戦術について

サードショット ドライブかドロップか

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迷えるサードショット

以前、サードショットについて触れました。

(お読みでない方はぜひ下記のリンク先よりご覧ください)

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サーバーがサーブを打った後、相手がリターンしてきて、3番目に打つショットを「サードショット」と呼び、それをどのように打つかが非常に大事とされているというものです。

一つはドライブで相手を押し込むもの。もう一つはドロップ(相手キッチンに落とす)を打った後、自らはキッチンラインへの到達を目指すもの

この選択の難しさを日々実感します。

また「ドリップショット」というものもアメリカで、はやり始めているという話もしました。ドライブかドロップの二択ではなく、その間のようなショットを混ぜるという考え方もでてきています。

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いわゆる三択ですね。

こうなると、どういった場面で、どのショットを使うべきなのか、非常に迷います。

ドライブの有効性

「ドリップショット」が生まれた背景に「本当にドロップショットは有効なのか?」という論争があります。

逆に言えば近年のパドルの性能アップにより「攻撃的なドライブを打った方がポイントを得やすいのではないか?」という考えが強まりつつあると言えるでしょう。

▶「That Pickleball Guy」動画より サードショットドライブの狙い所の説明

前進してくるリターナーの足元、弱いプレーヤー、2人の中央など、なるべく3球目でポイントを終わらす、あるいは5球目をパートナーのポーチで決めてもらう(シェイク&ベイクと呼ばれる)形を目指すものです。

ドロップを打つときは

とはいえ、やみくもにドライブだけを打っていても簡単にはポイントを奪えません。

元世界1位のシモーネ・ジャルディム選手は次の2点の場合はドロップを選択すると語っています。

①相手のリターンが浅く低い位置でボールを打たされる場合

理由 ネット際の低い打点でドライブすると、どうしても自分のショットは下から上に打ち上げることになります。すると相手に簡単に決められてしまうか、アウトしてしまう確率が上がります。

②相手のリターンが深い場合

理由 自分のポジションが不利な状況です。後方からドライブしても相手には取られ、オープンスペースに打たれてしまいます。フットワークを使ってなんとか追いつけた場合は、自分の時間を作るためにも、ドロップを打って、次のショットに備えた方が得策と言えます。

ただし高い位置で打てる場合はドライブの選択もあり得ると語っています。 

▶「Simone Jardim Pickleball」動画より

相手の位置見て

ボールの高さやバウンド、自分のポジションを踏まえて、ショットを選択する。

この点は基本となりますが、もう一つ大事なことがあります。それが相手のポジションです。

自分が深いサーブを打ち、相手がキッチンへの前進に戸惑っている場合は、わざわざドロップを選択する必要はありません。チャンスを逸せず、迷わずドライブで打つことを推奨しています。多少浮いても相手は前進しながらネットより低い位置でボールを返球しなければなりません。

逆に相手が自分が打つより前にキッチンにゆうゆうと到達している場合は、ドライブを打つと、相手も気持ちよくハードボレーでウイナーを奪ってきますよ、と動画を締めくくっています。

プロのデータを見ると

次の動画では2024年アトランタチャンピオンシップで女性プロが156回打ったサードショットの統計を出しています。うちドロップが110回で71%ドライブが46回で29%だったそうです。「サードドロップは絶滅した」というのはウソですよ、と語っています。

▶「All Things Pickleball」動画より サードドロップの5つの誤解

次のコラムは少し古いですが2020年APP オープン トーナメントの男子と女子のダブルス金メダルマッチの統計です。ドロップが66%ドライブが34%

ポイント獲得はドロップが45%でドライブが53%。ドライブの方が、わずかに高かったそうです。このような点がドライブ有利説の一つの根拠になっているようですね。

▶「Pickleball Effect」サイトより サードショット戦略

上級者の6割がドロップ

また一般的なレーティングが低いプレーヤー(2.5~3.0)はドライブ率が52%ですが、レーティングが上がるに連れ、ドライブ率は39%まで下がるというデータもありました。こちらの場合、ドライブとドロップではポイント獲得率に明確な差は出なかったそうです。

さきほどのプロのデータも含めて考えても、結論として、上級者の6~7割がドロップを選択しているというのは、確かな数字と言えそうです。

私もピックルボールをし始めた時、そうでしたが、打てるほとんどをドライブで打つというのは戦略的にも疑問符がつきます。

相手がピックルボール初心者の場合、ドロップよりドライブに対する方がミスは増えるでしょう。ダブルスの場合、サイドやセンターをお見合いで抜けるなんてこともあるでしょう。

ですが、レベルが上がれば上がるほど、苦しい体勢でドライブを打っても、簡単に返されてしまいます。

しかしながら、プロになれば、経験上、ドライブでポイントを得られやすくなる状況を心得ており、的確なチョイスをした際に得点の可能性も高まっている、と考えられるのではないでしょうか?

8つの判断

まとめると

①ボールの落下点

②バウンドの高さ

③自分のポジション

④相手のポジション

⑤自分のスキル

⑦相手のスキル

を踏まえて判断するということでしょうか。

さらに緊張するゲーム序盤は心地よくドライブを打って、慣れてきたら、より繊細なタッチを要求されるドロップも混ぜていくという考え方もあります。相手も緊張感が増す終盤の方が、ドロップの処理はイヤではないでしょうか。

こう考えると

⑧ゲーム展開

も加わりそうですね。風などの気象条件も加味しなければならない時もあるかもしれません。

ドロップか? ドライブか? まさに永遠のテーマです。

悩みは尽きませんが、コート上では選択に迷わず、思い切って決断しましょう! やはりピックルボールは奥深いです。

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ピックル坊や
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勝手に広めるンルン
大阪府生まれ。大学までテニス部。大阪から情報発信
ピックルに目覚め、ルンルン楽しく上手くなれるのか検証中
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