トランジションゾーンでのリセット

トランジションゾーンでのリセット

ピックルボールで最も苦しい局面の1つが、ミッドコート、いわゆるトランジションゾーンでのプレーです。

この位置に下がらざるを得ない状況、もしくは足止めを食らった状況を作られ、相手に上から強く打たれると、ディフェンスするのはより難しくなります。
今回は、この釘付けにされるような場面を、どう乗り切るべきかについて考えたいと思います。
打ち方のコツ
今回は次の「Selkirk TV」の動画を参考にさせてもらいます。
この動画で指導者が伝えているのは「ボールを受けるだけでなく、きちんとコントロールして、相手のキッチンに落とす」技術です。
▶「Selkirk TV」YouTubeより
①ロフトを作る
最初に必要なのが、パドルの向きに関して
少しオープンに開いて構えることです。
言い換えるならば、
ロフト(上方向の角度)を作り、パドルをボールの下に入れることです。
これによってボールの勢いが上方向に逃げます。
- スピードが落ちる
- 軌道が緩やかになる
結果として
キッチンに落ちる軌道が作れるという訳です。
②スイングしない
少しでも浮けば、相手は上から打ち下ろしてくる状況です。
このショットに対してカウンターを打つのは、ほぼ不可能です。
当然、うまくドロップできれば、すぐにキッチンラインへと上がるのですが、あくまで最優先すべきはディフェンス、リセット。
相手からのボールに対して「打つ」意識はあまり必要ありません。
- テイクバックなし
- フォロースルー最小限
気持ちは 当てるだけ。
スイングしないでブロックする意識が大事になります。
③グラブでキャッチするように
振らないのはもちろんですが、さらにパドルの動かし方に関して
「グラブで捕るように受ける」
というアドバイスも、動画内では行われています。
以前、バレーボールのレシーブの要領という例えをご紹介しましたが、似たような表現ですね。

強打に対して、通常通り弾いたり、押し返すという動きをすると、相手のボールの威力をそのまま返してしまうことになります。
それでは距離が出てしまい、相手に再び上から攻撃される可能性が高まります。
必要なのは弾くのでなく、1度受け止めることです。
野球のグラブの芯、いわゆるスポット部分にすっぽりと収まるように、速いボールの勢いを吸収するような動きが必要です。
- インパクトで少し後ろに逃がす
- 衝撃を吸収する
こうすることで、相手からのボールのスピードを少しでも落とします。
④面でコントロールする
高さや方向は
スイングや回転ではなく、パドル面で作るという意識が大事になります。
- ロフトで高さ
- 面の向きで方向
を決めます。
これが最も一貫性を出せる方法と考えていいでしょう。
ノーバウンドかバウンドか
さて、ここまでは理解できたとして、ここで私がぶつかった「壁」をご紹介します。
それはノーバウンドで打つ面の角度や向きの感覚をつかんだと思ったら、
バウンドせざるを得ないボールが来ました。
ボールはワンバウンドすることによって勢いが失われていますから、同じ感覚で吸収しようとすると、ネットミスが途端に増えてしまいます。
逆にワンバウンドさせた際の感覚を大事にしようとすると、
今度はノーバウンドで打った時に一気に距離が出て叩かれてしまいます。
ノーバウンドで打つか、なんとかワンバウンドさせるか。
みなさんは、この「境目」で悩んだ経験ありませんか?
ノーバウンドで取ることを優先
以下、私なりに考えた感覚的コツです。
やはり膝から下あたり、ノーバウンドで取ることを最優先し、まずはそこに集中します。
つまり、パドルは前へは動かさず、相手のボールの勢いを吸収する意識です。
当然、膝より上なら相手ボールがアウトになる可能性がありますから、その判断も忘れてはいけません。

その後、予想より手前にボールが来て、ワンバウンドするしかないと判断したら、パドルにボールが当たる瞬間、わずかに前にプッシュします。
ネットミスするよりはマシ、まずは返球に重きを置きます。
うまく沈めば前へ。無理ならもう1度、ノーバウンドで取る意識へ戻る。
この繰り返しです。
ワンバウンド優先では無理な時
逆にバウンドさせることを優先させていたらどうなるか、考えみましょう。
この場合、最初から、ややプッシュの意識が強くなります。そして、ノーバウンドで打たされるような、やや深いボールが来た時、そのまま押し出すと、ボールは強く飛び出し、完全に相手のチャンスボールになってしまいます。
判断する時間は一瞬しかありません。この時間内で、パドルでボールをプッシュせず、キャッチする方法へと転換するのは、ほぼ不可能です。
しかし、ノーバウンドで打つことを前提に、
しっかりブロックする意識でいて、
ワンバウンドにせざるを得ない状況になった時だけは、少し押し出す。
この順序なら、わずかですが、まだ時間的余裕を作り出すことができます。
相手のパドルを見て考えること
当然、ベースライン付近にまで下がる時間があれば、ワンバウンドさせた方が返球できる可能性は上がるでしょう。
自分の位置、浮き上がったボールとのタイミング、相手のスイング、パドルの向きなどをしっかり見て、
どこで相手の攻撃を待ち受けるかを判断しましょう。
そして結果、トランジションゾーンにとどまるしか時間がなく、相手のパドルが上から攻撃してくる状況ならば、ワンバウンド、ノーバウンド、両方の可能性があります。
その場合はまずノーバウンド優先と、きっちり順序立てて備えることが大事になってきます。
反復練習が不可欠
このポジショニング、パドルで吸収のテクニックは感覚に頼る部分が多いので、反復練習は不可欠です。
次の動画では、リセット側が2球キッチンライン内にボールをリセットできたら、攻撃を激しくするドリルを紹介しています。
圧倒的にキッチンライン側が有利なので、リセット側に3ポイントアドバンテージを与え、7点先取というゲームとしています。
▶「Tyson McGuffin Pickleball」YouTubeより
トランジションゾーンでのリセットは、いかに相手のスピードを上手く吸収して落とすかという非常に難しいテクニックです。
1つでも新たなコツをつかんだり、新たな発見があるように、日々、繰り返し練習しましょう。











