テニス経験者がピックルボールにハマる理由

テニス経験者がピックルボールにハマる理由

これまで「ピックルボールが始めやすい理由」→「ピックルボールはテニスより簡単」というテーマで書いてきました。このシリーズのラストとして「テニス経験者がピックルボールにハマる理由」を考えてみたいと思います。


テニス歴30年→ピックルボール転向の私「ピックル坊や」の実体験に基づいた話です。
①「もう限界かも」を受け止めてくれる
大学体育会を卒業してから10年ほど経ってから社会人週1プレーヤーを続けてきた私。
万年運動不足でしたが、「昔取った杵柄」のお陰か、テニスコートに入った時だけは、ある程度軽やかに動けていました。
それがガクッと落ちた、と感じたのが、50代前半。
ボールには追いつけますが、ベースライン後方から体を捻ってボールを飛ばそうという体勢になると、筋力の衰えからか腰に痛みを感じます。
冬場にフルパワーのサーブを打とうとすると、少しでもスイートスポットを外すと、肩に激痛が走り、恐怖感でなかなかラケットがフルスイングしにくくなりました。
無理すればなんとかできる。そう自分に言い聞かせはしましたが、やはり自然とコートに向かう足取りは重くなっていきました。
技術がようやく身についたのに、体がついてこない。
そう思った時に出会ったのがピックルボール。
自分の限界と感じる時期を、確実に後ろ倒ししてくれる。
その競技性に強く惹かれました。
②考え方や経験がそのまま転用できる
ピックルボールにおいて、テニス経験者は大きなアドバンテージがあります。
テイクバックの大きさを除けば、ドライブショットをはじめとする多くの技術が非常に似ています。
ほかにもクロスとダウンザラインの打ち分け、センターケア、相手のパドルや体勢を見てコースを読んだり配球を変える視野的感覚、そして何よりダブルスでのパートナーとの距離感や戦術。
多少の修正は必要ですが、これら多くの要素が、そのまま使えます。
パワー一辺倒ではなく読み、経験がモノをいう感覚が、非常に楽しく感じられます。
テニスでダブルス巧者のベテラン勢と対戦した時、緩急やアングルを使われ思わず「上手い!」と感嘆の声を挙げることありますよね。
「これは頭脳戦になるぞ」と覚悟して、不思議とワクワクするような感覚に似ていると思います。

プロの試合を観ていて楽しいという要素にもつながります。テニスのように5時間マッチになるようなことはありません。どのシーンを切り取ってもテニスのダイジェストプレー集を観ているような感覚です。
仲間のプレーを見ていても、ボールはすぐに拾われるので、あまり余計な間を感じない、テンポ感があります。
③ネット前の距離感が緊張度を増す
テニスだと、思い切ってネットに出てもワンショットで左右を抜かれることもあります。そこまでの展開を作る時点でミスしたりすることも多いでしょう。
ですが、ピックルボールの場合は、キッチンラインまで進んでのネット前にこそ、勝負の醍醐味が詰まっています。
テニスではダブルスでたまにしか起こらない「反応勝負」、いわゆる「ファイアーバトル」の場面が頻繁に起こります。
相手の視線、息遣いを感じながら、スピードやコースの読み合いをするのは、たまりません。
チャンスボールを見つつ、相手が「シマッた」という顔をしているのに気づきながら、ウイナーのショットを打つのは、互いに笑顔が弾ける瞬間です。
他にもディンク合戦があります。テニス経験者が、はたから見ていると「何が面白いの?」と最初は思うかも知れません。ですが、1度体験してみてください。
「あれ思ってたのと違う?」「この異常な緊張感は何?」「急にスピードが上がったら反応できない!」といった、不思議な現象をきっと面白いと感じてもらえるはずです。
ダブルスが好きな「ダブラー」こそ、大いにハマるはずです。
④パワーに対抗できる手段がある
テニスでは相手のボールの重さ、速さに反応できない。パワーで押し切られ、フィジカルの圧倒差はどう見ても簡単には解消できない。スコア的にも、6-0,6-0で完膚なきまでにやられてしまう。
そんな試合での屈辱体験も、年齢を重ねると、どうしても感じてしまう場面も多くなるでしょう。
ですがピックルボールではパワーやフィジカルで劣っても対抗する手段が、間違いなくテニス以上に多くあります。
サーブ1本、3球目のフォア1本で、手も足も出ず決められる、なんてことはほとんどありません。
スローテンポの深いリターンを打って、ネットで勝負する。サーブ後には確実なドロップショットで展開を作る。相手の読みを外す。
ハードに打ちたがる「バンカー」と言われるプレーヤーに、対抗する手段があります。
若さを老獪さで退けることができた時は、かなり気持ちいいです(笑)。
⑤納得できる敗因がある
テニスのダブルスでは、どうしても自分のサービスゲームを落とした、自分の方がリターンミスが多かったと、ペア内で優劣や出来の良さを判別してしまう傾向が強いと感じます。
ですが、ピックルボールの場合は、浮いたボールを先に打った自分が悪い、リターンが甘くなった分、パートナーの反応が遅れた、と素直に思うことができます。
まさに2人での共同作業です。
納得できる敗因は、誰かのせいではなく、
あのポイント、あのショットと明確に答えることができるのも、大きな魅力だと思います。
反省→修正→再挑戦。
このサイクルを繰り返すことができるのは、テニスを覚えたての頃、夢中になった時期の熱中度と重なるような気がします。
テニスができない「逃げ」ではない
ここまで振り返ると、ピックルボールは「テニスができなくなったらやるスポーツ」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、私がピックルボールは、やはり楽しいんだと感じたエピソードがあります。
私が通うスクールに社会体験で来ていたバドミントン部やソフトテニス部と思しき中学生たちが、こう口にしていたのを聞いた時です。
「バドミントンやテニスもいいけど、ピックルボールって楽しいと思わない」
「最初から打てるし、面白い」
ピックルボールがテニスより先に誕生していれば、きっと今の世間の見方も変わったことでしょう。
ピックルボールはテニスの代替ではなく、次の一手。
そうそうピックルボールにハマる理由に、
これからきっと来る!という「先取り感」も入れておきましょう。











