スイートスポット使い分け

スイートスポット使い分け

大阪から情報発信中の私「ピックル坊や」は、次のような自分の感覚的な部分を、ピックルボール上級者の方に聞いて確かめたことがあります。
パドルのスイートスポットでもやや先端側で打った時は、スピンがよくかかり、やや根元側で打った時は、ボールがよく飛ぶように感じるー。
これってはたして本当に正しいのでしょうか?
みなさんはどう思いますか?
先端と根元で違う?
改めてですが、「スイートスポット」とは、振動を最小限に抑えながら、最大のパワー、コントロール、そして心地よい打球感を実現する最適なエリアのことを言います。

世界ランキングトップに君臨するプロ、ベン・ジョンズ(Ben Johns) も、このスイートスポットの「わずかな調整」について、いくつか言及しています。
パドルにおもりを付けて重心調整をする際にも色々と工夫をしているようで「先端側で擦るように当てるとスピンが乗りやすく、根元寄りではフラットな飛びが得られる」と、考えているようです。
また相手の強打に対しては「根元側でしっかりと捉え、安定した返球を意識している」という趣旨の発言もしています。
ピックルボールのコーチや上級者の方に聞いても、スイートスポットの当てる場所によって、多少のスピン量や飛距離は変わってくるという意見が多いです。
物理的にも正しい
わずかな差にはなりますが、物理的にもパドルの先端と根元で打った場合に差が出ることは正しいようです。
まず先端側で打った際を考えます。
- パドルをスイングするとき、回転軸はグリップ寄りにあります。
- そのため、先端側の速度は根元側よりも大きい(遠心力の関係で円運動の外側ほど速い)。
- 速い速度でボールと擦れる → ボール表面に対して摩擦力が強く働きやすい。
結果として、先端寄りで打つ方がスピンをかけやすいとなります。
次に根元側で打った場合です。
- ボールを「まっすぐ飛ばす力」は、基本的にパドルの中心(スイートスポット付近)で効率よく伝わる。
- 根元寄りで打つと、パドルの回転半径が小さいので速度は遅い。
- ただし、根元寄りはグリップに近いので振動ロスが少ない。
- つまりスイングスピードは遅いが、安定して力が伝わる
結果として、先端より中央、根元寄りにかけての方が直線的に深く飛ぶと感じる感覚は間違っていないということになります。
実戦での使い分け
実際には自分の立ち位置、打ちたいショットなど、様々な要素を考えなければなりませんが、簡単に分類すれば、次のようなショットの意図的なスイートスポットの打ち分けが考えられます。
実戦での打ち分け例 | |
先端寄り | スピン系サーブ スピン系ドライブ スピン系ディンク |
根元寄り | フラット系サーブ フラット系リターン ブロック系のショット |
特にスピン系のサーブで、強く強烈なスピンをかけたい場合は、わずかに先端側で。
フラット系のサーブで、スピードや深さを求めたい場合は、わずかに根元側で。
私の場合は、そのわずかな意識な差が、結構うまくいっているような気がしています。
相手のショットが強烈だった場合、スイートスポットを外さず、振動ロスを抑えることが大事です。
これには、しっかりとボールまで近づいてスイートスポットの中央からやや根元よりに当てるという意識も役立つのではないでしょうか。
スイートスポットの確認法
パドルは形状、幅の広さ、厚み、メーカーの種類によって、それぞれスイートスポットは完全に同じではありません。
基本は中央ですが、そのゾーンの位置、大きさは微妙に変わります。
一般的に細長いパドルはやや先端側に、幅広や丸みのある形状では中央にあると言われていますが、必ずしもそうとは限りません。
コートや壁にボールを打ちつけて、その反発具合や、いい音がする箇所を確認してみてください。
良い飛びを感じコンコンと音がする場所は、誰でも簡単に分かるはずです。
それがスイートスポットの中心部分です。
おさらいです。
- 先端寄り=スピン(回転モーメントが大きく、擦り上げ感を出せる)
- 根元寄り=飛距離&安定性(反発力を効率的に伝える)
ぜひ練習中にパドルのやや先端側、やや根元側と意図的に打ち比べてみてください。
意外や意外、ショットの表現が、ワンランク進化するヒントが得られるかもしれませんよ。