ドライブ禁止ゾーンが存在した!?

ドライブ禁止ゾーンが存在した!?

今回はサードショットの判断について考えます。
あなたのサーブはナイスサーブ。リターンはキッチンラインとベースラインの間、いわゆるミッドコートに落ちました。
ここは攻撃、ドライブと思っていませんか?
特にテニス経験者の方に、その傾向が強いと思います。
私も以前はそう考えていました。そしてミスをすれば、自分の技術不足だと思っていました。
ですが、どうやら問題は技術ではなく「判断」そのものにある可能性が高いのです。
ベラミーの「金言」
今回、その認識を大きく変えたのが、男子トッププロのロスコ・ベラミー(Roscoe Bellamy)選手のアドバイスです。
次の「プロから学べる7つのコツ」と題した動画の中で、3球目について非常に重要な指摘をしています。
3番目の項目として5分50秒あたりから取り上げられています。
▶「Cracked Pickleball」YouTubeより
ピックルボールで最も魅力的なショットは、ボールがコートの真ん中で低いコンタクトポイントになった時です。
これは、ピックルボールのゲーム全体で最も低い確率のショットとなります。
考えてください。それはほとんど不可能です。ここからボールを打つと、ネットを越えるにはボールを上向きに打たなければなりません。 そして、上向きに打つとき、特にドライブであれば、ネットを越えるために少しパワーを加えてしまうことがあります。 だからそのようなショットとなった場合は、無条件にドロップ判断し、キッチンへと進むことです。
ドライブはミスを呼ぶだけ。迷わずドロップと、トッププロが明言しているのです。
なぜミスするのか?
冷静に考えると、プロの言い分はごもっとも。図で見たら明らかです。

赤の軌道を見て下さい。
低い打点からのドライブは、ネットすれすれを通過し、相手の胸元付近に浮き上がる軌道になります。
相手にとって絶好のカウンターチャンスです。
またボールを見逃されば、そのままアウトとなる可能性が非常に高いです。
アマチュアレベルではミスに助けられる場面もありますが、レベルが上がるほど、この種のボールは確実に仕留められます。
テニスの考え方に引っ張られ
ちなみにベラミー選手は大学テニス出身の元プロテニスプレーヤー。身長195センチの超大型プレーヤーです。結構なバウンドでも低い位置になるのでしょう。
「この位置は我々がポイントを獲得したくなる場所です」
「ですが、これは多くのピックルボール選手が犯してしまう大きな間違いです」
と、元テニス選手がよく抱く気持ちを代弁してくれています。

テニスでは浅い → 中に入る → 攻撃という成功体験が強く刷り込まれています。
ミッドコートに入った瞬間に「チャンス」と感じるのは当然です。
しかしピックルボールでは状況が異なります。
相手はすでに前に2人並び、コースは限定され、抜くスペースもほとんどありません。

大事なのはヒッティングポイント
ピックルボールはコートが狭いです。
テニスのような広いコート上での、スペースの取り合いという考えより、
ボールのコンタクトポイント、
いわゆる「高さ」で、攻撃できるか否かを判断することの方が多いです。

低い位置からドライブを打とうとすると
・ネットを越えるために持ち上げる
・それでもスピードを出そうとする
・結果 → 浮く(ポップアップ)
となります。
ミッドコート+低い打点。
位置としては「攻撃できそう」なのに、高さとしては「攻撃してはいけない」
このズレが無理なドライブを生んでしまっているのです。
テニスとは基本逆
ベラミーは逆にドライブを打つべき時、すなわちドロップを捨てる時として
次の例外を挙げています。
・強いリターンで後ろに押し込まれたとき
この場合は
ドロップが物理的に難しい→ ドライブでなんとかニュートラルに戻す、
としています。
ただし目的は攻撃ではなく、あくまでリカバリーです。
深いボールほどドライブ、浅いが低いボールはドロップ。
整理すると、判断はテニスとは逆になるという訳です。
ベラミーの答えをおさらい
サードショットのシチュエーションは他にもあります。
ベラミーはその判断をこう整理しています。
・深い → 攻撃しない
・低い → ドライブしない
・短くても低い → ドロップ
・短くて高い → 初めて攻撃
テニスのように
「どこにいるか」ではなく「どの高さで打つか」で判断する。
この切り替えがすべてです。
ミッドコートは即チャンスではありません。
条件を満たさなければ、そこは「ドライブ禁止ゾーン」になるのです。











