ピックル雑学

PPAプロがWTAで勝利

picklebouya

PPA女子シングルス12位のウージニー・ブシャール(Eugenie Bouchard)選手(31歳=カナダ)が快挙を成し遂げました。

7月29日、地元カナダ・モントリオールで行われている女子テニスのプロツアー、WTA1000のナショナルバンク・オープン1回戦に出場。

WTA世界82位のエミリアナ・アランゴ(Emiliana Arango)選手(24歳=コロンビア)に6-4,2-6,6-2で、

な、なんと勝ってしまったのです! これは驚きです!

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地元ハイレベルの大会で

▶「WTA公式」YouTubeより 試合のダイジェスト

テニスに詳しくない方のためにご説明すると、WTAツアーは4大大会と呼ばれるグランドスラムを頂点に、1000、500、250とカテゴリー分けされています。WTA1000と言えば、賞金も獲得ポイントも高く、その分、各国の世界ランク100位以内の強者が集って参加する非常にレベルの高い大会です。

年間10大会しか開催されず、4大会のグランドスラムに匹敵すると言っても過言ではありません。

そんな超本気中の本気の大会に、ブシャール選手はワイルドカート(WC)という主催者推薦枠で出場。その初戦でアランゴ選手を見事、打ち破ったのです。

ブシャール選手は2014年ウィンブルドンのファイナリスト、元WTA世界5位の実力者とはいえ、

現在のWTA世界ランクはシングルスなし、ダブルス1062位というもの。

100位以内にはランキングほど実力の差はないと言われるほどトップレベルの、24歳の82位の選手に勝ったのです。

シングルスのツアー勝利は2023年9月以来、実に2年ぶりでした。

突然の引退表明

実は私、前回もこのブシャール選手の話題を取り上げました。

7月のWTA125のホール・オブ・フェイム・オープンでツアー約2年ぶりとなるテニス復帰を果たす、ピックルボールとの二刀流に注目が集まる、という内容でした。

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ピックルボールとテニスの二刀流
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実際にシングルスに出場しました。7月9日、1回戦で世界268位アンナ・ロジャース(Anna Rogers)選手(27歳=アメリカ)に5-7,2-6で敗れました。

その後、ダブルスにも敗れた5日後の7月17日でした。

自らのインスタグラムで幼少時代の写真とともにテニス引退を突如表明したのです。

▶「geniebouchard」インスタグラムより 引退表明

「その時が来ればわかる。私にとっては今がその時です。全てが始まった場所で終わる、モントリオール」と綴りました。

理由はピックルボールの練習時間が足りなくなるため。

テニスとピックルボールの二刀流を諦め、2008年に予選でツアーデビューを果たした思い出深い地元の大会をテニスをプレーする最後にすると明かしたのです。

「二刀流」の前言撤回でした。

そんな最後の大舞台、感傷に浸る場になるはずの舞台で勝ってしまったのですから、

センターコートのスタンドは文字通り、総立ちのスタンディングオベーションで地元のヒロインを称えました。

▶「WTA公式」YouTubeより 歓喜の瞬間

随所にピックルの技

この動画のピックルボーラーがテニスでも躍動したのです。同一人物ですよ!(笑)。

▶「PPA Tour公式」YouTubeより

ピックルボールのおかげでしょうか、テニス全盛期より、フォアのスピン量は明らかに上がっていました。

両手バックハンドのテイクバックもわずかながらコンパクトになっていると感じます。

何よりネットに出る回数が増えました。

先のダイジェスト動画には入っていませんが、

とにかくピックルボールを彷彿とさせるプレーが随所に見られました。

ドライブボレーの嵐

フォアのドライブボレーを連続で打って決めたり、どう見てもスマッシュが普通のボールをドライブボレーしたり。

とにかく勝負どころはネットに出てドライブボレーの嵐でした。

アプローチの後、サービスライン付近から強引にクロスにドライブボレーで決めたり、サービスライン1メートル前で逆クロスのフォアドライブボレーで、大事なポイントを奪ったりしました。

キッチンでのボレーさながら、オープン気味のフォアボレーウィナーなんてのもありました。

バックのショートアングルから前に出ると、相手の何とか返球したボールはネットの真上に当たって、まるでキッチンに落ちたかのような「ドロップショット」に。

ブシャール選手は落ち着いてステップバックしてワンバウンド処理。最後はスマッシュと、まさにピックルボールさながらのプレーに観衆は大いに沸きました。

トレーニングの賜物

ネット前、バックにうまく沈められると、無理にワンバウンドさせてスピン返球するような動きをしてミス。まさかキッチンラインを気にした訳ではないでしょうが、本人はハッキリと苦笑いしていました。

きっと心の中で「ピックルボールとは違うのよ」と言っていたことでしょう(笑)。

試合時間はピックルボールの何倍も長い1時間46分、オーバーヘッドで強烈なサーブを打ち続けられたところに、きっちりテニスのトレーニングを積んできた様子が伝わってきました。

他にも「サードショット」ドライブの強烈さ(テニスの3球目攻撃です=笑)、両手バックの低い打点の持ち上げ、アジリティーの部分。

どれもピックルボールの効果が出ているように見えたのは、気のせいでしょうか。

それでも、ピックルボールの約3倍のコートの広さは、とてつもなく広く感じたことでしょう(笑)。

▶「geniebouchard」インスタグラムより 直前トレーニングの様子

ラストもう1試合

引退はわずかですが、先延ばしになりました。次戦はキャリアハイ元世界4位で、世界20位のベリンダ・ベンチッチ(Belinda Bencic)選手(28歳=スイス)と当たります。

過去の両者の対決はベンチッチ選手の3勝0敗。ブシャール選手の全盛期、2015年に2度の対戦経験がある相手です。

先日、この私、「ピックルボールはテニスができなくなった人がやるスポーツ」との声を、何かのSNSで見てショックを受けていたのですが、ブシャール選手の活躍のお陰で、少しは気が晴れました。

もう1試合、我らピックルボーラーの「誇り」にかけて、ナイスプレーを見せてもらいたいところです。

※次戦はベンチッチ選手に2-6,6-3,4-6で敗れました。それでも1セットを奪う健闘にスタンドは大きな拍手に包まれました。引退セレモニーでは涙を流し家族に感謝を伝えました。

▶「The Tennis Letter」Xより

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勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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