ミックスダブルスの戦術

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ピックルボールのミックスダブルスはプロでも非常に花形のカテゴリーです。卓球、テニス、バドミントンなどに比べれば、頻繁にプレーする機会も多いですよね。

ですが、その分、他競技での同性同士のプレーに慣れた方々は戸惑うことも多いのではないでしょうか?

以前もミックスダブルスのコツと題して注意点を挙げましたが、今回はもう少し具体的な戦術にまで踏み込んでご紹介したいと思います。

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爆笑!こんな状況になってない?

次の動画を見てみて下さい。男性プレーヤーはデケル・バーというミックスダブルスPPA8位の有名プロなのですが、笑撃の「連係プレー?」で笑わせてくれます。

さすがにここまで極端な例はないでしょうが、少し心当たりがあって胸がチクッと痛くなる方はいらっしゃいませんか? 私? ありませんよ、ホントに!(笑)。

男性はヒーローになろうとしない

よく男性は左サイド、女性は右サイドと言われます。

「攻撃力」「ウィニングショット力」が高いプレーヤーはフォアを中央に置ける左サイド、「防御力」「戦略性」に長けたプレーヤーは右サイドという「ダブルスの原則」は変わりません。

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ですが、あくまで性別で絶対的な配置が決まっているのではなく、身長が高く手足が長い、決定力が高いプレーヤーが比較的、男性の場合が多いので、男性が左に立つ場合が多いだけと解釈して下さい。

仮に男性=左、女性=右と、よくある「パターン」に決まったとしても、男性が好き勝手していいという訳ではありません。

あくまで「フィニッシャー」(最終的に決めるプレーヤー)を主に担う役割になっただけです。

くれぐれも「ヒーローになる」のだと勘違いしないでください。

気持ち的には状況次第で少しアグレッシブなプレーを増やしてもいいという程度です。

女性は遠慮をしない

男性が最終的にポイントを決めることができるのも、すべては女性のショットメーカーとしての役割があってこそです。

「フィネスプレーヤー」という言葉があります。

英語で「繊細さ」「優雅さ」「精巧さ」などを意味します。

パワーとコートを広くカバーすることに重点を置く男性に対して、女性はコントロール、正確性、そしてパートナーにチャンスを与えることに重点を置くという意味で用いられます。

女性の場合は普段から男性プレーヤーとの体格差を補うために、繊細なタッチや卓越したコントロール力を磨いてきているはずです。

男性プレーヤーに遠慮したり、女子ダブルスと違った特別なことをするのではありません。

磨いてきた部分をより活かす戦いの場に立つと考えて下さい。

性別関係なくミスの多い方を狙う

ではもう少し具体的な戦術を見ていきましょう。

女性は基本的には女性同士で打ち合うものだと考えている方も多いかもしれませんが、必ずしもそれが正しい訳ではありません。

相手の性別に関係なく、どちらのプレーヤーの方がミスが多いかということをきちんと見極めなければなりません。

一番効果のある配球的な戦術は、大事なプレッシャーのかかるポイントほど、

相手のミスが多い方のプレーヤーにプレーさせるということです。

例えばリターンする場所を考える際も、女性が正確なサードドロップショットを打ってくるのに対して、男性が過剰にドライブばかりを打ってきている場合、男性側に3球目を打たせることも悪くない選択です。

特に相手女性のコートカバーリングに難があると感じた場合は、相手男性に強く打たせた次のショットを女性側を走らせるエリアにボレーで落とせば、かなり有効でしょう。

相手女性が取れなかった場合、相手の男性プレーヤーはますます力み、労せずしてミスしてくれるようになるかもしれません。

ディンク勝負でも男性が女性側のボールを奪おうとセンターラインを大きく割ってきた場合、男子の背後側にうまくリセットボールを送れば、攻め急ぐあまり簡単にミスしてくれるかもしれません。

よりミドルを狙い混乱を生じさせる

リターンを打つ場所としては、ミドルが基本なのは、ダブルスもミックスも同じです。

最もサイドアウトの危険が少なく、両プレーヤーのどちらが打つかを迷わすことができるからです。

定石通り、サーバーが女性=右、男性=左からスタートしていた場合、ゲーム序盤はセンラーライン付近に返球しましょう。

相手ペアが連係がきちんと取れていたなら、おそらくフォア側の男性がサードショットを打ってくるでしょう。

その後、ゲームが進むに連れて、返球をドンドン相手の女性側に寄せていきましょう。

相手男性が深入りして、ますます女性側にまで入り込んでいけば、チャンスです。

相手女性がバックで取るか、男性が自分のバック側を空けてまで取りに行くか、

迷う場所へボールを送って、ドンドン女性側に寄っていくように誘い込みましょう。

両者が重なり合うようになって、うまく返球できない場合もあるかもしれません。

男性が深入りしてサードショットを打ってきたら、次の4球目は、できたバック側のオープンスペースを狙いましょう。

女性が男性に介入させる餌をまく

ディンクで女性同士の打ち合いになると、ただひたすら互いのミスを待つだけでは、なかなかミックスの醍醐味であるコンビネーションによるポイントは生まれません。

女性は相手の女性の右足、左足を打ち分けるなど、相手ペアのバランスを崩す工夫が必要です。相手の右、右、左や左、左、右など、うまくタイミングとコースを変えて打つことで、自分のパートナーが、ラリーの中に入っていきやすくなります。

あなたの策略にハマった相手女性が先にポップアップさせたら、パートナーがうまく決めてくれるでしょう。

バウンドの低いリセットボールをやや女性より中央寄りに配球できれば、攻撃に集中している相手男性による強引なミスを引き出したり、パートナー同士で譲り合う「お見合い」を引き出したりできるでしょう。

女性が男性を狙う

女性同士のディンクの打ち合いが始まると、男性は何とか「フィニッシャー」としての役割を果たそうと

ラリーの回数が増えるに連れ、センター寄りに意識が行くものです。

女性は相手の女性と男性がぶつかり合うほど距離が狭まったと感じたら、

男性の背後、ダウンザラインに恐れずスピードボールを送って下さい。

仮に相手に反応されたとしても、そのわずか1本の配球は、必ずや相手を考えさせる一打になるでしょう。

「女性VS女性」の構図を時に変える用意があることを相手に明示しておくのは、非常に大事なことです。

女性がポーチする

男性は「フィニッシャー」、女性は「フィネスプレーヤー」という大まかな役割分担を述べましたが、それはあくまで基本的戦略です。

試合状況が進んで、相手に読まれていると感じたら、

女性が積極的にポーチしていくのも良い作戦です。

序盤の役割が急に変わったと感じた相手ペアは、かなり戸惑うことでしょう。

特に相手のサーブが深く、味方の男性レシーバーがキッチンラインに詰めるのが遅れていると感じた際は、少しでも前で取れるプレーヤー、この場合は女性が、攻撃した方が効果が大きいケースが多いです。

基本的な役割は変えないまでも、違うオプションがあると相手に思わせることができると、流れを変える大きなキッカケになるかもしれません。

女性が男性にスペースを空ける

こちらが完全に優位な情勢に立ちました。

ですが相手も2球、3球と粘って返球してくるケース、ありますよね。

この際に一番怖いのは男女のペアが重なってパドルがぶつかり合ってしまったり、互いにどちらが打つか息が合わずミスにつながってしまうケースです。

男女の性別の違いというのではなく、この場合、男性のフォアが中央にあった場合は、

女性は男性が打ちやすいスペースを空けてあげる方が得策となる場合があります。

プロの男性ミックスでも、男性プレーヤーがサイドラインの外側に立ってパートナーに確実に強打させるケースはよくあります。

女性はただボールを譲るのではなく、攻撃する男性が万が一バランスを崩して、ダウンザラインで逆転を狙われたケース、ロブで抜かれるケースに備えます。

上級者なら万が一のストレート側の返球に備え、アーニーを狙うプレーヤーもいるでしょう。

コート幅は縦6.1メートルしかありません。

テニスのダブルスコート幅は10.97メートルなので、テニス出身者の男性の場合は、左右は1人で十分コートをカバーできてしまいます。

対してコート半面の縦は6.7メートルあります。横幅より60センチ長いのです。

テニス以上にネット前に詰めるピックルボールでは、油断すると後方にロブなどで抜かれる「穴」ができます。

ほぼ攻撃一辺倒になった場合は、左右を2人で守る意識よりも、前はフィニッシャーに任せて、想定外のケースに備えて、後ろをカバーする意識の方がうまく行くと思います。

性別でプレーが決まる訳ではない

最後にもう1度誤解のないようにしておきたいのですが、あくまで男女の性別によって役割が明確に決まっている訳ではありません。

男女両方が最高のプレーヤーであることよりも、

最高のコンビネーションを構築することの方が大事です。

ペアを組むことになったら、互いのプレーの良さ、得意ショット不得意ショットなどをよく観察し、よく話し合いましょう。

  • 動きが良くコートカバーリングに長けている
  • フォアは攻撃的だがバックは弱い
  • アグレッシブな方がうまくプレーできる
  • ディンクよりもドライブが得意
  • スピードアップされても反応しリセットできる

以上のような様々な要素を考慮して、役割を徐々に細かく詰めていきましょう。

女性でも攻撃的に決めに行く、男性でもショットメークの方が得意。

そんな自分たちのペアだけの「色」があっても全然おかしくありません。

徐々に息が合い始めたら、こんな楽しいことはありませんよね。

最後にイメージトレーニングも兼ねてトッププロの素晴らしいプレーをどうぞ! 女性が積極的に攻めていますね!

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勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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