スイッチハンドはありか?

picklebouya

あなたの周りには、ピックルボールで両手をうまく使っているプレーヤーはいませんか?

両手にそれぞれ2本のパドルを持つのはもちろんルール違反ですが、右利きのプレーヤーが左手に持ち替えて打つことには、なんのお咎めもありません。

今回は「スイッチハンド」戦法のメリットとデメリットを考えていきたいと思います。

スポンサーリンク

私が左手を使う時

私は時々ですが、キッチンでのディンクの際に左手を使います。

特に使うのは、予想に反してバック側の深い位置に落とされた時です。

もはやノーバウンドでボレーする時間はありません。

かといって一歩下がってバックで打とうとすると、

クロスステップで後方に下がらなければなりません。

よほどうまくリセットしないと、次のショットへの反応が遅れてしまいます。

素早く次のショットに移行することを重視するならば、キッチンでは、なるべくオープンスタンスを維持する方が得策です。

半歩下げてセミオープンで打つと不安定でコースも読まれやすくなります。

あわせて読みたい
キッチンでのフットワーク
キッチンでのフットワーク

こうなってしまった際、私はよく左足を半歩後ろに下げながら、

パドルを右手から左手に持ち替えて、フォアでリセットボールをセンター付近に返します。

こうすればセミオープンで打つことができ、次のショットに即座に備えることができます。

どうせリセットするなら、よりフットワークが楽になる手段を選ぼう、

という考えから左手を使っています。

左手を使う例はたくさん

私の場面は限られていますが、周囲には本来の右手だけでなく、左手にスイッチしてうまくショットを打っているベテランプレーヤーが比較的たくさんいます。

バック側に来たボールを左手に持ち替えてドロップしたり、

ミッドコートでバックに来たボールを、前進しながらフォアのドライブボレーをしたり、

キッチンでバック側に浮いてきたボールをフォアでスマッシュ気味に叩いたり。

バックで打とうとすると、1度右肩で「壁」を作る必要があり、

前進しながら打つのは、フォアよりも難しくなります。

打点を少しでも前目にすることができる、

いち早くキッチンラインへ前進しやすくなる、という利点を活かしているように感じます

両利きの選手

一般論としては利き手と逆の練習をするぐらいなら、バックのテクニック習得に時間を割いた方が良いという意見の方が強いのでしょう。

ですが、それに真っ向から反論するプロが、ジャック・マンロー選手(21歳=アメリカ=Jack Munro)です。

自らが両方の手を使える両利きの選手としても有名です。

まずは次の動画を見てみてください。鮮やかにパドルを左右の手で持ち替えて、キッチン前で素晴らしいショットを繰り出していきます。

10歳の時の骨折がきっかけ

次の動画ではマンロー選手が、今のプレースタイルになった経緯を詳細に語ってくれます。

3歳から野球に打ち込んで米国代表にまで選ばれていましたが、10歳の時に投げ過ぎで右肩を骨折。三角巾を着けて回復するまで3~6カ月の時間を要すと医師に告げられて落ち込むマンローを、父がピックルボールに誘ったそうです。

ラケットスポーツも初めて、左手でスポーツするのも初めてだったそうですが、3カ月後には違和感を感じることなく、自然とパドルを振れるようになっていたそうです。

ただ野球のピッチャーを長らくやっていたため、体をひねり上半身の動きを大きく使うオーバーヘッドのスマッシュやドライブは、やはり右手の方が使いやすいと感じていたそうです。

その後、学業とバスケットボールに専念し、18歳から再びピックルボールに本格挑戦するのですが、左利きの方が有利と感じ、左利きを中心した両手でのスイッチを選びます。

左手で食事をしたり、歯を磨いたり、携帯電話を使うなどの訓練も重ねました。

そして時間が経つに連れ、手を持ち替える動作はスムーズになり、

カウンターやサーブ、ドライブまで両手で打つようになったと語っています。

両手使いのメリット3点

マンロー選手は両手を使うメリットとして主に次の3点を強調しています。

実際にマンローが両手を広げるシーン。

50~70センチずつ左右に差がでるので、

両方合わせて1~1.5メートルも広がることになります。

これは実に大きいメリットです。

左右だけでなく、先ほどの我々の例のように、前後にも活用できます。

その分、フットワークの半歩、一歩が省略できます。

サーブの際は、右サイドからは右手で、左サイドからは左手で、外に追い出すサイドスピンをかけるそうです。

相手にしてみれば、どちらに打っても破壊力のあるフォアに持ち替えられてしまうので、弱点と言えるバックがなく、打つところに迷いが生じます。

ボールが体より背後側に行ってしまった場合、リーチの短いバックで足を踏み出して打つより、手を持ち替えて、フォアでカップディンクなどを打つことができます。

力が入りにくいバックハイにロブを打たれた際も、握り替えて通常のスマッシュをすることが可能です。

脳科学的にも左手を使った方が空間認知能力や運動制御能力が高まるという研究結果もあるそうです。

タッチショットなら十分あり

マンロー選手のようにサーブやドライブといったパワフルなショットにまで利き手と逆の手を使えるようになるのは鍛錬が必要でしょうが、個人的には

ディンクやボレーといったタッチ重視のショットなら十分対応可能だと感じています。

私はテニスで両手バックを練習する際、左手だけのスイングを繰り返したお陰で、左のフォアはほぼ苦も無く打つことができました。

マンロー選手は「もし自分の子供が産まれたら間違いなく両利きを勧める」「騙されたと思って2、3カ月練習を続けてほしい」と話しています。

咄嗟の時、スイッチハンドの最大の利点、「リーチの広さ」があなたを救ってくれるかもしれません。

「利き手の逆手で打つのもあり!」

頭の片隅に、そんな「次の手」を用意しておくのはいかがでしょうか。

About Me
ピックル坊や
ピックル坊や
勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました