高速化するピックルボール

picklebouya

ピックルボールは今も、まだまだ変化し続けているというお話です。

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世界1位が昔の方が面白かった発言

フェデリコ・スタックスルド(Federico Staksrud=29歳=アルゼンチン)というアメリカPPAの男子シングルス、男子ダブルスともにNo.1の選手が、最近Xにアップしたつぶやきが、少々物議を醸しています。

シングルスのピックルボールは今やミニテニスみたいになってしまった。ネットに出てリターンする意味がない。

昔は猫とネズミの追いかけっこやサードドロップが楽しかった。もっと見ていて面白かったと思う。もしかしたら私が間違っていたのかも!

2025年5月14日 フェデリコ・スタックスルード選手のXより

発端は、直前のアトランタのトーナメントのシングルスで、65位アレクサンダー・クラム(Alexander Crum=33歳=アメリカ)選手に敗れたことです。

下の動画、赤色がスタックスルド、青色のウェアがクラム選手です

▶「PPA Tour」動画より

スタックスルド選手は敗戦後すぐ「ボールは完全にひどい」とつぶやきました。

その後、「そうは言っても、アレックス(クラム)は素晴らしい選手であり、勝利に値した」とツイートを足しましたが、不満げな様子は明らかでした。

両ツイートととも今は削除され、最後にされたツイートが冒頭にご紹介したものという状況です。

試合を見る限り、確かにスタックスルド選手がリターン後、キッチンに詰めても、次のクラム選手の強烈なドライブ1発でポイントが決まる場面が目立ちました。

呼応するプロが次々と

影響力の大きい世界1位の発言とはいえ、単なる個人の感想で済めば、良かったのですが、呼応するプロが次々と現れ、インスタやXで投稿していきました。

オーストラリア出身のプロでYouTuberとしても著名なゼイン・ナブラティル選手(Zane Navratil=29歳)は「3年以上前は(ダブルスより)シングルスの方が見ていて面白かった」と、スタックスルード選手に賛同するつぶやきを残しました。

問題ですね。ダブルスではパワーが問題ですが、シングルスではトップスピンが問題だと思います。

トップスピンはコートの幅と長さを効果的に広げ、パスカバーを非常に困難にします。

3年以上前はシングルスの方が見ていて面白かった。

2025年5月14日 ゼイン・ナブラティル選手のXのより

やはりパドルの開発進歩でボールが速く飛びすぎ、強烈なトップスピンがかかるようになって、ストロークのペースが早まりすぎているという感想が多いようです。

もちろん今もパドルの反発係数基準は守られているのですが、他のプロからも「パワー、スピン、プレーあらゆる面で、3年前ごろのシングルスが一番面白かった」との賛同の声が寄せられています。

チェンソーサーブ生みの親

実はスタックスルード選手を擁護する形になった、

ナブラティル選手は、「チェンソーサーブ」の生みの親として有名です。

▶「Major League Pickleball」動画より

動画を見てください。アドバンテージサイドから打ったサーブは、本来なら右に曲がるかのような軌道ですが、左に曲がり、相手選手はボールに触れることすらできずエースとなります。トスの時点でボールに強烈な回転をかけて打っているのです。

実は今現在は、このサーブはイリーガルサーブ、すなわち違反と見なされ使うことができません。

▶「ThatPickleballGuy」動画より

この動画では、どのようにサーブの改良を加えていったのかをナブラティル選手本人が時系列で説明してくれます。

最初は体の前で水平にしたパドル面の上にボールを起き、手でこすり回転させてから打っていました。この動きがチェンソーのスターターハンドルを引く仕草に似ていることから、チェンソーの名が付いたそうです。しかし2021年PPAでパドルに乗せることが禁止されました。

次に左手の上にボールを置き右手で擦るようにして回転をかけて打つ両手トスに改良します。これも2021年から2022年にかけて禁止されてしまいます。

片手の指で弾いて回転を書かける方法も編み出しましたが、2022年以降は、トスの時点でボールに回転をかける行為は、すべて禁じられました。

今もPPAは腰より下の高さで打つサーブしか認められていませんが、MLPはパドルヘッドさえ手首より下向きなら、ヒッティングポイントの高さ制限はありません。

リターンダッシュが減る?

PPAとMLPの足並みが揃わないことの理由は分かりませんが、それだけ色んな意見があるということなのでしょう。

用具開発が進むに連れ、それに見合った競技性を保つため、ルールは今も変わり続けているということです。

いずれにしろ、ルール整備や今後の改正は、考えていかなければならない問題です。

テニスでもラケットの進化によりサーブ&ボレー時代、ストローカー時代、オールラウンダー時代と変化していきました。

ピックルボールも、今後パドルの反発力が弱められるのか。はたまた、特にシングルスの場合、リターン後、キッチンに詰めるパターンが当たり前でなくなる時代が来るのか。

今はまだ想像できませんが、きっと私たちも数年後「あの時のピックルボールはこうだった」と話す時が来るのだと思うのです。

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ピックル坊や
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勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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