レーザーポインター理論とその先のヒント

レーザーポインター理論とその先のヒント

ピックルボールの教えとしてよく聞く言葉に「レーザーポインター理論」と呼ばれるものがあります。ご存知でしょうか?
これまでも本場アメリカでよくコーチングに使われる「3つの角度」「トライアングル効果」をご説明してきましたが、これも覚えておいて損はない理論です。


今回はこの「レーザーポインター理論」と、それをさらに深堀りした素晴らしい内容の動画を見つけたので、ご紹介させていただきたいと思います。
パドルの先から出るレーザーをイメージ
「レーザーポインター理論」とは、アメリカの指導動画などでも頻繁に登場する考え方です。
比較的シンプルながら、プレーの安定感を高めるヒントとして広く知られています。
この理論は、パドルの先にレーザーポインターが付いていると想像するところから始まります。
つまり、パドル面がレーザーの光を発しており、
その光が常にボールを指している、というイメージです。
ボールを打つ前に、パドルのセットする位置を意識。
こうすることで、次への反応をスムーズに行えるようにするというわけです。
反応が遅れる原因に
もう少し状況を具体的に考えてみましょう。
キッチンライン付近での打ち合いとなった場合、ラリーのテンポは非常に速くなります。
ところがよくあるミスは、ボールを打ったあとにパドルが横に流れてしまったり、そのまま大きく振り抜いた位置で止まったりします。
するとパドル面がボールの方向から外れてしまい、次のショットに備えるまでの時間が多くかかってしまいます。
この状態では
相手の次のボールに対して反応が遅れやすくなり、
結果としてミスにつながることも少なくありません。
非常に実用的なアドバイス
例えば低めのボールをフォアでロールボレーしたとしましょう。
パドルの位置が膝辺りにあり、面はコート方向を指した状態で止まっています。この位置からバックハイにボールが来ました。慌ててパドルを動かすと、パドル面はどうしてもオープンになり、反応する時間が足りないと、そのままポップアップにつながります。
レーザーポインターを意識していた、としたらどうでしょう。
ロールボレーの後、すかさずパドルは胸辺り、地面に対して垂直になった状態に戻しておきます。
これならスッと短い距離を動かすだけで反応できますね。
打ったあともパドルを前に残し、レーザーがボールの方向を追い続けるようなイメージを持つことで、
スイングが自然とコンパクトになり、パドルの位置も安定します。
結果として、次のショットへの準備が早くなります。
ピックルボールの速い展開に対応するための、非常に実用的なアドバイスと言えるでしょう。
テンポ速いハンドバトル時に有効
ただし、このレーザーポインター理論はあらゆる状況で万能というわけではありません。
特に効果を発揮するのは、キッチンライン付近などでテンポの速いラリーが続く場面です。
時間がない状況でパドルを素早くニュートラルポジションに戻し、次のボールに備えるという点で、この考え方は非常に有効です。
一方で、ベースライン付近やノーマンズランドでのラリーでは、状況は少し異なります。
パドルの構えを常に胸の前に固定しておくとは限りません。むしろ重要になるのは、相手のパドル面の角度やスイング方向を見て、ボールのコースを予測することです。
相手が上から攻撃してくるのであれば、膝付近にパドルをセットするべきで、その状況に応じて、パドルの準備位置を柔軟に変える必要があります。
ディンク中はリラックスするために、パドルヘッドをダランと下げて構えているトッププレーヤーも存在します。
一歩進めた考え方の動画
少し脱線してしまいましたが、ネット際でのレーザーポインターの話に戻ります。
先日、この「レーザーポインター理論」をさらに一歩進めた発想を紹介している動画を見つけました。
基本的な考え方は同じなのですが、特に興味深かったのが、
ボールが自分のコート側に向かってきたときの意識についての説明です。
▶「Shea Underwood – Pickleball」YouTubeより
「レーザーポインター理論」の基本だけを聞くと、「常にボールの中央を指していればよい」と考えてしまいがちです。しかし動画では、そこからもう一歩踏み込んだ説明が付け加えられていました。
自分のコート側にボールが来た時
それは、ボールが自分のコート側に入ってきたとき、ボールの中央を指すことを意識しすぎてはいけない、という発想です。
ポインターで追う意識が強すぎると、パドルがボールを追いかける形になります。ボールは体の横まで来て、体は回転。すなわち肩が入りやすくなり、かえってテイクバックは大きくなり、スイングも遅れがちになってしまいます。
そこで提案されているのが、右利きの場合、ボールそのものではなく
「ボールの左側」、つまり外側を指すという考え方です。
前側で迎え撃つ形ができる
こうするとボール対してパドルを垂直に構えるより、バックの面が素早く作れます。
ボールを追いかけて打つのではなく、ボールを体の前で迎え撃つ形になりやすくなります。
バックで打つのを基本線にポインターの先が自分の右肩より、大きく右に寄っていけば、フォアで打つように切り替えます。
この際もボールの左側にパドルの先を合わせておけば、手首を返した際、
フォアのテイクバックの動きも抑制できます。
ピックルボールでは、ボールを「追って打つ」よりも、前で処理して相手の時間を奪うことがとても重要です。
その意味でも、「ボールの外側を指す」という発想は非常に理にかなっています。
実際に試してみると非常に効果的
私自身、この考え方を意識してプレーしてみました。すると、ボールを追いかける感覚が減り、自然と前で処理できる場面が増えるように感じました。
常にレーザーポイントの動きを意識します。
そして相手のパドルからボールが放たれた後は、照準をわずかに左へ置く、という意識で
パドルの位置も安定しミスも減った印象を持ちました。
レーザーポインター理論そのものはよく知られていますが、「ボールの外側を指す」という発想は、その応用として非常に面白いヒントだと思います。
この動画のコメント欄にも「素晴らしい!」とたくさんの称賛の声が寄せられています。
ピックルボールは、ほんの少しの意識の違いで、プレーの質が大きく変わるほど繊細なスポーツです。
みなさんもぜひコートで試してみてください。ボールの見え方や打点の感覚が、少し変わってくるかも。レーザーなだけに、プレーに新しい「光明」をもたらしてくれるかもしれません。












