サーフェス別 戦術の工夫

サーフェス別 戦術の工夫

あなたは普段、どんな場所でピックルボールを楽しんでいますか? 実は意外に大きな影響を与えるのが「サーフェス」(コートの表面素材)の違いです。
テニスやバドミントンと同じように、コートの種類によってボールの弾み方やスピード、足の運び方まで変わってきます。
代表的なサーフェスごとの特徴と、それに合わせたプレーの工夫、戦術について解説します。
アクリルコート
アクリル製樹脂を採用したスポーツ用塗床材が張られたコートです。有明のデコターフなど、一般的に整備されたテニスコートで主に用いられています。アウトドアでやる場合は、これが主流でしょうか。
クッション性のある多層構造のためプレーしやすく、適度な硬さとノンスリップを兼ね備えています。

- 特徴: 弾みは比較的高めで、バウンド後もスピードが落ちにくい
- 注意点: スライディングはやや難しいので、細やかなフットワークが必要
- 戦術: 速い展開が得意なプレーヤーに有利
スピードは中速で、バウンドは膝近くまで跳ねることが多いです。
ドライブショットやスピードボールで激しく打って、相手を押し込むスタイルが有効です。
ディンクでも少しでも浮くと攻められるし、逆にこちらからスピードアップするチャンスも広がります。慎重かつ大胆なプレーが必要です。
アスファルトコート
あまり整備されていない箇所の屋外では、アスファルトがむき出しのコートの場合もあります。

- 特徴: バウンドはかなり高め、バウンド後もスピードが高速
- 注意点: 安定感あるフットワーク必要、転倒しないように
- 戦術: 速い展開が得意なプレーヤーに有利、ディンクも跳ねる
まずは転倒しないことが大事です。ボールもスピードが出て、跳ねるので、激しい打ち合いになることが多いでしょう。
サーブから攻撃的に、なるべくショートポイントで決着を付けたいところです。
先にネットについても、バウンドが高いため、前に落とすボールは決まりにくく、相手は膝上からドライブを打ってくることが多くなります。
油断せず相手を走らせ、時間を奪うような配球が大事になります。
ウッドコート
日本の場合、体育館を借りてプレーしている方も多いでしょう。この場合、木製のコートになることがほとんどです。

- 特徴: バウンドが低く、球足が速い。音が大きいのも特徴
- 注意点: 反応速度が求められるため、準備に遅れをとらないように
- 戦術: 素早いボレー戦や速いテンポのラリーを意識
バウンドは滑るような軌道になり、球足も速く感じるでしょう。テイクバックを小さく取る、打った後は素早く次に備えるなど、
反応時間を意識したプレーが大事です。
ディンク、スピードアップ後のハンドバトルでも同様の意識が必要で、
きちんとした戦略、配球を意識しましょう。
ゴミやほこりがあったり、古い施設の場合は、シューズが引っかかったり滑りやすくなります。きちんとした細かいフットワークを意識しましょう。
カーペットコート
室内テニスコートなどでプレーする場合、カーペットが敷かれているコートも多いでしょう。

- 特徴: 弾みは低く、バウンド後のスピードはかなり落ちる
- 注意点: 引っかかりの転倒に注意、細やかなフットワークが必要
- 戦術: 遅い展開が得意なプレーヤーに有利
バウンドが低いので激しいショットを繰り出す「バンカー」よりも
ディンクに長けたスローなテンポを好むプレーヤーに向いています。
膝下、時にはくるぶしあたりのボールを持ち上げないといけないので、スピンをかけたショットが必要です。
想定よりバウンドが低かった場合、瞬時にドロップに切り替えるなどの判断力もカギになります。
下半身の負担も少なく、ストップ&ゴーの動きがしやすいので、高齢者の方にも安心ですが、意外にシューズが引っかかって転倒することも多いです。きちんとした専用シューズを選びましょう。

経験値が大事
他にもレアケースでしょうが、クレーコートやアンツーカー(レッドクレー)、オムニコートなどの環境が考えられます。
ピックルボールは「サーフェスが変われば別の競技」と言えるほど、フットワークや戦術に、かなりの影響を与えます。
速いアクリルやコンクリートではスピードや正確でパワフルなショット、バウンドが低くなるウッドやカーペットでは反応時間やディンクでの展開力が求められます。
ですが、あまり有利不利の意識に惑わされなくとも、
何度かプレー経験を重ねれば、必ず慣れて解消できる問題です。
むしろバウンドや戦術の違いも、楽しんでしまいましょう。
いつもと違う場所で、いつもとは違うメンバーと。そんなお誘いがあったら積極的に参加するのも、良い実力アップのきっかけになるかもしれませんね。