おもりでパドル調整 完全版

おもりでパドル調整 完全版
ピックルボールのパドルの重さは、ほとんどが230g程度だそうです。
テニスラケットが280~320gほど。
グリップから先端までの長さが短い分もあってか、やはり軽く感じられますよね。
パドルにおもりを付けた場合、どのような効果があるのでしょうか。
また、それも付ける場所によってかなり効果が変わることを、ご存知でしょうか。
以前もご紹介しましたが、かなり大まかだったので、今回は完全版としてオススメの装着位置を細かくお伝えしていきたいと思います。

パドルの感覚が少し物足りない時
初心者はスイートスポットが大きい方がいいと勧められて幅広のパドルを購入したけれど、どうもパワーが物足りない。パワー重視で細長のパドルを購入したけれど、スイートスポットを外した時、どうも思った方向に飛ばない。
そんなパドルに関するちょっとした、お悩みはありませんか?
新たにパドルを購入するのも1つの手段ですが、ちょっと待ってください。
1度、おもりを付けることを試してからでも遅くないのではないでしょうか。
また気に入ったパドルでも、あともう少しパワーだけが物足りないなんてこともありますよね。
そんな時、ぜひ自分なりの工夫で最高のカスタマイズを実行してみてください。
付ける部分で差が出る
少しだけ難しい話になってしまいますが、本質的な部分を少し理解した方が、分かりやすいと思いますので、しばらくは物理的な話にお付き合いください。
パドルの重さを考える場合、静的な重さと動的な重さの2種類があります。
静的な場合は、ただ持った時に感じる重量。動的な場合は、スイングした時に感じる重量です。
上部に付けた場合
まずはパドル上部におもりを付けた場合を考えてみましょう。
グリップエンドから距離の遠いパドル先端部におもりを加えると、バランスがヘッド側にわずかに動き、ヘッドスピードが上がります。
ハンマーの重い先の部分を柄を持って振ると考えれば、パワーが出るイメージがつかみやすいと思います。
ただその分、パドルは重く感じます。グリップから遠い、先であればあるほど重いです。
よって単純に付けたおもりの重さ以上に、スイングした際の操作性は損なわれます。
ですが、きちんと体全体を使ったしたフォームでのスイングができていたり、そもそも素早く反応できていて、筋力もあり、ハンドバトルに自信があるような場合は、どうでしょう。
操作性より、パワーアップのメリットの方が上回るケースはありそうですよね。
これを目指して
トップヘビー、トップウェートが高い、などと表現される状態を作るのです。

側面や下部に付けた場合
一方でパドルの両サイドや下部に付けた場合を考えてみましょう。
スイートスポットを外した際、少なからずパドルは左右に歪みます。
ですが、側面におもりを付けることで、その振れ幅を緩め安定感を出すことができます。
これによりコントロール性能が上がり
スイートスポットが横に広がったような感覚が得られるとされています。
パドルを左右に揺らすようなスイングをイメージしてみてください。おもりが加わればパドルが安定しますよね。
トップライト、ツイストウェートが高いなどと表現される状態を目指しての改良となります。
★スイングウェイト
パドルを振った時の重さ。スイングウェートが高いほどパワーと安定性は増しますが、ネットでのハンドリングは悪くなります。スイングウェートが低いほどパドルのスピードと操作性は向上しますが、ショットのパワーが失われる可能性があります。
★ツイストウェイト
センターを外したショットを打った際にパドルがねじれにくくなる程度です。ツイストウェートが高いほど、パドルは安定し、スイートスポットも広くなります。ツイストウェートが低いほどパドルの操作性は上がりますが、オフセンターショットではねじれを感じやすくなります。
カスタマイズ具体例
では具体的に、どのような効果を狙って、どの箇所におもりを貼っていけばよいかを考えます。
以下はオススメの例です。
1.先端1カ所
パドル自体かなり感触が良いが、少しだけボールにパワーを加えたい。
少しだけトップヘビーにしたい。
そんな場合にオススメなのが、先端部分に1カ所おもりを付けることです。
時計で言えば12時の位置ですね。

グリップエンドから一番遠い位置におもりを付けるわけですから当然、ヘッドスピードは従来より加速しやすくなります。
若干重くは感じるでしょうが、おもりを付けるのは1カ所だけなので、2カ所に付ける重量の半分になります。
操作性はわずかに損なわれるでしょうが、おもりが軽い分、それほど違いは感じないのではないでしょうか。
2.先端2カ所
次はパドルの上部に左右バランスよく2カ所おもりを付けるパターンです。
「1」のおもり1カ所よりも、
もう少し重く、よりトップヘビーにしたい場合に検討してみてください。
1カ所のおもりの重量をあげるのも良いのですが、左右に付けることでバランスも維持できます。
必ず左右同じ位置を狙って貼るように気をつけてください。
時計で言えば、1時と11時の位置ですね。

パドルの、大抵の場合湾曲している部分、斜め角の部分に貼るのが良いでしょう。
1カ所よりも重くなるので、よりヘッドスピードの加速が見込めます。
打ち出したボールにも、かなりのパワーを実感できるでしょう。
ただその分、パドルの重量を重く感じ、操作性は劣るので、その兼ね合いが大事になります。
しっかりフォームが固まっており、肘や手首の故障の懸念もないというプレーヤーにはオススメです。
3.両サイドに
次はパドルの両サイドにおもりを付けるケースです。
コントロール性能を高めスイートスポットを大きく感じるようになる効果を狙います。
パドルの左右同じ位置に貼るようにしてください。
ちょうど中間の位置に貼ることでバランスの良い重量アップが見込めます。
時計で言えば、3時と9時の位置です。

安定感が増し、スイートスポットがワイドに広がった感覚が得られるでしょう。
相手のボールに押し負けないパワーを少し加えながら、操作性も維持したいというオールラウンダーを目指すプレーヤー向きです。
縦長ロング形状のパドルを購入した場合、横広なパドルに比べ、パワーはあるが、スイートスポットはやや小さくなるというのが、一般的な、とらえ方です。
縦長形状の両サイドにおもりを付ければ、パワーとコントロール、両方の良いところを兼ね備えたパドルにカスタマイズできるかもしれません。
4.斜め下部に
次にパドルの下部、グリップに近い部分2カ所に貼るパターンです。
先ほどの「3」で両サイド2カ所におもりを付けた時以上に、
操作性をほとんど変えず、スイートスポットを広げる効果を狙いたい時に行います。
時計で言えば、4時と8時の位置です。

両サイドよりグリップに近い部分におもりを貼るので、パワーが出る効果はやや劣ります。
ですが、手元に近い部分を重くしているので、少々スイートスポットを外しても安定感のあるショットを打つことができます。
同じ理由で操作性もほとんど犠牲にすることはありません。
こちらも細長形状など、トップヘビーのパドルを購入していた場合、そこに安定性を加えた、バランスの良いカスタマイズになる可能性があるでしょう。
5.上下角の4カ所に
最後に上部と下部の両方の角、4カ所におもりを付けるパターンです。
4カ所なのでかなり重くなり操作性は失われますが、
腕っぷしに自信があり、パワーと安定性の両方を求めたいプレーヤー向けです。
時計で言えば、1時と11時、4時と8時の位置です。

もともとパドル自体の重みが足りないと感じているプレーヤー、しっかりとパドルを振れるプレーヤー、手首や肘の負担を感じていないプレーヤーは、試してみる価値はあるでしょう。
いきなりやらず、故障のリスクを考えて徐々に重くしていってください。
おもりの種類
ここからは、付けるおもりの種類について見ていきましょう。
鉛リードテープ
最も古くから使われているのは鉛のリードテープです。
誤って経口摂取してしまった場合、毒性があるので、貼った後は上に絶縁テープやエッジガードで直接触れないようにしておく方が安心です。
大概の場合、1/2インチテープがパドル形状に合います。
16mm以上の厚いパドルには、3/4インチのテープも検討しましょう。
0.5g/インチ、1 g/インチ、2 g/インチなどの重量があります。
1インチは2.54cm。
1インチあたり1gのおもりなら、7.62センチで3gの重さになります。
まずはこのあたりで様子を見ることをオススメします。
タングステンテープ
鉛テープに比べ、少々値段は張りますが、ピックルボール用の非毒性で安心できるタングステンテープも販売されています。
長さ調節により、カスタマイズ性が高いのが特長です。
プレカットタイプ
初めておもりを付けるような場合、
すでにカットされた状態で販売されているプレカットタイプがオススメです。
1つ3gに設定されていることが多いです。
ものによっては1度貼った後、ズラして貼り直すことができる、粘着性の高いものもあるので、何度か試してみたい場合は便利でしょう。
まずは緩やかに調整を
最後に、どれぐらいのおもさで調整していくかという点ですが、
無理せず使いこなせる範囲から行っていきましょう。
最初にピックルボールのパドルは230g程度とお伝えしましたが、私のパドルは現在242gです。
テニス経験者でスイートスポットのやや先端寄りで打つことが多いので、ややトップヘビーに調整しています。
まずは3gのおもりを1~2枚。
それもいきなり極端にトップヘビーやトップライトにするのではなく、具体例でご紹介した「1」や「3」、パワーと安定性のバランスの取れたポジションから試してみてください。
それで感触が良くなっている、もう少しパワーがほしい場合は「2」や「5」、もう少し安定性がほしい場合は「4」と、徐々に試していくことをオススメします。
操作性の良さを担保したい場合、人にもよりますが、目安としては総重量270g程度までで抑えた方が良いのではないでしょうか。
ただ繰り返しになりますが、同じ重さでも、おもりを貼る場所によってスイングウェイト(縦振りした際に感じる重さ)、ツイストウェイト(横振りさせた際に感じる重さ)は大きく変わってきます。実際に振った時の感じ方を重視してください。
実際どれぐらい変わる?
最後に実際のところ、どれぐらい変化が出るかという点について、ヒントになる動画をご紹介します。
以下のピックル用品店のYouTubeではおもりの貼る位置ごとに、スイングウェート、ツイストウェートそれぞれの数値を出してくれています。
▶「Pickleball Warehouse」YouTubeより
1例ですがヘッド先端に6gのおもりを付けた場合、6%スイングウェートが増加してます。
この数値は一般的に10%増減すれば、用具に鈍感?なプレーヤーでも明らかに気付くはずの差と言われています
完璧なセッティングにするまで手間はかかるでしょうが、得られる恩恵は大きいかもしれません。
次から次へと新しいパドルに手を出すよりは、コスパ的にもいいかもしれませんよ。
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