深いリターンを打つコツ②

深いリターンを打つコツ②

前回、なぜスピードや威力よりも「深いリターン」を打つ方が得策なのかについて段階を踏んで考えてきました。

今回は、深く打つ、そのポイントについて、解説していきます。
立ち位置①:ベースラインより後方
まず最初のリターン前のポジションについてです。
ベースラインから1~2m後ろに立ちましょう。
相手のサーブに威力がない場合は、ベースライン近くに少し前進して下さい。
ベースライン上に立つプレーヤーも見かけます。
ですが、サーブが深かった場合、1度ステップバックしてから、もう1度踏み込んで打つ方が、テクニック的にははるかに難しくなります。
明らかに相手が初心者で距離を出すサーブが打てない場合は別ですが、まずはベースラインより後ろに立ち、次に相手のサービスフォームを見ながら、コース、深さをある程度予測しつつ、半歩前進することをおすすめします。
ここで必ずスプリットステップを踏みます。
タイミングは相手のボールがバウンドする前です。フォア、バックどちらで打つかを判断し、スイングしていきます。

立ち位置②:フォア側をやや広く
まれにバックの方が得意のプレーヤーもいますが、
多くの場合、威力のあるフォア側をやや広く空けて構えるプレーヤーの方が多いです。
この方がバックを狭く見せることができます。
それでもしつこくバックを攻められるようなら、逆に中央に寄りバック側をやや空けて誘い込み、フォアで回り込んでみるのも良いでしょう。
スイングから先は技術的なものですが、このポジショニングの部分は、簡単にマネできるものです。
1歩前進して、ボールの真後ろに入ってタイミングよく打てるようになる、
最初の立ち位置を、前後左右少しずつズラしながら、探しましょう。
まずは自分なりのベーシックな立ち位置を設定します。
対戦中、それでは、どうしてもしっくり来ない場合、常に同じでなくても構いません。
相手の利き手、サーブの威力、コース、球種の傾向などを見ながら、普段の位置から変えていくのも、工夫の一つです。
スプリットステップ→ステップインする
相手のサーブの深さに対応して半歩~1歩前でスプリットステップを踏みます。
その後、フォアなら右足、バックなら左足にしっかりと体重を乗せて、上半身をひねります。
そしてボールの場所に合わせて、先ほどの軸足とは逆の足を前に踏み出していきます。
この動作のことを「ステップイン」と言います。

かなり浅い時のフォアはクローズドスタンスでも構いませんが、私は多くの場合オープンで打っています。バックの場合はクローズドで打っています。
次の動画のスプリットステップからステップイン、スイングまでの流れが参考になります。
体勢は常に低く、スタンスは肩幅よりかなり広いことが分かりますね。
この下半身の地面を蹴り出す力が、深いリターンの大きなパワーの源となります。
▶「ThatPickleballGuy」YouTubeより
ワンテンポ止まって打つ
ヒットした後は、一刻も早くキッチンラインへと向かいたいところです。
ですが、パワーを貯めず、走り打ちでボールに衝突してしまっては、一貫性が大きく損なわれてしまいます。
表現が難しいですが、「走りながらも、ワンテンポ止まって打つ」感覚が大事です。
次のタナー・トマッシ選手のショート動画では、よくある失敗例として次の2点を挙げています。
- 止まって打つ→キッチンへたどり着くのが遅すぎる
- 走りながら打つ→コントロールができない
そして正解として
「最初の1歩目のステップとヒッティングのタイミングを合わせる」というコツを述べています。
小さなテイクバックで軸足に体重を乗せた状態で待ち、踏み出しながら体ごとヒットすることで、パワーと一貫性の両方を保持しています。
▶「tanner.pickleball」YouTubeより
私は軸足を乗せた状態で「イチ」と心の中で声掛けしキチンと止まる意識を持っています。
そして「ニー」で進みながら、ボールを打ち出しています。
深く見せる工夫
サーブを深くするコツでも同じようなことを述べましたが、ベースラインぎりぎりに常に深いリターンをするのは、やはり一筋縄では行きません。
深く打ちたいのはもちろんですが、ミスすれば、その時点でポイントを失うのが、サイドアウト制のピックルボールの特徴でもあります。
実際に深くするだけでなく、深く見えるように工夫するのも大事です。
深いリターンは
- ①センター(中央よりやや右、左サイドのフォアか右サイドのバックか迷う所)
- ②サーバーの左足元(後退してバックを打つ場所)
- ③ストレート、サーブを打ってない方(返球コースが限定され比較的守りやすい)
の3方向が基本です。
しかし、私は、サーバー側のアングル、サーブを打ってない方のショートリターンと、ゲームの中で何本か混ぜるようにしています。

サーブを打った後、ワンバウンドさせることを考えているサーバーサイドは、前への意識がおろそかになることがあります。そのスキを突くのです。
このもう1つのオプションとも言える、浅いリターンを1度見せておけば、
相手は前のスペースも意識せざるを得なくなります。
このもう1つのコースを意識させることで、ある程度深いリターンで十分、相手に深く感じさせる効果があるというわけです。
深さとクオリティーを重視して
プロや上級者はサーブとリターンのミスは1試合でほんの数本で、ラリーが1~2本で終わることはあまりありません。
中級者以上を目指すなら、
最低限キッチンラインにたどり着くところまでは、確実に行えるようになりたいものです。
速さや威力は後回しにして、まずは深さ、そして次にバウンドしてから相手にとって打ちにくいボールとなるようなショットクオリティーの高さを目指して、リターンの精度を高めていきましょう。











