ATPの打ち方 守り方①

ATPの打ち方 守り方①

アーニー(Ernie)に続いて、今回はATP(Around The Post)の打ち方を考えたいと思います。



ポールの外から回り込むように、ネットのない部分を通して、相手コートに突き刺す、テニスの王子様の「ブーメランスネイク」というような「決め技」です(笑)。
みなさんも1度は狙ったことがあるでしょう? 私も何度か決まった際、大喜びした憧れのショットです。
どんな時に狙う?
①適切な角度のボールが来るのを待つ
相手がキッチンにいて角度のあるボレーをした時、あなたがノーマンズランドやベースライン付近から打つケースもありますが、基本的にはディンク合戦の際に用いられることが多いです。
対角線上の打ち合いで、ノーバウンドでは打てない位置に来た角度の付いたボール、それもある程度、スピードのあるボールが来た場合に狙います。
相手のボールに勢いがないと、バウンドした後、サイドラインの向こうにまで弾んでくれないケースもあるからです。
こちらが角度を付ければ、相手も意地になって角度を付けて返すなんて展開になること、よくありますよね。ATPを狙っている素振りは見せず、普段通りセンター寄りにきっちりとポジションを戻して、サイドライン側の出来るだけ広がった位置に、ボールが来るように仕向けてください。
大事なのは「我慢」「忍耐」です。
成功率を上げる方法は?
②地面ギリギリに落ちるまで打つのを待つ
①で狙っているボールが来ました。サイドライン際でバウンドしたボールを、高い位置で打とうとするのは危険です。
下の図を見てください。赤のボールの位置だと、ネットの上を越えるよう狙うしかないでしょう。よほどカーブのかかかったスピンを打てるプレーヤーなら別ですが、かなりのリスクがあります。
オレンジのボールも打てそうな気がしてしまいますが、相手のコートに収めるとなると、これもネットの上を越えるしかありません。
青のボールがサイドラインから約90センチ離れたイメージです。ここで初めてネットを越えずとも、約5~10センチのスペースができるそうです。
理想は緑のボール。ここでイッキに1~2メートルの打てる空間が生まれます。
ですので、できる限りボールがサイドラインから離れていく時間を待ちます。
地面から15センチより下の位置、パドルが地面に擦れるかどうかの、ギリギリ低い位置までヒットしないことが成功の鍵となります。

次の動画を見てください。先ほどの図とは逆のフォアサイドから視点です。カメラを自分のポジションに見立てて動かしてくれるので、相手コートのスペースがどういうふうに変化をするのか、非常によく分かります。
▶「Pickleball Kitchen」動画より
▶「Pickleball Kitchen」スクリーンショットより

最初はほとんど狙えるスペースがありませんが、サイドラインからほんの少し離れるのを待つだけで、打てるスペースがイッキに広がることが分かります。
サイドが狭いコートではなかなか距離を取れませんが、
思っているよりも、かなりワイドに広がった位置でしか成功できないこと。
さらに、待てば待つほど、成功確率が上がる理由が、ご理解いただけたのではないでしょうか。
とにかく我慢
ご参考までに3つの動画を。いずれも同じ点を強調しています。
すべて共通して「忍耐」「辛抱強く」ボールが落ちるのを待つこと。
これに尽きます。
▶「The Pickleball Clinic」動画より
▶「ThatPickleballGuy」動画より
▶「Briones Pickleball」動画より
とにかく「待って待って」。文字通り相手スペースがイッキに広がる「待ちに待った」瞬間が来るまで我慢です。
先ほどの図、写真の空間が開けたシーンを見逃さないよう、脳裏にイメージを焼き付けてください。
次回はそのボールが来た後、そこにたどり着くまでのフットワーク、ショットの打ち方について考えます。
