ピックル雑学

アジアのピックルボール事情①

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ピックルボールはアメリカだけでなく、アジアでも急激に人気が高まっていると言われます。本当でしょうか? みなさんはどう感じておられますか?

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7万人~2億8000万人!?

ピックルボールをアジア全域に広げ、国際的な競技レベルとスポーツ文化を育てることを目的とするAFP(Asia Federation of Pickleball=アジアピックルボール連盟)には、9カ国以上の団体が加盟しています。

AFPに属するプレーヤーの競技人口は7万人と推定されるそうです。

一方で、UPAアジアとYouGovシンガポールによる2025年6月の最新調査によると、

アジア全域で19億人がピックルボールについて聞いたことがあり、

8億1200万人が少なくとも1度はピックルボールをプレーしたことがあるとのこと。

月1回以上プレーする人は約2億8200万人。

7万と2億8000万人。本格的なプレーヤーとたしなむ程度の人の差はあれ、ちょっと差がありすぎで、よくわからないですね(笑)。

市場価値を高く見せたい報告にはあまり頼らず、今回はなるべく冷静に各国のピックルボール事情を見ていきましょう。

日本:順調に競技人口増加

まずは日本から。AFPに加盟しているPJL(Pickleball Japan Federation=一般財団法人ピックルボール日本連盟)は、現在会員数1900人をうたっており、中長期計画としては2030年にコア競技人口40万人、2035年には100万人規模への拡大を目指すとしています。

日本のピックルボール専門メディア「Pickleball one」は2025年3月時点で、国内のピックルボール競技人口が1年前の約5倍にあたる約4.5万人に到達したと発表しました。

8月の「PJL バーガーキング® CUP」の模様を報じる「テレ東BIZ」の動画では、約5万人と報じられています。

順調に増加しているのは肌感覚として間違いないですが、控えめに見積もるなら、数万人規模というのが、正確なところではないでしょうか。

ちなみに日本のテニス人口は2012年373万人、2020年に343万人、2023年に312万人と減少傾向と高齢化が進んでいるそうです。

特にジュニア、高校生のコロナの影響、部活動衰退による減少傾向は顕著で、2019年から2023年にかけて30%も減少しているという報告もあります。

ピックルボールコートは都心やリゾート地などを中心に、全国で増加しています。

正確な数こそ判明していませんが、民間公営テニスコート、体育館などで練習する団体などを含めると、かなりの数になるでしょう。

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2025年5月には世界最大の屋内ピックルボールフランチャイズ「Picklr」が日本に今後5年間で20クラブをオープンするとの発表を行いました。

民間テニススクールでも経営面において、1面で多くのプレーヤーが練習できるピックルボールの転用は進んでおり、ピックルボール専用コートの増加は間違いなく加速しそうです。

ちなみにテニスコートの数は、今から10年前の2015年のデータしかありませんが、6454施設2万6307面。その時点の19年前から35%も減少したそうです。

今だともっともっと減っているでしょうね。

これも2015年のデータですが、人口10万人あたりの施設数割合は、私が住む大阪が全国最下位で、実に1人あたり2.20カ所しかないそうです。

続いて少ない順に東京、神奈川、兵庫、愛知。都心部になればなるほど少なく、ここがピックルボールコートに変わっていくとなると、都心でテニスをするのは、ますます難しくなるかもしれません。

ピックルボールの国内大会は2024年以降に開催されるようになり、12月には「PJF Pickleball Championships」(有明)が国際大会として開かれました。

2025年になると、勢いは加速。PPA Tour Asia(PPAが主導するプロツアー)の日本開催「Sansan Fukuoka Open」(糸島)が8月下旬に1300人規模で行われるなど、大会の質、参加者のレベルも一気に向上しました。

韓国:ブーム爆発間近?

韓国ピックルボール協会によると、現在、全国のピックルボールクラブの数は100を超え、会員数は3000人を超えていると推測されているそうです。

次の経済系のテレビ番組でも人気急上昇中のスポーツとして紹介されています。

参入障壁が低く、孫から祖父母まで3世代で楽しめるスポーツとして受けており、特にシニア層にとってパークゴルフに続くブームが来るのではないかと予想されているそうです。

すでに数千人規模でプレーされているのは間違いなさそうですね。

2025年にオープン、韓国ソウル盤浦にある「Spomotive」コート。屋内専用ハードコートとウッドコートが2面。海外からの訪問者も「アメリカ以上だ」と語るほど、満足度の高い施設だそうです。

韓国ソウル東大門区にある「Club520 Hwikyung」コート。屋内カーペットが5面。体育館の転用もこれから進んで行きそうですね。

世界ピックルボール選手権(WPC)シリーズの一環として、2年連続韓国国内で国際大会も開かれています。

2024年6月には安東で初のWPC大会を開催。約500人、海外からは150人以上のプレーヤーが参加しました。

2025年6月には済州島で開催。こちらもレベルの高い大会でした。

中国:数年後1億人予想!?

中国でもブームが起き始めているのは間違いなさそうです。

以下、新華社通信の記事から抜粋します。

中国国家体育総局スモールボールスポーツ管理センター(以下、スモールボールセンター)がまとめた「中国ピックルボール研究報告」によると、中国におけるピックルボールの発展は南側から北側へ広がっている。2018年1月には深圳ピックルボール協会が設立され、その後、中国各地の省や市にも協会が設立され現在、広東省だけでも20万人以上のピックルボール常連選手がいる。

ちなみに最初に出したUPAアジアとYouGovシンガポールによる最新の調査によると、中国で月1度以上プレーするアクティブなプレーヤー人口は6000万人以上。インドの1億7800万人以上に次ぐ2位とされています。全中国6000万人と広東省20万人も、あまりに大きな開きがありますので、信憑性はどうかと思います。

ですが、少なく見積もって、すでに数十万規模に到達しているのは確かではないでしょうか。

2024年、米国を拠点とするピックルボール大使のシーモア・リフキンド氏は、中国当局から、「今後5年間で中国には1万のコートと1億人のプレーヤーが存在すると予想されていると言われた」と語っているそうです。

1億人とはなんとも凄い数ですね。

背景としては、ショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」では関連動画の再生回数が1220万回を超えるなど、SNSを中心に若者たちの間で大きな広がりが見られるそうです。

ピックルボールパドルおよび関連用品のオンライン販売は、昨年比で6倍以上に急増したという情報もあります。

SNSやECサイトの活発な動きから、すでに市場規模は1億元(約15億円)を超えた、とされているそうです。

次の動画は中国・深圳にあるピックルボール施設です。

大型モールの中にあり、美しい屋外コートに空調完備の屋内コート。立派なショップも併設されており、この施設を見るだけで、人気が高まっていることが分かります。

2025年から始まったPPAツアーアジアも中国で2大会開催されます。

8月の香港オープンには、各国トッププロが参戦しました。

10月に行われる「チャイナ・スラム」はアジアツアーの中でも最大の大会で、賞金総額は100万ドル(約1億5000万円)を超える規模となります。

2024年8月には世界ピックルボール選手権(WPC)シリーズの一環として大連で大会が開催されています。動画はその様子です。

やはり人口が多い分、大きなマーケット。PPAを始めとするピックルボール界全体が中国に熱い視線を送っています。

台湾:テレビ番組が火付け役

台湾の経済誌 「遠見」によると、台湾でもピックルボールは今最もホットな「全年齢対象スポーツ」だそうです。

中華民国ピックルボール協会は、2024~2025年時点の推定値として14万人がプレーしたとし、2025年までに倍増して50万人、2026年には120万人と予想しているそうです。

しかし、ちょっとこれは、盛ってる数字かもしれませんね。C級コーチは1300人程度いるそうですから、そこそこの人気なのは確かで、実際は数千から数万人規模ではないかと予想します。

全明星運動會(All Star Sports Day)という、若者の間で人気の芸能人参加型スポーツリアリティー番組があるそうなのですが、その第3シーズンで新競技としてピックルボールが導入されました。

これを見て初めてピックルボールを知ったという人も増え、人気に拍車がかかったそうです。

また元NBA選手で台湾で超人気のスター、ジェレミー・リンがピックルボールのチャリティーイベントでマイケル・チャンとエキジビションマッチを行ったことでも、国内で話題になったそうです。

台湾にある「Pickleball Day Social Club」という施設です。台北で唯一の空調完備の室内ピックルボール専用コートだそうです。なかなかオシャレで立派なコートですね。

公園、体育館、学校を活用したコートなども多数できているようで、普及が加速する下地はあると言ってよさそうです。

2024年10月には、台中国際テニスセンターで2024アジア・ピックルボール選手権が開催され、11カ国から780人の選手が参加したそうです。

2025年9月にはアメリカのCAPA(California Pickleball Association)が主催して、宜蘭運動公園で「台灣公開賽 2025」(CAPA Taiwan Open)が行われました。

CAPAの国際大会で、初めてのアジア開催地に選ばれ注目されたそうです。

アジアのピックルボール
国名協会 団体推定競技人口
日本PJF JPA数万人
中国地方民間中心数十万人
韓国KPA数千人
台湾CTPA数千人

次回はインド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムを取り上げます。

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大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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