ミスを引きずらない「85–15の法則」

ミスを引きずらない「85‐15の法則」

ピックルボールをしていて、こんな経験はないでしょうか。
- 「これは入って当然」と思ったチャンスのボレーを外す
- ミスをした瞬間、頭が真っ白になる
- その後の数ポイント、明らかに判断が遅れる
多くのプレーヤーは「技術が足りないからミスをする」と考えがちです。
しかし本当の原因は、技術そのものではないかもしれません。
そもそも
「100%決められる」
「決めて当然」
という間違った期待値設定を、自分に課してはいないでしょうか。
この記事では、海外の指導現場でも語られている「85–15」のテクニックを、日本のピックルボール事情に合わせて噛み砕きながら紹介します。
ピックルボールでミスすると なぜ落ち込むのか
ピックルボールは1つのミスの重みが非常に大きいスポーツです。
特にわれわれ日本人プレーヤーは、無意識のうちに次のような思考を抱きがちです。
- ミス=悪いこと
- 簡単なショットは成功して当然
- パートナーに迷惑をかけてはいけない
その結果、自分に100%の成功率を求めてしまいます。
しかし、人間が100%成功する前提でプレーすること自体が、そもそも無理のある設定とは思いませんか。
「85–15」とはミスを前提にする考え方
「85–15のテクニック」とは、簡単に言えば
「人間は、どれだけ上手くても一定の割合でミスをする生き物だ」
という現実を、プレー前から受け入れておく考え方です。
85–15という数字そのものに絶対的な意味があるわけではありません。
- 上級者など、人によっては90–10かもしれない
- 調子の良い日は95–5に感じることもある
- 逆に不調な日は80–20と感じるかもしれない
85–15はあくまで、
「100%を前提にしないための分かりやすい目安」に過ぎません。

人間は100%成功できない
プロ選手であっても、
- ネットミス
- アウト
- 判断ミス
は必ず起こります。
それなのにアマチュアプレーヤーが、
- 「今のは入らなきゃおかしい」
- 「この高さなら決めて当然」
と考えてしまうと、現実とのギャップに必要以上にショックを受け、落胆してしまいます。
パートナーとただ目を合わせただけなのに、何か自分が責められているように感じる――。
そんな精神状態のとき、心はすでに大きく乱れているのです。
15%は「起こる前提」で支払っておく
「85–15」の考え方では、ミスは
- 想定外の事故
- 自分の下手さの証明
ではありません。
最初から起こる予定だった、一定割合の一部として扱います。
この「予定通り」という感覚が、ミス後のメンタルを劇的に安定させます。
「85–15」を理解するとプレー中の思考はこう変わる
ここからは、実際のプレー場面で考えてみましょう。
例① キッチンでの簡単なボレーをミスしたとき
以前の思考
- 「なんで今のを外すんだ」
- 「流れを悪くした」
85–15を理解した後
- 「あ、15%が今来ただけ」
- 「次の85%を丁寧にやろう」
ゲーム序盤のミスを想像してみてください。
「最初にミスしたのだから、ここからはきっとうまくいく」
「本当に正念場の大事なポイントでミスしなかっただけ良かった」
このように捉えられれば、肝心な場面で修正できる可能性が高まります。
私自身、多くの緊張した場面で、この考え方に助けられてきました。
例② サーブミスをしたとき
サーブは、唯一誰にも邪魔されずに打てるショットです。
だからこそ「ミスしてはいけない」という意識が強くなりがちです。
しかし85–15の視点では、
- サーブミス=予定されていた15%
と捉えます。
いいサーブで連続得点が続いたときも、
「ずっと続けてやる」と力むより、
「よし、もう少し思い切って攻めてみるか」
そんな心の余裕が、さらなる連続ポイントにつながることは少なくありません。
「ミスしない人」が強いのではない
実際に強い選手を見ていると、
- ミスの数が少ない
という点ばかりに注目しがちですが、
- ミスのあとでもプレーの質が落ちない
- 表情やテンポが変わらない
こうした特徴があります。
これは技術以上に、
ミスをどう位置づけているかの差です。
85–15を理解している選手は、
ミスをしても自分を否定せず、次の1本に集中できます。
真面目な人こそ「85–15」を知るべき理由
生真面目で責任感が強い人ほど、
- 自分のミスを必要以上に責める
- パートナーへの申し訳「なさを引きずる
傾向があります。
しかしピックルボールは、
完全にミスをゼロにはできないスポーツです。
だからこそ、
「最初から15%は起こる」
という前提を持つことが、結果的にチームにも良い影響を与えるはずです。
今日からできる「85–15」の実践方法
最後に、すぐ使える形にしてみましょう。
- 試合前に心の中で言う
「今日は15%はミスする」 - ミスした直後に
「予定通り」とだけ心で処理する - ミス後の目標は
「取り返す」ではなく「表情を変えない」
私は、
「昨日は2本したこのミスを、今日は1本で済んだ」
とポジティブに捉えるようにしています。
「85–15」は心を整える技術
85–15のテクニックは、
- ミスを減らす魔法
ではありません。
ミスが起きたときに、自分を攻めすぎないための考え方です。
ピックルボールで安定している人は、
完璧な人ではなく、
不完全な自分を最初から受け入れている人なのかもしれません。
この考え方が、あなたの次の1ポイントを、
少しだけ楽にしてくれれば、こんなにうれしいことはありません。













