シャベルドロップって何だ?

シャベルドロップって何だ?

プロで席巻中のショット
皆さんはトッププロ、ベン・ジョンズ(Ben Johns)の試合を見たことがあるでしょうか。時折見せるフワリと浮かすドロップショットに、「なんじゃこれ?」と思ったりしたことありませんか。これキチンと名前があって
「シャベルドロップ」「シャベルショット」というそうです。
ほかにもJW・ジョンソン(JW Johnson)といった超一流トッププロが実際に使用しているテクニックで、ピックルボールに新風を巻き起こすのではと、注目されているショットなんだそうです。興味が湧きませんか?
シャベルのようにフワリ
「ショベルドロップ」とは、すくい上げるような動きで打つ、柔らかくコントロールされたドロップショットです。
体の後ろ足あたりに置いたパドルを、文字とおり「シャベル」で地面を掘るような動きで、優しくヒットします。
ボールはフワリと空中に浮き、一瞬止まったかのようなスローなテンポに変わります。
キッチンに前進する時間を作ったり、ディンク合戦のペースを弱めたりと、様々な場面で効果を発揮します。
着地はキッチンラインの前方半分ぐらいに正確に落ち、あまりバウンドしないので、簡単には攻撃されないという訳です。
ベンが明かすコツ
ベン・ジョンズ自らが、そのショットを解説するショート動画がありました。動画冒頭のミスショットかのようなフォームから繰り出されるドロップを見てください。これです!
こんな打ち方で正確にコントロールできるなんて、すごくないですか?
▶「Josh J Pickleball」動画より
体の前方で処理する時は、パドルヘッドを下げたり、水平にしたりします。体の後ろ側で接触する時は、少しパドルを立てた状態の方が可動域が固定されて安定するそうです。そして、ボール外側を巻くようにして打つとコツを明かします。
通常のドロップより、ボールの滞空時間が長くなるし、右サイドからクロスに打つ場合はボールの外側を回り込むようにして落とせるので使える、と話しています。
具体的な打ち方
もう少し分かりやすく解説してくれている動画がありましたので、そちらもご紹介します。
▶「Briones Pickleball」動画より
5打目キッチンに向かう際に使用
サードショットドライブを打った後、次のボールでキッチンラインに着こうとした場合、相手のボレーが自身の前進を妨げるような形になった際、ボールを追い越すようにして体の横でヒットします。
後ろ足かそのやや後方でインパクト
通常は体の前で取りますが、この「シャベルドロップ」の場合、インパクトはほとんどの場合、後ろ足の横か、それより少し後方になるそうです。それ以上、体から距離が離れてしまうと、難しくなりすぎてしまうようです。普段よりかなり後ろで打つのですね。
バウンドがある場合パドルは水平
ボールのバウンドが膝ぐらいまである場合は、パドルヘッドは地面と水平にします。それより低い場合はヘッドを少し地面側に下げます。
グリップはゆるく握り後ろ足で運ぶ
グリップは通常よりかなりゆるく握ります。打った後は、後ろ足が勢いよく前に飛び出てくるような形になります。
一般プレーヤーにオススメできない
動画の最後には、前でインパクトできる方が簡単なので、
レベルのあまり高くないプレーヤーにはオススメしないとしています。
とはいえ、ベースラインやトランジションゾーンだけではなく、キッチン内でも使えるテクニックだそうです。
我々一般プレーヤーの場合は、キッチン内で逆を突かれ、後方に下がっている間がないような状況に陥った際に、とっさの判断で、このショットをマネて打ってみるのはありではないでしょうか。
ヘッドを下げることもあれば、こんな体の後方でも打てる打ち方があるんだ、と知っておくことは、少なからず役に立つと思うのです。
きっと、いざという時に「物を言いますよ」。なんたって「喋るショット」ですから(笑)