールではベースライン上、キッチンラインに進む時、着いてから、では、それぞれ理想の打点が頻繁に変わってきます。

実は、そこが無意識だと難しいところです。

サードショットドロップの場合。

下降中に打つことで、パドル面を下から上へ使いやすく、浮かずに沈むドロップが打てます。

相手のリターンが予想以上に深かった場合は頂点、もしくはライジングでフラットドロップすることもあるでしょう。

スライスドロップを使う際も上昇中か頂点を打つのは適切です。

しかし、トップスピンドロップの場合は、下降のタイミングが一番安全です。

前に進みたい気持ちが強いあまり、ボールが落ちる前に打ってしまうなんてこと、よくありますよね。このタイミングエラーが大きなショットミスの原因になります。

サードショットドロップ時
上昇中	頂　点	下降中
✕	○	◎
ボールに勢いがありコントロールが難しい	高い位置で打てる後ろに下がらず打てる	スピンがかけやすいバウンドを低くしやすい

ドライブでは頂点が◎

攻撃的にドライブを打つ場合。

少しでも相手の時間を奪える早いタイミング、上昇中か頂点が理想です。

上昇中は相手のリターンの威力によっては難しい場合もあるでしょう。

そんな場合はある程度相手の時間も奪え、コントロールもしやすい、頂点で捉えて、次の５ショット目に備えるのが得策でしょう。

サードショットドライブ時
上昇中	頂　点	下降中
○	◎	✕
相手の時間を奪えるがコントロールがやや難	高い位置で打てるコントロールしやすい	スピンはかけやすいが相手に時間を与える

ディンクでは攻守で変わる

ディンクでは、より瞬時の判断が必要で、相手との駆け引きもカギになります。

スピードアップに転じる瞬間は上昇中にライジングディンクを狙うと効果的です。

ディンク時
上昇中	頂　点	下降中
◎	○	◎
相手の時間を奪えるスピードアップで効果的	高い位置で打てるコントロールしやすい	相手に時間は与えるが正確なショットが打てる

安定感を重視する場合は逆に下降中に打ちます。

相手に時間は与えてしまいますが、そもそも相手が十分な体勢で待っているところに、自らタイミングエラーを招くような難しいショットを打つ必要はありません。

スピンをかけたり、アンダースピン、サイドスピンで相手を惑わす際にも、下降中の軌道で捉えた方がミスはグッと減ります。

フラットで相手を押し込むような少し深いディンクを打つ場合は頂点で捉えるのが効果的です。

守備的な場面では下降中。

攻撃に転じたい時は上昇中。

これを意識するだけでも、ディンクの精度と駆け引きの力が一段引き上がります。

少しの意識でかなりの違い

相手の時間を奪うことだけ考えてもダメ。

自分にとって打ちやすくすることだけ考えてもダメ。

その時々で「どのタイミングで打つか」を意識するだけで、パドルの角度やスイング軌道、安定感が大きく変わります。

テイクバックの大きさと同じぐらい、ミスの増減を左右する要素だと感じます。

ショット別タイミングの違い🎯まとめ
タイミング	目的	主なショット
上昇中	リスクは伴うが相手の時間を奪う相手の予測タイミングを外す後方に下がらないで済むアンダースピンがかけやすい	ドライブ攻撃的ディンクブロックリターンハーフボレースライス
頂　点	ネットの高さに近い打点で打てるパドルの角度が合わしやすいミスが少なく攻撃的に打てる	ドライブベースラインラリーボディーアタック
下降中	スピンをかけ柔らかく落とす最もコントロール性が高いパドルを下方向に入れやすくする	ドロップ守備的ディンクロブ