ピックルボールのケガ防止

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アメリカの最新論文より

ピックルボールは「誰でも気軽に楽しめるスポーツ」として爆発的に人気が高まっています。しかしその一方で、ケガの件数も増えており、アメリカでは「怪我をしやすいスポーツ」として医療関係者から注意喚起が行われています。

今年8月22日にセントルイス大学の研究者らが次のリンク先のような論文を発表しました。主に米国在住の月1回以上、ピックルボールをプレーする18歳以上の1,758人へのアンケート結果をもとにしたものです。

この最新の調査データをもとに、ピックルボールで起こりやすいケガとその防止法について解説します。

ケガの発生状況

レポートでは主に次のようなことが明らかになっています。

  • 年間約19,000件の救急外来受診(米国、2020年)
  • そのうち90%以上が50歳以上のプレーヤー
  • 2002〜2022年で骨折件数は約90倍に増加
  • 骨折の92%は転倒によるもので、特に上肢の骨折が多い(全体の66%)

今回紹介したデータは、主にアメリカ国内のプレーヤーを対象とした最新の研究結果ですが、韓国でも同様の調査が行われています。アメリカと韓国を比較すると、ケガの発生部位や傾向に共通点が多く見られます。そのため、米国データを中心にしつつ、韓国調査を補足的に紹介しました。

さらに注目すべきは、

こうしたケガの中には「数週間から数か月、あるいは1年間近くプレーを休まざるを得ないケース」も報告されている点です。

単なる打撲や捻挫にとどまらず、手術や長期リハビリを要するほどの重傷例も一定数存在します。

もう少し細部を見ていきましょう。

(1) 足首の捻挫・肉離れ(約12〜15%)

  • 原因:急な方向転換やストップ動作
  • 防止法
    • コートシューズ(テニス用)を着用
    • 足首のストレッチ、カーフレイズなどで下腿を強化

(2) 膝の障害(約20%)

  • 原因:ジャンプによる負荷、半月板損傷、靭帯の炎症
  • 防止法
    • 大腿四頭筋・ハムストリングの筋力トレーニング
    • 膝サポーター活用
    • 長時間プレーを避ける

(3) 肘の痛み(テニス肘・ゴルフ肘:約10〜12%)

  • 原因:ドライブやボレーの繰り返し動作
  • 防止法
    • 正しいフォーム指導
    • 適切なグリップサイズの選択
    • 前腕筋のストレッチと強化

(4) 肩の障害(約15%)

  • 原因:スマッシュの過度な繰り返し
  • 防止法
    • ゴムチューブトレーニング
    • スマッシュは体幹と脚を使う全身運動に
    • 違和感が出た時点で早めに休養

(5) 腰痛(約8〜10%)

  • 原因:低い姿勢でのプレー、腰部への過度な捻り
  • 防止法
    • 体幹トレーニング(プランク、バランスボール)
    • 適度な休養
    • ストレッチで腰周りの柔軟性を確保

(6) 転倒による骨折(全骨折の92%)

  • 原因走りながらバランス崩し、手をついて骨折
  • 防止法
    • 無理なボール追いを避ける
    • 滑りにくいシューズを選ぶ
    • 受け身の練習を取り入れる

骨折の92%が転倒事故によるものだということが分かります。

またケガ全体の63%が転倒によるものだそうです。

浅いボールや深いロブの処理は、

打つ方も受ける方も気をつけなければならないですね。

年齢とケガの関係

50代で35%、60代以上で45%と、50歳以上が80%を占めています。

  • 50歳以上のプレーヤーが全体の8割
  • 骨密度低下や反射神経の衰えがケガ率を押し上げている
  • 韓国の調査では、34.2%が過去1年間でケガを経験
  • 中でも上肢44.8%、下肢42.3%、背部10.3%が多い

ケガ防止の対策

(1) ウォーミングアップとクールダウン

  • 5〜10分のジョギングや動的ストレッチ
  • プレー後はアイシング・静的ストレッチ

(2) フォーム改善と道具選び

  • 肘や肩への負担を減らすフォーム習得
  • 正しいサイズのグリップと軽量ラケット
  • クッション性と安定性のあるシューズ

(3) 体作りと休養

  • 筋力トレーニング(特に下半身・体幹)
  • 栄養・睡眠を確保
  • 痛みが出たら無理をしない

転倒はしない程度に

  • ピックルボールは安全なスポーツに見えますが、実際には年間数万件レベルで怪我が報告されています。
  • 特に「転倒による骨折」「下肢の障害」「肩・肘の障害」が目立ちます。
  • データに基づく予防策を実践すれば、怪我のリスクを大幅に下げることができます。

ケガの急激な増加は、もちろん急激な競技人口の増加によるものが、大きいですが、

高齢者でも取り組みやすい一面も、ある程度の上乗せの要因になっていると思います。

注意の仕方によっては、大きな事故を防ぐこともできます。

転倒するまでの深追いはくれぐれも避けるように、しましょう。

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ピックル坊や
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勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信。ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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