カウント達人を目指そう②

カウント達人を目指そう②

周囲の混乱を治められる「スコアカウントの達人」を目指すべく、前回は主に「偶数 奇数プレーヤーの法則」「右側サーバーの法則」をおさらいしました。


今回は「応用編」として、第1、第2サーバーも含めたダブルスコール3つを、すべて正しく修正する方法をお伝えします。
さあ難易度アップ応用編
今回も前回同様、「犬猫チーム」対「兎狸チーム」の対決です。最初の立ち位置を覚えるのが大事でしたよね。下の図の配置をインプットしてください。
偶数プレーヤーの犬と兎は、今回も分かりやすいよう、リストバンドを巻いています。

再度のおさらいになりますが、以下の「偶数プレーヤー 奇数プレーヤー」の法則
0を含む2 4 6 8 10の得点になった時、
偶数プレーヤー(奇数プレーヤーも)は
必ずスタート時と同じポジションに立つ

逆に1 3 5 7 9の得点になった時、
偶数プレーヤー(奇数プレーヤーも)は
必ずスタート時とは反対のポジションに立つ

「右側サーブ」の法則も使いますから忘れないでくださいね。
サイドアウト制によりサーブが交代した時点で
右側に立ったプレーヤーから必ずサーブは始まる
この点においては、最初の立ち位置、順序は関係ない

すべてが分からない時の対処
スコアは白熱の展開で進んでいきました。
「犬猫チーム」から「兎狸チーム」にサイドアウトする前のスコアの、実際のスコアの動きは、以下の通りでした。
サイドアウト前のスコア:「3ー2ー2」(スリー ツー ツー)
補足=「サイドアウト」とは馴染みがない言葉かもしれません。サーブの権利が一方のチームからもう一方のチームに移ることを言います。公平性を保つため「0-0-2」(ゼロ ゼロ ツー)から始まる最初のポイントだけはサーブ権は1人、次からはそれぞれ2人がポイントを失うまで続きます。
そして、しばらくの間「兎狸チーム」が連続で得点を続けました。
今のスコア:「5ー3ー1」(ファイブ スリー ワン)
例のごとく、ロングラリーになり、みんなの立ち位置がよく分からなくなってしまいました。
さらには「ところで、さっきサーブを打ったのは誰だっけ?」と「兎狸チーム」が言い出しました。
サーバーとレシーブの立ち位置、サーバーの順序、打つ方向、すべてが分からなくなってしまいました。あぁ~、困りました。
さあ、カウントを数える「初級レベル」を脱したあなたが、スコアから、この修正法を導き出しましょう。

まずレシーバー側を考える
順を追って整理していきます。
サーブ権があるのは「兎狸チーム」なことまではハッキリしています。
まずはレシーブ側「犬猫チーム」の位置取りを考えます。
サーバーが1番目に自分の得点、2番目に相手側の得点、最後にサーバー順をコールするのでしたよね。
サイドアウト時の1番目の点数は3、今の2番目のスコアも3。レシーブ時には得点が入らないサイドアウト制ですので当然、この数字は合致するはず、ですよね。
まずそこを確認しましょう。間違いなさそうです。
- ①レシーブは「犬猫チーム」
- ②「犬猫チーム」のスコアはサイドアウト時も今も3。奇数なので最初の位置と逆。
- ③犬は左、猫は右

次にサーバー側を考える
次にサーバー側の「兎狸チーム」を考えましょう。
今のスコア:「5ー3ー1」(ファイブ スリー ワン)
「狸兎チーム」の今のスコアは1番目の数字の5。
奇数は最初の立ち位置と逆でした。
ということは偶数プレーヤーの兎は左、奇数プレーヤーの狸は右にいなければなりません。

これで両チームの立ち位置までは分かりました。
サーバーと打つ方向を導き出す
次の問題は、誰がどの方向にサーブを打つのかという点です。
ここで運良く「犬猫チーム」の犬(あなた)が、サイドアウト前の自チームのスコアを記憶していました。
「確か、われわれの『犬猫チーム』が3、そちらの『兎狸チーム』は2だったよね」
サイドアウト前のスコア:「3ー2ー2」(スリー ツー ツー)
サーブとレシーブのコールは逆になりますので、サイドアウト時の「兎狸チーム」の得点は2番目の数字2でした。
今のスコア:「5ー3ー1」(ファイブ スリー ワン)
今の数字は1番目の数字の5。2点から3点が加わったことが分かります。
あなたの正確な記憶力のお陰で、先に実際のスコアの動き、として示した時点に戻ることができました。
これが正しいならば、次のことが分かります。
- ①兎狸チームのサイドアウト時の得点は2。偶数なので、サイドアウト時の立ち位置は最初と同じ位置だった
- ②よって第1サーバーは偶数プレーヤーの兎だった
サーブの兎狸チームのコール「2-3-1」

サイドアウト後、最初のポイントは、上の図の状態、兎サーブで始まった訳です。
その際はコールは「2-3-1」(ツー スリー ワン)でした。
偶数なら偶数プレーヤーが第1サーバー
ここで新たな法則が、役に立ちます。
サイドアウト時の自チームの得点が偶数だった場合、偶数プレーヤーが第1サーバーになるという法則です。逆に奇数だった場合は、奇数プレーヤーが第1サーバーになります。
「右側サーブ」の法則と同じ意味でもあるのですが、サーバーの順序を導く上で、もう1つ別の解釈ができるとでも言えば良いのでしょうか。
分かりやすく、まとめると次のようになります。
サイドアウト制によりサーブが交代した時点で
自チームのスコアが偶数だった場合
偶数プレーヤーが第1サーバー、奇数プレーヤーが第2サーバー

サイドアウト制によりサーブが交代した時点で
自チームのスコアが奇数だった場合
奇数プレーヤーが第1サーバー、偶数プレーヤーが第2サーバー

サーブの兎狸チームのコール「5-3-1」

よって、正解は上の図のようになります!

サイドアウト後、兎が右側で1点目をあげて左側へ移動。この時点でコールは「3-3-1」。
左側で得点をあげて右側へ移動。この時点のコールは「4-3-1」。
そして左側へ移動。現時点のコールが「5-3-1」。
第2サーバーの狸のサーブが、しばらくの間なかったことが確認できれば、なお第1サーバー兎のサーブが続いていることは明白です。
すべてが辻褄が合いましたね。
もう1問
頭はもう疲れているとは思いますが、お付き合いしていただける方は、もう1問。
サイドアウト前のスコア:「3ー2ー2」(スリー ツー ツー)
今のスコア:「6ー3ー2」(シックス スリー ツー)
まずはリターン側から。サイドアウト前のスコアの1番目の数字3、今のスコアの2番目の数字3を確認。ともに同じ数字で奇数、合っていそうです。
奇数は最初の位置と逆でしたね。リターン位置を導き出しましょう。
偶数プレーヤーの犬が左、奇数プレーヤーの猫が右。以下の図のとおりです。

次にサーブ側。立ち位置は今のスコアの1番目の数字6から導きます。
偶数なので最初の位置と同じ。
偶数プレーヤーの兎が右、奇数プレーヤーの狸が左。以下の図のとおりです。

サイドアウト時のスコアは2番目の数字2、
偶数なので、偶数プレーヤーの兎が第1サーバー。
兎がこの数ポイント間にサーブを打った自覚、失点(=サーブ権がある状態なので実際スコアは動きません)した自覚があれば、なお確実です。
ということは、次は第2サーバーの狸がサーブを打つ番ですね。
正解は下の図です。
サーブの兎狸チームのコール「6-3-2」

最終問題
最後もう1問正解で締めくくりましょう。
サイドアウト前のスコア:「6ー5ー2」(シックス ファイブ ツー)
今のスコア:「6ー6ー2」(シックス シックス ツー)
まずはリターン側から。サイドアウト前のスコアの1番目の数字6、今のスコアの2番目の数字6を確認。ともに同じ数字で偶数、合っていそうです。
偶数は最初の位置と同じでしたね。リターン位置を導き出しましょう。

次にサーブ側。立ち位置は今のスコアの1番目の数字6から導きます。
偶数なので最初の位置と同じ。

サイドアウト時のスコアは2番目の数字5。
奇数なので、奇数プレーヤーの狸が第1サーバー。
狸がこの数ポイント間にサーブを打った自覚、失点(=サーブ権がある状態なので実際スコアは動きません)した自覚があれば、なお確実です。
ということは、第2サーバーの兎がサーブを打つ番ですね。
正解は下の図です。
サーブの兎狸チームのコール「6-6-2」

どうだったでしょう? スラスラと答えられるようになったでしょうか?
ここまでくれば「どうしよう、分からなくなった」とお困りの人たちを助けられそうですね。
「カウントの達人」と呼ばれる日も近そうです。

