プロの試合の統計を見る

プロの試合の統計を見る

これまでピックルボールにまつわる統計的な数字をよく持ち出してきました。
平均ラリー数は9回。
ベースラインよりネットでポイントが決まることがほとんど。
ウィナーよりミスの割合の方が多い。
そんな話は本当なのか。
今回、検証してみることにしました。
ミックス決勝で検証
10月12日に行われたバージニア・ビーチカップのミックスダブルス決勝戦
「ベン・ジョンズ&アナ・リー・ウォーターズ対JWジョンソン&ジョルジャ・ジョンソン」
の試合の全105ポイントを集計してみました。

試合はベン&アナ組がストレートで勝利しました。
▶「PPA」公式YouTubeより
①平均ラリー数は?
第1ゲームは37回、第2ゲームは31回、第3ゲームは37回の、計105回のポイントの行き来がありました。
ラリー数は1打目を1とカウント、3打目がネットにかかった場合のラリー数は3。3打目がウィナーに近いショット、4打目がパドルに触っただけのようなラリーの場合は4とカウントしました。
平均ラリー数を見ると
- 第1ゲーム=9.5回
- 第2ゲーム=12.5回
- 第3ゲーム=10.6回
- マッチ通算=10.8回
という結果になりました。
一般的にピックルボールの平均ラリー数は9回と言われていますが、
それよりも若干、長い10.8回のラリーが続きました。




①=プロから学べること
サーブミスはわずか1度 リターンミスは4度
3ゲームを戦って、サーブミスは第3ゲームでJWジョンソンが1度犯しただけ。
リターンミスはわずか4度。アナが1度、ジョルジュが3度。
両ペアとも男子プレーヤーは1度もミスしませんでした。
1-2ラリーの少なさからサーブ&リターンという基本の部分がいかに大事がよく分かります。
サードショットもわずか7度
サードショットのミスは7度。
我々レベルとくらべると、やはりかなり少ないです。
7度の内訳はドライブが4度、ドロップが3度。
選手別ではベンがドライブ1度、JWがドライブ2度、ドロップ3度、ジョルジュがドライブ1度のミス。
アナはきちんと攻めつつも1度もミスしませんでした。
プロの精度がいかに高いかが分かります。
ゲーム序盤にロングラリー
最長ラリーは第3ゲームの49回。
第1ゲームは35回、第2ゲームは39回と45回。30回以上に及ぶラリーは4度もありました。
うち3度が最終的にはウィナーで決まっています。
各ゲームの序盤5ポイントの行き来を見ると、第1、3ゲームは平均よりも非常に長かったことがよく分かります。
- 第1ゲーム=12,35,11,20,12
- 第2ゲーム=9,9,5,4,3
- 第3ゲーム=11,17,17,27,11

ゲームの勝敗をかなりの割合で決すると言われる大事な最初の4ポイントを奪うために、
プロがいかに集中しているかが分かります。
②ウィナー対ミス割合は?
ピックルボールはウィナーよりもミスの方が多いスポーツと言われます。
テニスのようにノータッチのウィナーではありませんが、プロであろうと、ほぼ返せないと思われるショットはウィナーとカウント。
完全なミスと言えるアンフェーストエラー、相手に押されたものの、プロであれば返せてもおかしくないだろうボールはフォーストエラー。ともにミスとしてカウントしました。
結果は
- 第1ゲーム=ウィナー46%、ミス54%
- 第2ゲーム=ウィナー55%、ミス45%
- 第3ゲーム=ウィナー41%、ミス59%
- マッチ通算=ウィナー47%、ミス53%
第2ゲームこそウィナーの割合が上回りましたが、
マッチ通算ではわずかにミスが50%を超えました。
プロであれ、
やはりウィナーよりミスで決まることの方が多いスポーツと言い切って良いでしょう。
②=プロから学べること
プロは意図感じさせるショットミス
プロでも半分以上ミスをします。ミスしても必要以上にクヨクヨすることはありません。
ですが、ミスの中でも、本当に凡ミスと言えるものの割合は非常に少なかったです。
相手の勢いに押されたもの、非常に繊細なショットを狙うあまりミスしたもの、スピードアップを仕掛けてミスしたものなどがほとんどでした。
同じミスでも意図のあるショットのミスはOK。
なんとなくしてしまったプレー、相手を楽にさせてしまうプレーは避けたいものです。
連続ウィナーの波
第1ゲーム最初の5本はすべて両ペアのウィナーで決着しました。他にも第2ゲーム中盤、第3ゲーム序盤、終盤と
勝負どころでウィナーの応酬が繰り広げられています。
プロは相手の出方を見つつ、勝負どころでウィナーを量産。
イッキにポイントを引き離そうとしており、対する相手もなんとか食らいつこうとしている様子が伺えます。
③ネットでのポイント獲得は?
ポイント獲得にはネットに着くことが圧倒的に有利とお伝えしてきましたが、
その割合はマッチ通算で86%となりました。
キッチンライン前の攻防で決着した場合はネット。キッチンラインから下がった状態、ノーマンズランドを含むベースライン付近での決着はベースラインとカウントしました。
- 第1ゲーム=ネット78%、ベースライン22%
- 第2ゲーム=ネット94%、ベースライン6%
- 第3ゲーム=ネット86%、ベースライン14%
- マッチ通算=ネット86%、ベースライン14%
第2ゲームに至っては94%。ほとんどがネットでポイントが決しました。
ベースライン側でポイントを挙げられるのは、サードショットを打たれた後、
リターン側がフォースショットを攻撃しようとするあまりミスするパターン
が大部分を占めました。
③=プロから学べること
4番目ショットまでの重要性
プロの場合は、ほぼ確実に4人がネット前に並ぶ陣形にまでは至っており、そこから勝負が繰り広げられています。
まずはネットに進む、このことがいかに大事かを教えてくれています。
サーブ、リターン、サードショット、フォースショットを磨き、
ラリー数が1-2、3-4で終わるパターンをいかに減らせられるかが重要です。
結論
今回の平均ラリー数は10回を超えましたが、
実はピックルボールで
最も多くポイントが決着するラリー数は5-6である、ということが分かっています。
今回の検証でもきっちりとその傾向に当てはまりました。
フォースショットまでをいかにうまく乗り切り、その後のポイントにつなげていくか。
自分にとって練習すべき必要なショットは何なのか、その順序立てを決めるのに、非常に参考となるデータとなったのではないでしょうか。












