ピックルのライバル? TYPTIとは?

ピックルのライバル? TYPTIとは?

今、世界的に急拡大しているピックルボール。
その同じコートを舞台にした、新しい競技が誕生しているってご存知ですか? その名もTYPTI(ティプティ)。ピックルボールと似ていますが、様々な点でルールを変えています。
いわばライバル的なポジションを狙った新スポーツと言えます。アイドルグループ乃木坂に対抗した「僕が見たかった青空」みたいなものでしょうか(笑)。
今回は2回に分けてこのスポーツを紹介します。
えっ、ピックルボール専門ブログで一体、何の意味があるの?とお思いの方もいらっしゃると思いますが、意外にこれが今のピックルボールの立ち位置や、その良さを改めて考える機会になると思うのです。
あえてピックルと変えたルール
このスポーツを立ち上げたのは、スポーツ専門テレビ局「テニスチャンネル」を創設した
スティーブ・ベラミー(Steve Bellamy)氏。
さらに元NFLスターQBのドリュー・ブリーズ(Drew Brees)氏も投資家として参加しています。
TYPTIはピックルボールのコートを使いながら、ルールやプレースタイルはかなり異なります。
というか、
あえてピックルボールとは逆の設計をしていると言った方がいいかもしれません。
順を追って説明します。
コートサイズだけはまったく同じ
TYPTIのコートはピックルボールと同じです。
サイズは
20×44フィート(約6.1m×13.4m)。ネットの高さもまったく同じです。
なぜコート環境面では同じに? 実はすでに、ピックルボールの大人気でたくさんのコートが存在するアメリカ。人気にあやかり、既存施設をそのまま使えるスポーツを考え出したというわけです。
ただしキッチンがない!
ただし、決定的に違う部分があります。それがノンボレーゾーン、
いわゆるキッチンがないのです。
もちろん、ピックルボールコートを使用するので、ラインやカラーの違うゾーンは存在していますが、それを無視していいということです。
つまり
- ネット前にベタ詰めして
- そのままボレーしてOK
というルールです。
ピックルボールをしているからならご存知、
ピックルの根幹と言えるボレーをしてはいけないゾーンをあえて取っ払ったのです。
何とも大胆、挑戦的であることがお分かり頂けるでしょう。
まずは動画を見てイメージしていただきましょう。バンバンにキッチンラインを踏んでボレーしています。
▶「playtypti」インスタグラムより
ストリングラケットとフォームボール
用具について見てみましょう。
ラケット
ピックルボールではパドルを使いますが、TYPTIではストリング(ガット)付きラケットを使用します。
公式サイトを見るとヘッドサイズは86インチ(555 cm²)、長さは22インチ(55.88cm)。重さは269グラム。
テニスで言えば、5~6歳児が使う子供用ミニラケットというサイズ感です。
▶「playtypti」インスタグラムより
ボール
ボールはフォーム素材のボールです。
このボールはプラスチック製のピックルボールの硬い穴開きボールとは違い、
高く弾む設計になっています。
サイズは3.5インチ(約8.89cm)。直径2.87~2.97インチ(約7cm)のピックルボールを一回り大きくした大きさです。
重さは約29g。約22〜26gのピックルボールより少しだけ重い仕様です。
▶「playtypti」インスタグラムより
ボールの中央部分(赤色部分)には「グルーブ」と呼ばれる溝が入っています。
空気抵抗を増やすことで飛び過ぎを抑え、摩擦がかかりやすい部分を作ることでスピンをかけやすくします。赤ライン部分を見て、ボールの回転を読む要素もあるそうです。
このボールとラケットのストリングスにより、トップスピン、スライス、ドロップショットに加え、ナックルボールなど、ピックルボールに比べて大きな変化、多彩な球種が可能になるそうです。
よってプレーはネット前の細かいタッチだけでなく、ストローク主体のラリーになりやすいと言われています。
価格
ラケットのお値段は199.99ドル(約3万1500円)。結構高い!
ただし、38〜48ポンドとかなり緩めに張るとともに、フォームボールのため、ストリングスは切れにくいようです。
ボールのお値段は3球セットで17.99ドル(約2800円)。
逆にボールはピックルボールより長持ちしそうです。
何より静音性が高いので、騒音問題を抱えるピックルボールより進化している、とうたっています。
体のどの部分でも返球できる
実際のプレーの様子の動画です。
ネットに当たって手前に落ちたボールを手を使って打ったり、好き勝手に遊んでいるように見えますが、実はこれすべて合法なのです。
▶「TYPTI」YouTubeより
TYPTIの大きな特徴の一つがこのルールです。
ボールが2バウンドする前なら、体のどの部分を使っても返球可能。
つまり
- ラケット
- 手
- 足
- ボディ
- 頭
など、どこに当たって返ってもプレーは続きます。
もちろん通常はラケットで打ちますが、偶然の当たりでもラリーが続くため、
予測不能なプレーが生まれるスポーツと言われています。
ネットリバウンドルール
TYPTIでもう一つ特徴的なのがネットリバウンドルールです。
通常のラケットスポーツでは
ボールがネットに当たって自分のコート側に戻った場合、その時点で失点
になります。
しかしTYPTIでは次の条件でプレー続行になります。
- プレーヤーがボールを打つ
- ボールがネットに当たる
- ボールが自分のコート側に跳ね返る
- そのボールを2バウンド以内に打ち返せばラリー続行
つまり、ネットに当たって自陣側に落ちてきたとしても、ラリー継続のチャンスがあるというわけです。
これもラケット以外でボールを打っていいのと同様、従来のラケットスポーツの常識を覆すルールとなっています。
| 項目 | TYPTI | ピックルボール |
|---|---|---|
| ラケット | ストリング | パドル |
| ボール | フォーム | プラスチック |
| ボレー | 制限なし | キッチン内禁止 |
| 返球 | 体のどこでもOK | パドルのみ |
| プレースタイル | ストローク主体 | ネット戦中心 |
| カウント法 | ステークス制 | サイドアウト制 |
ステークス・スコアリング
TYPTIの得点方式もかなりユニークです。
それがステークス・スコアリング(Stakes Scoring)です。
基本ルールは
3ポイント連続で取ると1ゲームです。
具体例
プレーヤーA
1ポイント目
→ 1 Up
2ポイント目
→ 2 Up
3ポイント目
→ ゲーム獲得
しかしここでミスすると状況が変わります。
例えば
Aが2 Upの状態でポイントを落とすと
→ 相手が1 Up
になります。
つまりそれまでのポイントはリセットされ、
流れが一瞬で逆転する仕組みです。
ゲーム形式
TYPTIは通常
- 3ポイント連続 → 1ゲーム
- 5ゲーム先取 → 1セット
- 3セットマッチ
という形式で行われます。
この方式によって試合はテンポよく進み、常に緊張感が続く設計になっています。
CBS系列でも報道
TYPTIはまだ誕生したばかりのスポーツですが、ピックルボールコートを活用できるという点から、今後の広がりが注目されています。
米CBSロサンゼルスのニュースでも紹介されて、話題性も上がっています。
▶「CBS LA」YouTubeより
「バドミントンとテニスを組み合わせたようなスポーツで、ピックルボールよりもダイナミックで面白いかもしれません」。
そんな言葉はアメリカで、そして世界で受け入れられるようになるのか? 注目です。
次回はピックルボールとの比較を考えてみます。











