パドル選び

パドルのザラザラ効果のほどは?

picklebouya

以前、「ピックルボールの回転はテニスほど強くなく、バウンド後はトップスピンの挙動になる」という話をしました。

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今回は 「パドル表面のザラザラによって回転は変わるのか?」 と、さらに 「パドルの角度によって回転はどれぐらい変わるのか?」 をデータとともに見ていきます。

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ある程度回転に影響する

パドル表面の「ひっかかり」は 摩擦係数(COF) で表されます。COFが高いほど、ボールがパドルにかかる力が強くなり、回転をかけやすくなります。

以下は「Tennis Warehouse University」のデータなどを元に、摩擦係数と回転数の関係を表した表です。

パドルの種類摩擦係数 (COF)回転数 (RPM)
公認パドル0.40約1400ー1600
非公認ザラザラパドル0.58約1700ー2000
サンドペーパー(違法)0.90約2200以上

表面をザラザラに加工されたパドルを使うと、回転は およそ200〜400 RPM程度増えることがあります。


違法ですが、サンドペーパーを使った極端に粗い表面では約2200 RPMまで到達可能です。

公認には厳格な基準がある

ですが、実際には、USAPA ピックルボールパドル性能基準には、以下のようなものがあるそうです。

  • 表面の粗さ(Rz)=平均最大高さ(ピークから谷までの高さ)が30 µm 以下、単一の測定値が33 µm 以下であること
  • 表面の粗さ(Rt)=最大高さが40 µm 以下、単一の測定値が44 µm 以下であること
  • 動摩擦係数(Kinetic COF)=0.1875 以下
  • 反射率(Gloss)=最大80 GU以下

摩擦係数に関しては、物体が滑っているときの摩擦係数となる「動摩擦係数」という基準を0.1875 以下に満たす必要があります。

正直単位や数字自体は、難しくて、よく分かりませんが、

このような厳格な基準を満たさないと公認パドルの印がもらえないということだけは確かです。

極端にザラザラなものはゲームのバランス、公平性を維持するため認められていないという訳です。

よって各パドルメーカーは基準を満たすギリギリの線を狙ってくると容易に推測できますよね。

これにより「スピン重視派へ」、「回転がかかりやすい」といった謳い文句も、

せいぜい200~400RPM程度の違いしか、差を生まないということが予想されます。

パドルより大事なのは「角度」

様々な実験結果によれば、 パドルの性能よりも、ボールがパドルに当たる時の角度の方が影響が大きいという結論が出ています。

角度ごとの回転数の目安は以下の通りです。

角度打ち方回転数 (RPM)
10°フラット1200ー1400
30°ややスピン1500ー1700
45°理想の角度1800ー2000
60°かなり厚め2100ー2200
75°極端に厚め2200以上
  • 浅い角度では回転は控えめ。ザラザラがあってもあまり変化が出ない。
  • 45°前後が最も効率よくスピンをかけられる角度で、回転数は1800〜2000 RPM程度。
  • 60°以上になると回転は増えるが、実戦では打ちにくさだったり、ミスが出る

ききんと理想の45°の角度でボールに接触できるテクニック、再現性があるとすれば、確かにザラザラな表面のパドルと、そうでないパドルでは200~400RPMの差が出てきます。

ですが、10°で当たった時と45°で当たったの時の回転数の差は600RPMと、それ以上です。

インパクト時の角度が不安定だった場合は、パドル性能よりも、スイング技術などのテクニックを磨く方が先決という結論に至りますね。

テニスとは違う

以前もお伝えしましたが、ラファエル・ナダルのような強烈なスピンで知られる名テニス選手の回転数は3000ー4000RPM。

ピックルボールの場合は、そもそも、その半分ほどしか出ません。

よって、テニスのように、強烈な回転数で高くボールをバウンドさせ、相手を後方に押しやるというような効果は望めません。

ボールの軌道に高さを出しつつ、キッチリコート内に収める、回転で相手を惑わす、といった程度の効果しか、期待できないことを、しっかり理解することは非常に大事です。

信頼できるスピンを作る近道は、パドル性能ではなく、スイングの再現性。自分好みのパドル選択は、あくまでその補助的な部分と考えましょう。

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勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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