ピックルのトリックショット①

ピックルのトリックショット①

アーニー(Ernie)やATP(Around The Post)といった、ピックルボールの代名詞的なショット以外に、トリックショット、イルージョンショットと呼ばれる、相手を欺くショットが数多く存在します。
私もいつかは公式戦で成功させたいと思っている、そのいくつかのマル秘ショットを紹介したいと思います。
フーディーニ
フーディーニ(Houdini)というトリックショットです。
バックのクロスディンクを打つと見せかけておいてテークバック完了後、右利きなら逆手の左手に持ち替えます。
視線はクロス側に送りながら、パドルを持っていない右手はバックを打っている時と同じスイング軌道で動かします。
そして実際は、左手のフォアでダウンザライン側にスピードアップするというショットです。
▶「electrum_pickleball」インスタグラムより
20世紀最大の奇術師と呼ばれたハーリー・フーディーニ(Harry Houdini=本名E・ワイス)の名前に由来して名付けられたと思われます。鎖や手錠をかけられたコンテナから脱出するマジックで知られていました。
相手を驚かせる、まさに「マジックショット」ですね。
▶「Enhance Pickleball」動画より
とはいえテニス出身者の私「ピックル坊や」は両手バックを習得する際、左手のフォアハンドをかなり練習しました。ラケットに比べて軽いパドルですから、ショット自体は簡単に打てそうです。
バックと見せかけるため視線をクロスにし続けるとなると、ノールックでインパクトすることになるので、その点は難しそうですが、一般プレーヤーでも十分狙えるショットではないでしょうか。
イェーツ
次は「イェーツ」(Yates)「カイル」(Kyle )や「カイル・イェーツ」(Kyle Yates)と呼ばれるショットです。
フーディーニと同じくディンク合戦の際に使用します。
同じようにバックで打つと思わせるシチュエーションを作ります。
一旦、バックでテークバックした後、リストを返してパドル面を急きょバックで打つのとは反対側のフェースに反転させ、フォアを打ちます。
バックでクロスに来ると思っていた相手は、ダウンザライン方向にスピードアップされて来たボールに反応できないという訳です。
▶「effectivepickleball」インスタグラムより
▶「Enhance Pickleball」動画より
革新的なプレーで知られる元ピックルボール王者で、2024年に殿堂入りもしている、カイル・イェーツ(Kyle Yates=30歳=アメリカ)のテクニックに由来しています。
フォアは右利きの場合、体の中心より右側にボールを入れて打つことが大半ですが、バックで打つと偽装するために、体の中心から左側にかけてに、ボールを入れて打つ技術が難しくなります。パドルを急激に動かすためフェース面を安定させること、オープン気味のフェースでボールをうまく擦り上げるテクニックが必要になります。
次の動画では、相手のボールがある程度バウンドする状況を選ぶこと、バックからフォアへの切り替えを、時間をかけず素早くスムーズに行わないと、相手にバレてしまうと説明しています。
▶「The Picklr」動画より
次の動画ではテークバックの後、イッキにリストを背屈(はいくつ=手の甲側に曲げた状態)に変えて、ヘッドを落とし、右利きの場合、左足の膝あたりから、右足の上、肩あたりまでイッキに擦り上げると、具体的な打ち方を示してくれています。
通常のフォアの場合、パドルは右足から左肩へクロスしますが、それが左足から右肩と逆のクロスを描くことになります。
あまり難しく考えず体の左側で無理やりフォアを打つ感覚が、一番分かりやすいと思います。
▶「Pickleball Playbook」動画より
逆にフォア側でフォアのテークバックの構えから急きょバックに変えてスピードアップする方法もあります。こちらは「リバース・カイル」「リバース・イェーツ」などと呼ばれるそうです。
▶「Enhance Pickleball」動画より
また両手バックから両手フォアにフェース面を切り替えて打つパターンもあります。
▶「letspicklenow」インスタグラムより
周囲を沸かそう
他にもテニスと同じように、トゥイナーと呼ばれる股抜きや、バックショットと呼ばれる背面打ちなどがありますが、コートの広さやバウンドの高さなど、条件が揃わないと、なかなか機会は訪れそうにありません。
まずはケガしないように、「フーディーニ」や「イェーツ」を狙っていきましょう。
ピックルボール最大の目的が楽しむことならば、これらのトリックショットを成功させるほど、うれしいことはありません。
華麗に決めて、会場や仲間から盛大な拍手をいただいちゃいましょう!