相手にボールをぶつけるのは?

相手にボールをぶつけるのは?

テニスより高い発生率
テニスでは1時間練習してボールが体に当たることは、ほぼゼロでしょうが、ピックルボールでは少なくとも1度は起こるのではないでしょうか。
ピックルボールで相手にボールをぶつけるのは、マナー違反なのでしょうか? 相手にぶつけてしまったらどうすればいいのか? 今回はそんな疑問にお答えします。
相手に当たれば自分のポイント
ルールではパドルを持つ手先以外に、ボールが体や衣服に触れた時点で「フォルト」となります。
ラリーは終わり、当てた側のポイント、当てられた側の失ポイントと決まっています。
ピックルボールはサイドアウト制なのでサーブ権がない場合はサーブ権が移ります。

つまり誤って相手に当ててしまうことは、自らのポイントになるという、ある意味「こちら側の得」になる行為です。
この点はテニスやバドミントンと同じですね。
スポーツマンシップ違反も
ただし、故意に相手を狙ってぶつける行為は
「スポーツマンシップ違反」と見なされる可能性があります。
試合中の怒りや挑発を込めたと思われる危険なショットを放つと、審判の判断で警告や失点となるケースがあります。
特に顔面や頭部を意図的に狙っていると思われる行為は安全面の観点からも厳しく罰せられます。
もし当たってしまった場合は、ポイントこそあなたのモノになりますが、
しっかりと謝ることがマナーです。
ボディーショットは合法的戦術
とはいえ、相手の体にわざとぶつける「危険なショット」と、体の近くを狙って相手からの返球を難しくする「ボディーショット」の違いは紙一重です。
キッチン前に進み、相手の反応時間を奪い合うことこそが、ピックルボールの醍醐味であり
、体に絶対ぶつけてはいけないとなってしまうと、その面白みは半減してしまいます。
上級者は合法的で効果的な戦術として立派に用いています。
一般プレーヤーでも完全なリクリエーションを除いて、同レベルの相手とのプレーの場合は、狙っていくのはやむを得ないことだと思います。
効果的な狙い所
では顔や頭以外、どこをターゲットにするべきでしょうか?
最もセオリーとして言われるのは、相手の利き手側に目掛けてのショットです。
右利きの場合は右腰から右肩付近ということになります。

右腰のフォアかバックかどちらか迷う付近、あるいはバックで構えても距離があり反応時間がかかる左腰付近にボールを送ったとしましょう。
相手がバックで取ったら、次はフォア側と予想するプレーヤーが多いでしょう。
そこでもう1度バック側、しかも高い右肩付近にボールを送るとどうなるでしょうか?
ほんのわずかの差ですが、反応が遅れるでしょう。
脇が開き、肘が上がる。
これこそがチキンウイングと呼ばれる詰まった体勢です。
こうなると強いショットは打ちづらくなります。
返球のボールが浮けばこちら側の大きなチャンスになりますね。


効果的なタイミング
長いディンク合戦になって相手の頭の中がミスしないことに精一杯になっている時、ベースライン付近から相手の浅いボールをドライブで叩く時なども、ボディーショットは有効です。
狙うタイミングの例としては次のようなものがあります。
- 相手がキッチン手前でディンクを予想している時
- 相手の反応が遅れ、やむを得ずコースのヤマ張りしている時
- 相手がバランスを崩して体勢を立て直そうとしている時
- 極端にフォアかバックのどちらかに構えている時
- 互いの距離が近く相手がスピードを恐れている時
女性が男性を狙う
プロのミックスダブルスでも攻撃に躍起になる男性プレーヤーが、キッチン前に詰めてくると、女性プレーヤーが、あえて距離の短い前方にいる男性プレーヤーの胸元や腰付近を狙うシーンがよく見られます。
前に出た男性プレーヤーは、女性プレーヤー同士の打ち合いになると読んでいます。その待ち構えているコースを避けて、
あえて攻めに意識がいっている男性の正面を突くのです。
相手の体に当てることを狙っているというより
「反応時間を奪う」ためのショットと言えるでしょう。
礼儀の上に成り立つ高度な攻撃
顔を狙わない
当たったらキチンと謝る
怒りや挑発の感情で打たない
これらを守ることで、安全でフェアな試合を保つことができます。
ボディショットは、攻撃と礼儀の境界線にある高度な戦術です。
相手を敬いながら、正確に「反応の死角」を突く。
それこそが上級者のピックルボールです。
最後まで目を離さない
一般プレーヤーも
正面を狙われることがあると、あらかじめ想定しておくこと
打った後、次のショットにキチンと備えること
保護メガネをかけたり、アームガード、手袋をするなどの対策を講じること
ボールが完全に止まるまで、相手コート、ボールから目を離さないこと
は徹底したいものです。
ぶつけられる方、ぶつけてしまう方、どちらにもなる可能性があります。
油断でケガをすることだけは、避けたいものですね。












