カウント達人を目指そう③

カウント達人を目指そう③

前回までに、「偶数 奇数プレーヤーの法則」「右側サーブの法則」「第1、第2サーバーの見分け方」を学びました。


ここまで習得できれば、ほとんどの場面は修正できるはずです。
究極のリカバリー編
ですが、実戦ではもっと厄介なケースが出てきます。
- どこからか互いの主張が食い違う
- プレーヤーの誰かが「いや、さっきのサーブは私だ」と言い張る
- ラリーに夢中で全員が立ち位置を忘れている
こういうときに、冷静に「正しいリカバリー」へと導けるのが真の意味での「カウント達人」です。
スタート時の立ち位置は次の図の通りです。覚えておいてください。

ステップ①:まず「一致点」を探す
試合が進み、文字通りお互いの主張が食い違いました。
あなたはサーブ側「兎狸チーム」の兎です。
混乱したとき、まず確認すべきは 相手チームの得点です。
サイドアウト制ではレシーブ側は点を取れません。
つまり「サイドアウト前の相手スコア」と「今の相手スコア」は必ず一致します。
これを手掛かりに、リターン側の立ち位置を復元できます。
あなたは「5ー3」で自分たちがリードしていると考えています。
「偶数=スタート位置」「奇数=逆位置」というルールを思い出してください。
例えば、相手側が点数「4」を主張したとしましょう。
偶数なので、スタート時の位置と同じポジションにいるはずです。
ところが以下の図では「犬猫チーム」は逆になっていますね。

前のポイントがプレーヤーが左右を入れ替わるようなプレーではなく、すんなり終わった場合、スタート時と同じ位置でないと「4」はあり得ません。
この逆になっている立ち位置の場合は「3」もしくは「5」の可能性が高いです。相手にもう1度、「4」で間違いないか、確認してみましょう。
今回の場合は「プレー中に立ち位置は変わっていないので『3』でした」と、相手が間違いを認めた、としましょう。
仮に「5」と主張された場合は、認めるか、どうしても納得できない場合は、奪ったポイントを4人で思い返す作業をすることになります。
ステップ②:サーブ側は今の得点を基準に
次に、こちらのサーバー側も「自チームの得点が偶数か奇数か」で立ち位置を確定させます。
「我々の今の得点は『5』、奇数です」。
「合致するように立ち位置もスタート時とは逆になっています」。

相手に自分側の得点「5」を認めてもらえば、まずは一段落。
スコアは「5-3」で「兎狸チーム」のリードということで、みんなが納得しましたね。
ステップ③:第1サーバーか第2サーバーか?
さらなる難関はここからです。
「誰がサーブの番なのか?」が分からなくなる瞬間です。
「犬猫チーム」が「狸サーブ、しかも第2サーバー」を主張したとしましょう。
カギになるのは サイドアウト直後の自チームスコアです。
- 偶数 → 偶数プレーヤーが第1サーバー
- 奇数 → 奇数プレーヤーが第1サーバー
この原則をもとに「今の点数がどう積み上がったか」を逆算すれば、第1か第2かを判断できます。
兎のあなたは冷静に語りかけましょう。
「この1ポイントが入る前、サイドアウトでサーブ権が回ってきました。その際の我々の得点は『4』だったと思います。この点で、なにか食い違いはありますか?」。
相手が「確かに4点だった」と認めてくれました。
「偶数なので私(兎)が右、狸が左。よって右の私から打ちました。私が第1サーバーでした」。
「先ほどのポイントは私がサーブを打ち勝ちましたよね?」
「今の得点『5』が正しいとすれば、サーブはもう1度、左側の私(兎)から打つ、というのが正しいと思いますが、どうでしょうか?」
この主張を相手に納得してもらえれば、以下のような形でサーブをすることになりますね。
サーブの兎狸チームのコール「5-3-1」

実戦あるあるケース
ケース1:両チームで主張が食い違う
「サーブはもう交代だ!」 vs 「いやまだ続いてる!」
→ 落ち着いて「サイドアウト時のスコアは?」と聞きましょう。そこから逆算すれば答えが出ます。
ケース2:誰もサーブの記憶がない
→ この場合は「偶数 奇数プレーヤーの法則」と「右サーブの法則」だけで立ち位置を正し、第1サーバーからやり直すのが最も公平ではないでしょうか。
ケース3:大会や公式戦での混乱
→ レフェリーがいる場合は「直前の確定スコア」まで戻して修正します。大事なのは全員が納得できる整合性です。
カウント達人への心得
最後に大切なのは「正解を押しつけない」ことです。
「自分が正しい」と、かなりの確証があったとしても、自分のパートナーはもちろん、相手チームが納得していなければ、正々堂々と楽しくプレーすることは難しくなります。
立ち位置やサーブ順はある程度、「法則」から導けますが、プレーヤー全員の記憶や納得感も尊重することが大事です。
つまりカウント達人は ルールの知識+ファシリテーション力(まとめる能力)が問われることになりそうです。
もう揉めたくない! っていう場合は、みんなが見られるスコアボードを購入するのが一番かもしれませんね。

