トゥイナーの打ち方

picklebouya

「Tweener」(トゥイナー)というショットをご存知でしょうか?

語源はテニスのプレーからで、従来は「between-the-legs shot」(股抜きショット)と呼ばれていました。

ですが、それがいつしか「tween」(トゥイーン)に短縮され、「er」が付いて「Tweener」となったそうです。

日本語では「股抜き」ですが、個人的にはトゥイナーの方がどうも「必殺技」っぽくて、気に入っています(笑)。

ピックルボールの場合、即ポイントにつながるのは稀で、「必殺技」とは言えないかもしれませんが、決まれば拍手喝采間違いなし! 今回はその夢あるショットについて考えてみましょう。

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後向きと前向き

まずは動画を見た方が分かりやすいですね。

一般的にはロブで頭上を抜かれた際、反転する時間がない時に用いられるイメージが強いと思います。

次の動画では、その最初に思い浮かべるだろう、後ろ向きのシーン。

トッププロのベン・ジョンズが実にナチュラルに決めてポイントを奪っています。

一か八か打って終わりではなく、ソフトにドロップ気味に打ち、すぐに次の体勢に戻っているのが、さすが超一流プロですね。

次の動画は前向きのシーン。

コート向かい側にいる、先ほどと同じベン・ジョンズが相手のボールを股の間から返球します。

フォア側にボールが来ることを予測していたのでしょう。反応がわずか遅れ、バランスを崩してまでバックを打つよりも、自然に手が出せる股抜きショットを選択。

自分の時間を作るとともに、相手の意表を突こうとします。 

最終的にポイントは逃しますが、ラリーは継続して十分にチャンスのあるシーンを演出しています。

難しいがテニスよりは可能性大

大阪から情報発信中の私「ピックル坊や」はテニス歴30年以上。ですが、ロブを追いかけての股抜きは数回成功した程度です(笑)。

決して偉そうに言える立場ではないのですが、落下した後、かなり勢い良くボールが弾むテニスよりは、比較的、相手コートに返球するまではできる可能性が高いと感じています。

最大のコツはボールを追い越してからインパクトを迎えることです。その点、ピックルボールではバウンドがあまり弾まない分、膝より下でボールをパドルで捉えるチャンスは結構な確率である、と言えます。

ただし、コートが狭い分、特にダブルスでは相手のサイドを抜くというのは、ほぼ不可能なので、一発でポイントを奪うショットになることは非常に稀です。

相手を驚かせてミスを誘う。あるいはジョンズの動画のように、ドロップ気味のスローなショットを打って、次のチャンスにかけるというのが、一般的な戦術になります。

成功のコツ5選

習得にはかなりの練習が必要ですが、いくつか成功するためのヒントをピックアップしてみました。ノーマルな打ち方、後ろ向きのトゥイナーの説明をしていきます。

大事なのはタイミングと打点の場所です。

薄めのコンチネンタルグリップが最も適しています。

スイングは、包丁のようにパドル面のエッジ部分を上にした状態でスタートさせて、振り下ろしながらパドル面がボールにまっすぐ当たるようにします。

この動作により、腕を内側に回転させる動き(プロネーション)が使え、返球のボールに勢いが出せます。

リストも効かせ、最終的に手首は内側に折られた形になります。やや上方に打ち上げることで、ネットを越えていけます。

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実際に打つ際、まず大事になるのは、股抜きショットを打つという「決断」をすることです。あまり躊躇している時間はありません。

背面で打つと決めたら、その瞬間、ネットに背を向け、一旦抜かれたボールを素早く追いかけます。

当然、左足、右足と交互に動かして走っていく訳ですが、うまくタイミングを計って

右利きの場合、左足が出た状態の50センチほど前で、かつ体の中心付近にボールを落下させましょう。

これが成功への第1ステップです。

すかさず次の一歩、右足を小さく踏み出します。

次に左足を大きく1歩。

するとバウンドしているボールを追い越す形になります。

同時に自然と左足が前方にある、セミオープンスタンスになっているはずです。

この状態から小さく右足を踏み出しながら打っていきます。

足を平行にして止まって打つのではく、左足、右足と小刻みに動かしながら打っていきます。

よく自分の前方にあるボールを、空中で大きくジャンプしながら追い抜いて打とうとする方がいますが、こうなると、もはやかなりの身体能力と奇跡的なタイミングの一致がないと成功できません。

スタートは素早く、最後は追い抜いたボールをゆったり待つぐらいの間が必要です。

その間を作るコツとしては、バウンドしたボールの頂点を打とうと思わないことです。

これも自分の膝より上で打とうとして自分の体に当たる失敗例がよくあります。

2バウンド目になるかどうかの、ギリギリのタイミングを狙ってください。

地面に当たったボールが頂点を過ぎ、落下し始めたのを見計らって、パドルをボールにぶつけにいきます。

地面まで10センチ以下になった地点、

すなわちパドル先端がコート表面にこするかどうか、ギリギリの位置でのインパクトを狙ってください。

ギリギリで打てば打つほど股下の空間が広がり、ボールを打ち上げやすくなります。

股間真下で打とうとすると、ネットを越える角度が得られないどころか、特に男性の場合、違う「悲劇」が待っています(笑)。

次の動画はスローモーション付きで、どこでインパクトしているかがよく観察できます。

ぜひ再生してみてください。

何度か打つショットのすべてが、プレーヤーのおしりの位置、すなわち自分の足より後方にあることが分かるのではないでしょうか。

体の前方だと失敗し、

足からおしりの位置でインパクトできれば成功の確率がグッと上がります。

とにかく待つ

次の動画は一般プレーヤーが初めてトゥイナーに挑戦するレッスンです。どのような理由で失敗するか、客観的に見ると非常によく理解できます。

まだ前方にボールがあるのに、両足ジャンプで無理やり打とうとしてしまったり、股間の真下でもかなり高い打ちで打とうとしてしまったり。

ATP(Around The Post)と同じで「とにかく待って待って」「ボールを落として打つ」と、レッスンを受けた参加者たちは同じ感想を持って動画は終わります。

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ギリギリにまで待つ、その我慢が成功の最大のカギになります。

前向きのコツは

前向きから打つ場合は、ノールックで打つことにはなりますが、パドルには当てやすいのではないでしょうか。

とにかくスタンスを広く、膝を曲げて体勢を低く維持しましょう。

強く打ちたいと考えず、

キッチリとフラットでボールを捉えることを最優先しましょう。

ボールのバウンド後の落下点を予測して、正確にそのポジションに入るフットワークが大事になります。

ここでもボールを早く打とうとしすぎず、しっかり落下を待って打つのは後向きの場合と同じです。

あくまで最後の手段

まとめると、やはりトゥイナーはハイリスク・ハイリターンのショットです。

成功すれば素晴らしいショットとなりますが、通常のショットに比べてミスをする可能性はかなり高いですし、相手から返球されることがほとんどです。

後ろ向きの場合、まずはスライスロブを狙う。それも間に合わなければ、ほぼノールックで反転して打つ「スピンアラウンドショット」を狙う。

それもできない、最後の手段の場合、トゥイナーを使ってみましょう。

とはいえ、私、こういう夢のあるロマンショット大好きなので、いつも、今か今かと狙ってますけどね。失敗しても全然恥ずかしくない、って思う方はぜひぜひチャレンジしてみてください。くれぐれもケガだけはお気をつけて。

トゥイナーのスゴ技

最後にプロと一般の方の素晴らしいトゥイナー動画を2本。

そして「こんな身体能力ないよ」という方に、きっと勇気を与えてくれる、曲芸トゥイナー名人の動画をラストにどうぞ。

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ピックル坊や
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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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