必殺技が通用しない時代?

必殺技が通用しない時代?

アーニーとATP(エーティーピー=Around The Postの頭文字から)というショットを、以前ピックルボールの魅力が詰まった「必殺技」とご紹介しました。
どんなショットか、お分かりにならない方は、下のリンク先を見ていただくとして、どうも間違いがあった? ようなので訂正させてほしいのです。

ほかでもない「必殺」という部分が、どうも変わりつつあるようなのです。
驚きの統計
最近になって次のような統計が、ピックルボールのプロ団体のPPAから発表されました。2025年最初の9トーナメントでアーニーとATPが繰り出された後、どうなったのか?
という、実に興味深いデータです。
成功とは、そのままクリーンウイナーになった場合と相手が返球できなかったケース。継続とはそのままラリーが続いたものです。(残念ながらラリーが続いた後、ポイントがどちらが取ったか統計はわかりませんでした)
アーニーの場合
アーニーの数 | 成功 | 継続 | |
男子DS | 37 | 21(57%) | 16(43%) |
女子DS | 18 | 9(50%) | 9(50%) |
混合DS | 55 | 29(53%) | 26(47%) |
通算 | 110 | 59(53.7%) | 51(46.3%) |
種目別では男子ダブルスが最も高いですが、それでも決まる確率は57%。
女子ダブルスに至っては50%しか決まりません。
全体で見ると46.3%がそのままラリー継続となります。
これは2024年の13トーナメントの平均42%から4.3%も増加しているそうです。
ATPの場合
ATPの数 | 成功 | 継続 | |
男子DS | 32 | 19(60%) | 13(40%) |
女子DS | 13 | 5(38%) | 8(62%) |
混合DS | 44 | 19(43%) | 25(57%) |
通算 | 89 | 43(48.3%) | 46(51.7%) |
こちらも種目別では男子ダブルスが最も高いですが、確率60%。
32回ショットを打って19回しか決まりません。少ないですね。
女子の場合、データ数が少ないですが62%も返ってきます。これはもう必殺技と呼ぶのは気が引けてしまいますね。
全体で見ると、ラリー継続は51.7%。
ATPを打っても半分以上が、そのまま決まるわけではありません。
これは2024年の13トーナメントの52%とほぼ同じ数字だそうです。
ATPを返す方法を解説しています。こちらから角度をつけすぎてATPを打たれても、決して簡単に諦めてはいけないということですね。
進化し続けるピックルボール
われわれ一般プレーヤーレベルだと、たまにアーニーやATPが出ると、「ウォ~」と大拍手が起こってプレー終了が当たり前ですが、プロの世界は確実に進化し続けているようです。
開発された当初は誰もが驚いたショットでしょうが、徐々に対策が練られてきています。
かつては「必殺技」と呼ばれたが、今は当たり前のように返球されると言われるような時代が、近い将来やってくるのかもしれません。
う~ん、もはや絶対に誰にも返されないショットはないのか? 自分はできなくてもいいから、なんとか発見して自分の名前をつけてもらいたいと思っている「ピックル坊や」なのでした。