ピックルの基礎知識

プッシュドロップとは?

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ピックルボールの「ドロップショット」とは、テニスのドロップショットと違って、ネットに詰めた相手の足元に落として、自らがキッチンラインに進むショットのことを言います。

その方法には、様々なショットの種類があります。

今回は2回連載の1回目。ドロップショットとは何なのか? その最もベーシックな打ち方「プッシュドロップ」とは、どんな時に効果的なのか? についてご説明したいと思います。

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まずはおさらい

まずは初心者の方のために、ピックルボールの3球目までの流れを、改めて確認しておきましょう。

  • 1球目はサーバー側からサーブが放たれます
  • 2球目はリターン側がワンバウンドでリターンします
  • 3球目はサーバー側がここも必ずワンバウンドさせて返球します

サーブ&ボレーはできず、必ずワンバウンドさせるというのはピックルボール特有の「ツーバウンドルール」のためでしたね。

ツーバウンドルールとは?
③ピックルボールの基礎ルール
③ピックルボールの基礎ルール

ワンバウンドはさせなければなりませんが、打つショット自体は自由です。

もちろんロブでも構いません。

ですが、相手にダイレクトで打ち返してボレーさせるドライブか

足元に緩く沈めるドロップか

この2つが主な選択肢になります。

3球目ならサードショットドロップ

3球目で沈めた場合、ノンボレーゾーン(通称キッチン)まで進むことが最もノーマルな戦術となります。

これを「サードショットドロップ」と言います。

サードショットとは?
サードショットって何?
サードショットって何?

ドライブを打った後、ボレーで返球されたボールで沈めて前に進めば「フィフス(5番目の)ショットドロップ」という訳です。

そして、このドロップには様々な打ち方があります。

主なドロップの種類
左右種類難易度安定度
フォアプッシュドロップ
トップスピンドロップ★★
スライスドロップ★★
ドリップ★★★
バックプッシュドロップ★★
トップスピンドロップ★★★★
スライスドロップ★★

その最も簡単で一般的な打ち方とされるのが、プッシュドロップという訳です。

ドリップショットとは?
はやりのドリップショットって
はやりのドリップショットって

最も安定感があり安全

前置きが長くなりましたが、プッシュドロップとは、スクエアかオープン気味に構えたパドル面でロフト(角度)を付け、そのまま直線的に持ち上げるように打つショットです。

本場アメリカのMLPで活躍中の船水雄太選手の動画をお借りします。

このようなショットです。

船水選手は、ややスピン気味に見えますが、スライスのように若干アンダースピンをかける方法もあります。その場合も回転数は少なく、トップスピン(ロール)やスライスに比べれば、やや守備的なショットになります。

ただし、パドル面が大きく動かない分、安定性があり、ボールスピードも遅くなるため、自らが前に進むための時間を確保することには、非常に適しています。

最も安全で安定感のあるドロップと言い切って良いでしょう。

打ち方のコツ

フォアハンドのプッシュドロップの打ち方についてまとめておきましょう。

グリップは強く握る必要はありません。10段階で強さを分けるとしたら3~4割程度です。コンチネンタルグリップが推奨されますが、人によってはイースタングリップでも可能です。

グリップの種類
グリップを考える①
グリップを考える①

体の前、常に同じ位置でボールを捉えられるようにしましょう。

深いリターンをされた場合も、下がりながら打つのではなく、常に前に踏み込んでから打つことを意識しましょう。

後退しながら打つとコントロールするのが非常に難しくなります。

スライスの場合は、高い位置から下に潜り込ます軌道を描きます。動きが大きい分、タイミングを合わせるのが難しくなります。

ですが、プッシュの場合は、そのタイミングのズレによるミスが大きく軽減されます。

パドルをややオープン気味にして、ボールに真っ直ぐ当てる時間が長いため、タイミングエラーが起こりにくいのです。

テイクバックは必要ありません。

パドル面を横にして押し出すだけです。

手首も使いません。

無理に回転をかけようとしなくてOKです。

肩を支点に腕を動かしますが、最も使うことを意識するのは脚です。

私もプッシュドロップを最初に教わった際に受けたのは、次の動画にあるようなアドバイスでした。

ボールを下手から、そのまま前方に相手キッチンに落とすように、トスして投げるというものです。

実際に打つ際はパドルは腕と手首でL字型になるように固定して優しく投げるように打ちます。

私の感覚だと、ヒットするというよりボウリングのボールを転がすイメージです。

体全体を使った自然で無理のないスイングができます。

次のリチャード・リヴォルネーゼ・ジュニア氏の動画では、特定のスタンスにはあまりこだわらず、オープン、セミオープン、時にクローズドと、使い分けていると話しています。

初心者の場合は、クローズドが最も安定するでしょう。

相手のバック側、右利きプレーヤーの場合は左足を狙うようアドバイスしています。

ダブルスの場合は2人の選手の間に落とすことも有効です。

1ショットでキッチンへ進める

また同氏は、意外と見落としがちなプッシュドロップの大きな利点を的確に指摘しています。

我々はプッシュよりも攻撃的な、トップスピンドロップ(ロールドロップ)やスライスドロップを用いがちです。

ですが、それだとスピードも出て一貫性も失われることが多々あります。その分、「ノーマンズランド」いうベースラインとキッチンラインの間に立ち往生してしまうことが多くなります。

ノーマンズランドとは?
ピックルの格言を信じるべきか
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それに比べて、プッシュの場合は、確実にペースダウンして沈められる可能性が高いので、

1度打つだけでキッチンラインに進めることが多くあります。

「このショットの本当の目的は相手にミスさせることではなく、キッチンに進むことです」

と同氏は訴えています。

少ないリスクで、相手と互角なポジションを手に入れ、ある程度のプレッシャーをかけることができるという、メリットは大きな魅力ですね。

緊張の場面で必ず必要

ミスしてプッシュが多少ロングになったとしても、スピードは緩く、低い弾道になる分、トップスピン(ロール)やスライスほど1発で決められる可能性は、そんなに高くないでしょう。

同氏は次のような言葉で動画を締めくくっています。

「特に緊迫している時はドロップをプッシュしてシンプルさを維持することに務めましょう。

常にクレージーに回転するものに挑戦する必要はありません」

本当にその通りですね。

もう1度プッシュのメリットを見直しておきましょう。

  • 最も一貫性がある
  • キッチンに進みやすいスローテンポ
  • ミスしても、次のショットでリカバーできる可能性が残る
  • 非力なプレーヤーがバンカー相手や男性相手に効果を発揮

守備的なショットと見られがちですが、互い緊張するような大事な場面では、

相手に嫌なプレーを強いる「攻撃的なショット」にもなり得ます。

ここぞのプッシュの「威力」を、決して軽んじてはいけませんね!

次回はトップスピン(ロール)とスライスドロップについて見ていきます。

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ピックル坊や
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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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